「まなびライン」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

「まなびライン」という言葉をご存知でしょうか。アニメ作品に詳しい方であれば一度は耳にしたことがあるかもしれませんが、そうでない方にはさっぱり意味がわからないことでしょう。本記事では、「まなびライン」の意味や使い方を、その由来や考察も含めてご紹介します。

目次

  1. 「まなびライン」の概要
  2. 「まなびライン」の由来
  3. 「まなびライン」の使い方

「まなびライン」の概要

「まなびライン」とは、インターネット上の一部掲示板などで使われている言葉で、「深夜アニメ作品のDVD/BDの売り上げ枚数からみた、想定上の採算ライン(約3000枚)」のことです。

アニメ作品の製作には多額の費用がかかります。特に深夜アニメの場合、DVD/BDの販売は製作費を回収するための代表的な手段であり、当然ながら「最低これだけ売れなければ赤字、ビジネスとして失敗」というライン(採算ライン)が存在します。

一部ネット上の文化では、この採算ラインをあるアニメ作品(と、その売り上げ枚数)にちなんで「まなびライン」と呼んでいるのです。

補足:「深夜アニメ」とは?

「深夜アニメ」とは、主に都市圏において、深夜帯(23~27時頃)に放送されているアニメーション作品の総称です。(通称であり、明確な定義があるわけではありません)

いわゆる「美少女」や「萌え」をテーマにした作品や、漫画やライトノベルを原作とした作品が多く、日本のサブカルチャーを代表するコンテンツのひとつです。

「まなびライン」の由来

『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』

「まなびライン」の由来は、2007年に放送された深夜アニメ『がくえんゆーとぴあ まなびストレート!』(以下『まなび』)です。

原作はなく、アニメ制作会社「ufotable」のオリジナル作品として製作された本作は、2035年の少子化が進んだ日本で、高校生の主人公らが「学校に行く理由」を問う意欲的な作品でした。

『まなび』の評価と売り上げ

『まなび』は、意欲的で現代的なテーマ、魅力的なキャラクター、高品質な作画・演出、ドラマチックかつ感動的なストーリーで話題を集め、多くの視聴者から好意的な評価を受けました。

ところが、『まなび』のDVD第一巻が発売されると、その売り上げ枚数は約3000枚(正確には2899枚とされています)。これは、当時の基準からすると決して芳(かんば)しい数字ではありませんでした。

売上が1000枚や2000枚に留まる作品と比べれば、『まなび』は健闘したといえます。しかし、放映当時の盛り上がりから考えると、「あれだけ人気だったのに、これだけしか売れなかったのか」と多くのアニメファンが驚く結果となったのです。

「まなびライン」の誕生

かねてからネット上では「深夜アニメの製作費回収には3000枚程度の売上が必要」との風説が存在しており、奇しくも『まなび』は大変これに近い数値でした。

そこで「あれほど評価が高かった作品でも、採算ラインぎりぎりの結果しか出せなかった」という教訓と皮肉をこめて、DVD販売数グラフの「2899」に一本の横線が引かれ、これが「まなびライン」と名付けられたのです。

「まなびライン」の使い方

「まなびライン」は、基本的には深夜アニメ作品DVD/BDの売り上げ枚数「約3000枚(2899枚)」という基準を指して使います(複数巻ある場合には、通常は第一巻の売り上げを見ます)。

または、具体的な数値を指定せず「採算が取れているかどうか?」を論じる際にも使用されることがありますが、いずれにせよ深夜アニメ作品のDVD/BD売り上げに関する話題で使う点は変わりません。

「まなびライン」は2007年に設定されたものですが、「面白い作品が売れるわけではない」という興味深い事実を象徴づける一基準として、現在でも一部ネット上で用いられています。

あくまでも風説に過ぎない点に注意

「深夜アニメの製作費回収には『まなびライン』相当(=3000枚)の売上が最低限必要」という考え方は、あくまで風説にすぎず、何らかの根拠に基づくものではありません。

作品によって製作費は大きく異なる上、その回収手段は多岐にわたり、内部の人間でさえ「作品ごとの具体的な採算ライン」を正確に算出することは困難でしょう。

一部ネット上では『まなびライン』に信頼をおいた議論が疑いなく行われることもありますが、あくまでも風説に基づくものであることは踏まえておきましょう。

例文

  • 〇〇(作品名)は失敗作だといわれているけど、まなびラインはちゃんと超えてるんだからな!
  • この作品は1万近い売り上げがあった。まなびラインの3倍だから、『まなびストレート』のざっと3倍は面白いってことだな。
  • まなびラインに届いてない作品って、2期(※続編のこと)は絶望だよね…。

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