「画竜点睛」の意味とは?使い方や例文をご紹介

とても素敵な響きの「画竜点睛」ですが、正しい読み方や意味、言葉の由来をご存知ですか?ここでは「画竜点睛」の誕生エピソードから意味や使い方、「画竜点睛を欠く」という言葉の意味などを、例文を踏まえながらわかりやすくご紹介しています。

目次

  1. 「画竜点睛」の読み方
  2. 「画竜点睛」の由来
  3. 「画竜点睛」の意味
  4. 「画竜点睛を欠く」の使い方
  5. 「画竜点睛」の類義語と対義語

「画竜点睛」の読み方

「がりょうてんせい」と読みます。「竜」は、「りゅう」ではなく「りょう」と読みます。訓読すると、「竜(りゅう)を画(えが)いて睛(ひとみ)を点(てん)ず」と読みます。そして、ここで使われている「睛」という文字は、瞳または目玉のことをさしています。よくお天気などで使われている「晴」という文字と読み方は同じですが、「画竜点晴」としてしまうと間違いになりますのでご注意ください。

「画竜点睛」の由来

「画竜点睛」の由来となっている故事は、張彦遠(ちょうげんえん)という中国・唐の時代(9世紀ごろ)の高級官僚が作成した、中国最古の絵画史と言われている「歴代名画記」に記されている逸話です。

「画竜点睛」の逸話

仏教を熱心に信仰していた南朝【梁】の初代皇帝・武帝は、張僧繇(ちょうそよう)という絵師に命じて、皇都である金陵の安楽寺の壁に四匹(よんひき)の竜の絵を描かせませした。しかし、僧繇は竜の瞳を描きませんでした。そして、いつも「瞳を描いてしまうと、竜はすぐに飛び去ってしまうだろう。」と言っていました。

これを聞いた人々は、僧繇の言うことを信じずに妄想だと言い、強く僧繇に竜の瞳を描くように要求しました。僧繇は人々の願いを聞き入れ、二匹の竜に目を入れたところ、たちどころに雷が壁を破り、二匹の竜は雲に乗って躍りながら天に昇っていってしまいました。そして、瞳を描いていない二匹の竜は、今も安楽寺にいるそうです。
 

「画竜点睛」の意味

この逸話から、人々は最後の大切な仕上げをして物事を完成させることや、その最後の仕上げのことを「画竜点睛」と呼ぶようになりました。他にも「画竜点睛」には、全体を生かすための肝心な要のことや、少し加えることによって全体を引き立たせることのできる効果的なものの意味もあります。

例文
1.先日の囲碁の対局で放った名人の最後の一手は、まさに画竜点睛と言うべき会心の一撃だった。
2.最後に添えられた一文が画竜点睛の役割をし、その小説の完成度を一気に高めた。

「画竜点睛を欠く」の使い方

「画竜点睛」は単独よりも、「画竜点睛を欠く」という言い回しで使われることの方がが多い言葉です。「画竜点睛を欠く」の意味は、物事を完成させるための大事な仕上げがなされていないことや、物事の大切な要が抜けていることです。

例文
1.この企画書にはスポンサーの視点が抜けていて、画竜点睛を欠いていると言わざるを得ない。
2.たくさんのスパイスで手作りカレーに挑戦してみたが、どうも画竜点睛を欠いた味だ。
3.いくらテストが100点の出来ばえでも、名前がなければ画竜点睛を欠いている。
4.どんなに凝った舞台や演出でも、主役が代役じゃ画竜点睛を欠いている感が否めない。
5.何をやっても詰めが甘い彼に任せたって、画竜点睛を欠いた仕上がりしか期待できないだろう。

「画竜点睛」の類義語と対義語

「画竜点睛」と似た意味を持つ言葉として、「点睛開眼」と「肝心要」という言葉があります。また、「画竜点睛を欠く」の類義語には「仏作って魂入れず」がありますし、反対語には「画竜点睛を入れる」があります。

また、「画竜点睛」の反対に近い意味を持つ言葉で「蛇足」という言葉があります。「余計な付け足し」という意味の言葉なのですが、同じ絵画にまつわる逸話から生まれた言葉なので、合わせて確認するのも面白いかもしれませんね。

ここまで「画竜点睛」の意味や使い方をご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?「画竜点睛」の入った仕上がりになっていると思っていただければ幸いです。

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