「災難」とは?意味や使い方をご紹介

「とんだ災難」という言葉があります。ある日突然、降って湧(わ)いた災難に「なぜ自分が。なんて運が無いんだ」と嘆(なげ)いているさまを表した言葉です。誰でも一度は、程度の差はあれ「災難」に遭った経験があるのではないでしょうか。「災難」の意味や使い方をご紹介。

目次

  1. 「災難」とは
  2. 「災難」の使い方
  3. 「災難」の類語
  4. 「災難」を含むことわざ

「災難」とは

災難(さいなん)」とは、「思いがけず身に降りかかってくる不幸な出来事。わざわい」を指す言葉です。突然の地震や火災、思わぬ交通事故に巻き込まれたりと、自身や周りで起こる不幸な出来事全般を指します。

「災難」の「災」と「難」は、いずれも「わざわい」という意味があります。同じ意味を持つ漢字を重ねた熟語で、その意味するところを強調する形になっています。

「わざわい」は、「人を不幸にする出来事」を指し、漢字では「災い」または「禍」と表記されます。よく使われる言い回しに「~が、わざわいした(する)」という表現がありますが、「その出来事が原因で不幸な結果をもたらした」という意味で使われます。

「災難」の使い方

「災難」を使った言い回しには、自分自身に降りかかった場合に「災難に遭遇(そうぐう)する」「災難に遭う」というような表現があります。また、「災難」に遭(あ)った相手に同情した場合の「とんだ災難でしたね」などの表現もあります。

【例文】

  • 今年は、旅行先で交通事故に遭い二か月の入院。その間に空き巣に入られたりと、とんだ災難の一年でした。
  • 彼女は、自分と家族を不幸のどん底に落とし入れた災難を、一生忘れないだろうと話していた。
  • 日常生活の中では、誰も自分が災難に遭うとは思ってもいないはずだ。
  • この度は突然のご災難で慰めの言葉もありません。ご同情申し上げます。
  • 彼を襲(おそ)った災難に、同情を禁じ得ない。

「災難」の類語

「災害」

「災害(さいがい)」とは、「地震や台風などの自然現象、事故・火事・伝染病などによって被(こうむ)るわざわい。それによる被害」を意味する言葉です。

災害の種類は多種多様で、自然的・人為的な要因に関わらず、人命や社会的財産が失われ、人の社会生活に被害が生じる事態(じたい)を指します。

【例文】

  • 彼は、海外旅行中に思わぬ災害に見舞われ、一命を落とすところだった。
  • 不慮の災害時に命を守る為には、一人一人の高い意識と防災対策が重要です。

「災禍」

「災禍(さいか)」とは、「自然災害や事故などによって受けるわざわい。思いがけない災難、災害」を意味する言葉です。

「災禍」の「禍」は、訓読みで「わざわい、まが」と読み、「不幸を引き起こす出来事。わざわい」という意味があります。ことわざの「口は禍の元(門)」(意味:不用意な発言は身を亡ぼす要因になるから、言葉は十分に慎むべきだという戒め)にも使われています。

【例文】

  • 1年前の震災で被った災禍は、現在でも住民の社会生活や経済活動に影響を与えている。
  • 近年の大型台風の災禍に備えて住宅の補強工事を行った。

「災厄」

「災厄(さいやく)」には、「不幸な出来事。わざわい」という意味があります。「災厄」の「厄(やく)」には、「①わざわい。くるしむ。さいなん。くるしみ。②巡り合わせが良くない時期」という意味があります。

②の意味の代表的な例が「厄年(やくどし)」です。陰陽道(おんみょうどう)に基づくもので、平安時代からあったと言われています。 

この「厄年」とは、人の一生の間で災難が多く降りかかるとされている年齢のこと。特に数え年で「男の42歳、女の33歳」は大厄(たいやく)と呼ばれ、凶事や災難に遭う率が非常に高いので十分な警戒を要する年齢とされています。

【例文】

  • 彼は、この思いもよらない災厄から如何(いかに)にして逃れるか、常に考えていた。
  • 大きな犠牲をはらったこの災厄から、私達が得た教訓は貴重なものだと言える。

「災難」を含むことわざ

「災難」は、いつ如何なるところでも起こるものだということを強調することわざを二つ紹介します。

「災難なら畳の上でも死ぬ」

「災難は、何時(いつ)でも何処(どこ)でも起こるもので、安全だと思っている家の中でも死んでしまうほどの思いがけない事故に遭うこともある」という意味です。

「災難の先触れはない」

「人は、いつ災難に遭うのか分からないので、日頃から用心が肝要(かんよう:とても大切なこと)だ」という意味です。


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