「誹り」とは?意味や使い方をご紹介

「誹り」の読み方をご存じでしょうか。「そしり」と読むのが正解ですが、では意味はどうでしょう。ちょっと難しいかもしれませんね。でも、「誹謗(ひぼう)」と同じと言われればわかるのではないでしょうか。この記事では、「誹り」について、意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「誹り」の意味
  2. 「誹り」の使い方・例文
  3. 「誹り」を使った故事や諺
  4. 「誹り」の関連語

「誹り」の意味

「誹り」とは「そしること。またその言葉」です。ちなみに「そしる」とは「悪しざまに言う。悪く言う。非難する。けなす」という意味です。「誹」の字は「誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)」にも使われており、やはり「人を非難する。けなす」といった意味になります。

また「会社の体制を誹り続ける」のように会社や組織を対象にした場合、「不平や不満を言う」という解釈になります。つまり「会社の体制に対して不平不満を言い続けている」と捉えることが出来ます。

「そしり」には、「誹り」以外にも「謗り」「譏り」と記すことが出来るため、こちらで覚えているという人も多いかもしれません。

「誹り」の使い方・例文

「誹り」は、一般的に他人や特定の人物を「非難する。けなす」場合に使われる言葉で、「彼は私を謗った」のように使います。また「誹り」を名詞として使うことで「世間からの誹りは免れない」のように表現することもあります。

ラジオや新聞を活用している方は「誹り所/誹所(そしりどころ)」「誹り種(ぐさ)」という言葉を見聞きしたことがあるかもしれません。「誹所」とは「(相手の)非難する点」、「誹り種」は「(相手を)非難する材料」のことです。

例文

  • 彼は私が理科の実験でふざけていたせいで一緒に居残り授業をさせられているのだと私を誹り続けた。
  • 彼女のミスさえなければ私たちのチームは試合に勝っていた。彼女を誹り、殴りたい気持ちにかられたが何とか心を抑えた。
  • 国会での質問で何一つ答弁できなかった大臣は、これを誹り所とされても仕方がないだろう。
  • アルバイト中に彼は休日のシフトについて誹り続けていた。それを1日中聞いていた私の身にもなってほしい。

「誹り」を使った故事や諺

「そしりては徳あるべからず」

一般的には神社でひく「おみくじ」に記されていることの多いこの言葉、その場で意味を正確に理解できる人は少ないのではないでしょうか。「そしり」とはもちろん「誹り」のことで、「人の事を非難すると自分にとって徳があるはずがない」という意味です。

」とは「身に付いた品性。教え。めぐみ」のことです。つまり、「人を非難することは自分にとっても品性のあることではない(のでやめなさい)」という意味になります。

大抵、「末吉」や「凶」のおみくじに記されていることが多いようで、姿勢を改めるような意味であることは理解できるようになっています。

「一誹り二笑い三惚れ四風邪」

よく、くしゃみをした時に「お前誰かに噂されてるぞ」なんてやり取りをしたことはありませんか。それを表したことわざが「一誹り二笑い三惚れ四風邪(いちそしりにわらいさんほれしかぜ)」です。

これは、くしゃみの回数で自分が誰かに○○されていることがわかるというもので、一回なら「誹りを受けている」、二回は「笑われている」、三回は「惚れられている」、四回は「風邪の前兆である」をそれぞれ指します。

意味がわかると三回位で止めたいところですが、身体にはよくないので自然体でいきましょう。

「誹り」の関連語

ここでは「誹り」と反対の意味を持つ言葉として「讃美」「賞賛」を紹介します。

「讃美」

「讃美歌」の「讃美(さんび)」には、「ほめたたえること」という意味があります。ちなみに「讃美歌」とはキリスト教で神または救い主を褒(ほ)めたたえる歌のことです。

「讃美」は、主に神を始めとする偉大な者を称える時に使う言葉で、一般の人々に向かって使う言葉ではありません。日常で人の行為を褒めたたえる時には「称賛(しょうさん)」などが当てはまります。

また「讃美」の「讃」は、常用漢字ではないので、学校では同じ意味の「賛」を習いますが、「讃美」と表記しても誤りではありません。

「賞賛」

「賞賛(しょうさん)」は「ほめたたえること」です。同音異義語に「称賛」がありますが、意味合いが違います。「称賛」「言葉にして相手を褒めたたえること」、対して「賞賛」「褒美を与えて褒めたたえること」です。


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