「陥穽」とは?意味や使い方をご紹介

「陥穽」(かんせい)が何を表すかご存じでしょうか。他の名前で呼ぶことのほうが一般的かもしれませんね。「陥穽に陥る」「陥穽にはまる」などのような言い回しがありますが、現在ではあまり使われていません。この記事では、「陥穽」の意味や使い方、類語について紹介します。

目次

  1. 「陥穽」の意味
  2. 「陥穽」の使い方
  3. 「陥穽」の類語

「陥穽」の意味

「陥穽」(かんせい)の意味は以下の通りです。

  1. 生け捕りにするための穴の仕掛け、落とし穴
  2. 1から派生して、企んで窮地に陥れること、その策略

「陥穽」の「陥」は落ちて入り込む、もしくはだますという意味です。「穽」の訓読みは「おとしあな」で、そのものを的確に表しています。まったく同じ意味で、「穽陥」(せいかん)と漢字を入れ替える熟語もあります。

落とし穴は、いたずらやバラエティ番組の演出から、獲物や敵方の人間を落として捕えるものまでさまざまです。穴を掘って草木などで覆って地面から目立たないようにし、人や動物を誘い入れて落とします。騙して落とす様子から、2の意味が派生しました。

「陥穽」の使い方

「陥穽」は、文語的で硬いイメージですから、頻繁に見聞きする言葉ではないかもしれません。現代ではほとんどの場合、上記2の比喩的な意味で使います。「陥穽に落ちる」「陥穽にかかる」「陥穽にはまる」などの言い回しもあります。

企業戦略や政策などを分析し、それらを評論したような記事に対して、「○○の陥穽」といった見出しがつけられていることもあります。
 

例文

【1:落とし穴】

  • 陥穽を仕掛けて田畑を荒らすイノシシを捕らえた。
  • いたずらで作った陥穽に近所の人がはまり、後でひどく叱られた。

【2:人を陥れる策略】
  • ライバル社の陥穽に陥り、大変な損害を被った。
  • お局様の陥穽にまんまとはまり、耐えきれず退社することになった。
  • イノベーティブな人事評価制度に潜む陥穽(※記事の見出しとして)

「陥穽」の類語

罠・トラップ(trap)

「罠」(わな)には、以下のような意味があります。

  1. 鳥や獣(けもの)などを捕まえる道具仕掛け全般
  2. 人を騙して陥れるためのはかりごと

「陥穽」は、獲物や人間を落として捕える穴の仕掛けなので、罠(わな)の一種と言えるでしょう。上記どちらの意味も、「陥穽」と入れ替えて使うことができます。英語では「トラップ(trap)」と訳され、主に1の意味において、外来語として定着しています。

【例文】
  • 罠を仕掛けて、ネズミを捕まえた。
  • トラップを仕掛けたのに、エサだけ食べて逃げられてしまった。
  • うまい話の裏には罠があるから注意して。

陥れる・落とし入れる

「陥れる」「落(と)し入れる」(おとしいれる)には、以下の意味があります。

  1. 穴の中に動物や人を落ち込めさせる
  2. 計略を仕掛けて相手をだまし不利な立場に追い込む
  3. 居城や陣地を攻め落とす

上記1と2の意味は、「陥穽」の類語と言えるでしょう。「陥穽に陥る」というと意味が二重になりますが、それだけひどく相手を追い詰めている様子がうかがえますね。

【例文】
  • 信頼していた人に陥れられて、詐欺の片棒を担がされるところだった。
  • 深いくぼみに落とし入れられて、元の場所に戻るのが大変だった。
  • 城を落とし入れて一気に形成が逆転した。


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