「連綿と」とは？意味や使い方を例文を含めてご紹介

「連綿（れんめん）と」は、「連綿たり」という形容動詞の連用形です。「連綿と」には、綿が細く長く伸びるように物事が切れ目なく長く続いているさま・途切れずに連なっているさまという意味があります。

「連緜と」や「聯綿と」と書くこともできます。また、「連綿」と名詞にしても意味は同じですが、後述する「連綿体」の略称を指すこともあります。

「連綿体（れんめんたい）」とは、二つ以上の文字を続け書きした書体です。簡単に言えば「続け字」のことですね。

楷書を少しくずしたものである行書や、行書をさらにくずして曲線的な書体となっている草書、ひらがなといった文字を、一文字ずつ切り離すことなく続けて書きます。「連綿と」した状態を、「文字」によって表したと言えるかもしれません。

「連綿と」は、「続く」「受け継ぐ」などの言葉を伴って用いることも多いでしょう。「話」「文化」「伝統」など、「長続きしている」さまざまな物事を表現できます。

• この菓子木型は、和菓子屋ができた当初から連綿と使い続けられているそうだ。
• 地域の風習は、何が起ころうとも連綿と続いてきたのだから、それはこれからも変わらないだろう。
• 変わることのない真理は、人から人へと時代を越えて連綿と受け継がれていくものだ。
• ここは何百年も前から連綿として栄えてきた旧家で、厳かな雰囲気がある。

「連綿と」の類語は数多く挙げられるでしょう。ここでは、「長く続いていること」や「途切れることなく続いていること」を示す表現を紹介します。

「脈脈（みゃくみゃく）」には、途絶えることなく続くさまという意味があります。「脈脈」は、ただ続いているというだけでなく、力強く活動などが続いていることを表します。「脈々」と書くこともできます。

【例文】

• 店の伝統は何百年もの間、脈脈と受け継がれてきたのだから、ここで途絶えさせるわけにはいかない。
• この国の国民が持つ愛国精神は、建国当初から脈脈と続いてきた。

「連連（れんれん）」は、長く続いて絶え間がないさまという意味の形容動詞です。「連」という漢字そのものに「続く」という意味があり、「連連と」などと使います。

【例文】

• 同じ模様が連連と続くのをずっと見ていたら、気分が悪くなってしまった。
• 雨水が山を連連と流れている。

「間断（かんだん）なく」の「間断」には、続いてきた物事や状態が途切れている絶え間・切れ目という意味があります。この「間断」が「ない」ことから、「間断なく」は、途切れることなく続いているさまを表します。

「連綿と」は長く続いていることを指しますが、「間断なく」は長さよりも途切れずに続いていることを表現した言葉と言えるでしょう。

【例文】

• 雨期とはいえ、この一週間、間断なく降っている雨にうんざりしている。
• 都会の真ん中を走る道路ともなると、昼夜問わず、間断なく人も車も通っている。

「天長地久（てんちょうちきゅう）」とは、天地が永久に変わることのないように、物事がいつまでも続くことという意味です。「天長地久」の「天長」は天が果てしなく長く続くことを、「地久」は大地が永久に変わらず存在することをそれぞれ表します。

「天長地久」は、良い意味で使われる表現と言えるでしょう。「天長地久」を「天長地球」としてしまうと誤りですので注意が必要です。

【例文】

• 祖父がいつまでも健康で、天長地久の長寿であることを願ってやまない。
• 友人が新しく立ち上げた会社の天長地久の繁栄を心より祈っている。

「息が長い」には、活動期間が長い・長い間にわたって続いているという意味があります。一文が長いことや、文章の読点と読点の間が長いことを指す場合もあります。

人気や価値、勢いといったものを途切れることなく、長く保ち続けている状態を表現する際に使われることが多いでしょう。

【例文】

• 新人俳優ながら観ている者を惹きつける演技をするので、彼はきっと息が長い役者になるだろう。
• 時代によって変わることのないテーマを扱っている名作は、やはり息が長い。