「待てど暮らせど」とは?意味や使い方をご紹介

「待てど暮らせど」は古めかしい言い回しですが、現代日本語でも活躍しています。端的に言えば「いつまで待っても」という意味ですが、どのくらいの期間待っていることを指すのでしょうか。今回は「待てど暮らせど」の意味と使い方を類語表現を交えご紹介します。

目次

  1. 「待てど暮らせど」とは?
  2. 「待てど暮らせど」の使い方
  3. 「待てど暮らせど」の類似表現
  4. 竹久夢二の「待てど暮らせど」

「待てど暮らせど」とは?

「待てど暮らせど」は、(まてどくらせど)と読みます。どれほど待ち暮らしても、いつまで待っていてもという意味で、いくら待っても、期待することが叶わない状況を表します。古めかしい印象ですが、現代日本語でも使われることがあります。

「待てど」は、「待っても」という意ですが、「暮らせど」が全体の意味を分かりにくくしているかもしれませんね。「暮らせど」は、「日が暮れるまで時間を過ごしても・日々を過ごしても」ということを表します。

また、動詞の連用形について「~暮らす」という言い回しもあります。「一日中~する」ことを指し、「待ち暮らす」は「一日中待つ」と解釈できるでしょう。同じ用例としては、「泣き暮らす」「遊び暮らす」などが挙げられます。

「待てど暮らせど」の使い方

「待てど暮らせど」の使い方で重要なのは、「待てど暮らせど」のあとには必ず打ち消しの内容を伴う、ということです。具体的に、待っていることが実現しないと示して完結させます。

また、「待てど暮らせど」が指す期間もさまざまです。待ち合わせしているはずの友人が「待てど暮らせどこない」という、数時間レベルでも使いますが、「正月にはアメリカから帰るといったのに、待てど暮らせど戻らず、もう春だ」などと長期に待つことも対象です。

「待てど暮らせど」の文例

  • 祖父が、二時間しないうちに帰ると山菜取りで山に入ったが、待てど暮らせど戻らず、捜索願を出した。
  • 就職の二次面接の結果通知が待てど暮らせど届かず、よい意味か悪い意味か測りかねている。
  • 妹が家を飛び出して半年、待てど暮らせど連絡してこない。

「待てど暮らせど」の類似表現

「待てど暮らせど」は、年配の人が口にするのは自然だとしても、年若い人々には古めかしすぎると感じるかもしれません。言い換えるとすれば、待つことを強調し、それが叶わないことを伝える言い回しが適当です。

「待っても待っても」「どんなに待っても」「どれほど待っても」「待ち続けても」などが類似の表現に当てはまるでしょう。

【文例】

  • 彼氏から毎晩かかってくる電話が、待っても待ってもこないので心配だ。
  • どれほど待っても注文したスカートが入荷しないので、お店に問い合わせることにした。

竹久夢二の「待てど暮らせど」

「待てど暮らせど」で始まる歌が、日本じゅうで流れていた時代があります。なんと大正時代、そんな昔のことなんて、と思わずちょっと心に留めておきましょう。

大正時代の文化が、レトロな魅力として今に見直されているなか、そんなブームとも無縁にずっと人々に愛されているのが竹久夢二です。この名を知らずとも、悲しげ、はかなげな美女のイラストの数々は、どこかで目にしたことがあるかもしれません。

画家のみならず詩人でもあった夢二。あるひと夏の失恋を詩とし、それに曲がついたのが「宵待草」です。この歌は、大正時代の人々に愛され、そののちの時代にも歌い継がれる大ヒットとなりました。

「待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ 今宵は月も出ぬような」。夢二の美女画とともに今なお伝えられる歌なのです。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ