「魅了される」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

人はいろいろなものに「魅了される」ことがあります。「美しい歌声や演奏」「心を満たす美味」「心が解きほぐされるような香り」など、「魅了される」ものはたくさんあります。この記事では、「魅了される」について、意味や使い方を類語とともにご紹介します。

目次

  1. 「魅了される」とは
  2. 「魅了される」の使い方
  3. 「魅了される」の類語

「魅了される」とは

「魅了される」は、「魅了する」の受け身形の表現です。「魅了/魅了する」とは、「人の心をすっかり惹(ひ)きつけて、うっとりさせること。夢中にさせること」を表し、「観客を魅了する」「読者を魅了する」という使い方をします。

つまり、「魅了される」は、「心がすっかり惹きつけられるさま。惚れ込むさま。夢中にさせられてしまうさま」を意味します。対象に接したときに抱いた感動などを表現することができます。

「魅」「了」の字義

:(音読み)、ビ(訓読み)もののけ、すだま】

  1. 化け物。妖精。もののけ:「魑魅(ちみ:自然界の精霊)」「鬼魅(きみ:鬼とばけもの)」など
  2. 心をひきつけて迷わせること:「魅了」「魅惑」「魅力」など

:(音読み)リョウ(訓読み)おわ-る、おえ-る、さと-る、しま-う】
  1. 終わりになる。けりがつく。~てしまう:「完了」「修了」「終了」「魅了」など
  2. はっきりしている:「了悟(りょうご:真理を悟ること)」「了得(十分理解すること)」など
  3. 明らか:「了然(あきらかなこと)」「明了(はっきりしていること)」など
  4. (「諒(りょう)」の書き換え字)もっともだと思う:「了解」「了承」など

「魅了される」の使い方

「魅了される」は、内容や外観が美しく、魅力的な対象に接することで心が惹きつけられ、夢中になってしまったときに使われる言葉です。ここでは、人の五感(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚)を通じて「魅了される」例文を挙げてみます。

例文

  • ルーブル美術館で初めて「モナリザ」を見た瞬間、その不思議な微笑みに魅了されてしまった。
  • コンサートで、ストラディバリウスのソロを聴いて、その美しい音色に魅了された。
  • 老舗料亭の懐石料理をいただき、盛り付けの美しさと料理のにすっかり魅了された。
  • フランスで調香師の修業をしている彼女は、香りに魅了された人間の一人だ。
  • なめらかで、冷ややかな大理石の手触りに魅了された彼は、彫刻の世界に飛び込んでいった。

「魅了される」の類語

「惹(ひ)かれる」

「惹かれる」には、「(心が)引きつけられる。魅せられる」という意味があります。「魅了される」に近い言葉で、上記の例文で置き換えても使えます。

【例文】

  • 先週公開された映画のヒロインの美しさと演技力に、観客はみんな心を惹かれた。
  • シュリーマンの『古代への情熱』を読んで古代遺跡に惹かれた私は、考古学者を目指して猛勉強した。

「虜(とりこ)になる」

「虜になる」は、「物事に熱中する。心を奪われる」という意味を持っています。「虜」とは捕虜のことですが、「心を奪われた人」に対しても比喩的に用います。これも「魅了される」に近い言葉ですから、置き換えても問題ないでしょう。

【例文】

  • 私は、北海道の大自然の虜になり、とうとう移住してしまった。
  • 彼は、子供のころに見たホラー映画の虜になり、今やそのジャンルの評論家だ。

「目を奪われる」

「目を奪われる」は、「何かに見とれて夢中になること。見とれて、ほかのものが見えなくなること」を意味します。視覚による「魅了される」と同義の表現です。

【例文】

  • 険しい登山道を登り切って山頂に立った瞬間、360度パノラマの風景に目を奪われてしまった。
  • 繁華街ですれ違った女性の容姿に目を奪われ、思わず振り返った。

「酔いしれる」

「酔いしれる」には、二つの意味があります。

  1. 酒に酔って正体を失う
  2. 何かに心を奪われてうっとりとする様子

1の意味によって、「酔いつぶれる」イメージがあるかもしれませんが、「心を奪われる」ことを「酒に酔って気持ちよくなる」という表現に例えた言葉です。五感で味わう感動のほか、喜びや幸福といった感情を抱く場面でも使うことができます。

【例文】
  • コンクールに優勝した彼女は、その喜びに酔いしれていた。
  • 愛する女性と結婚式を挙げることができた彼は、その幸せに酔いしれた。


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