「深謀遠慮」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

皆さんは「深謀遠慮」という言葉を聞いたことがありますか。時代劇や小説などでは「深謀遠慮をめぐらす」などと表現されることもありますが、この記事では「深謀遠慮」の意味について使い方や例文を含めてご紹介します。

目次

  1. 「深謀遠慮」とは
  2. 「深謀遠慮」の使い方
  3. 「深謀遠慮」の類語
  4. 「深謀遠慮」の対義語

「深謀遠慮」とは

「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」とは、「将来のことまで深く考えて、綿密な計画をたてること。または、その計画」という意味です。

「深謀」は、文字のとおり「深く考えたはかりごと(謀)」を表しています。一方「遠慮」は、「遠い先の将来まで思慮(しりょ)を巡らせること。よく考えること」を意味しています。

世の中に変化をもたらした人物の活躍において、その裏で「深謀遠慮」があったことは、さまざまな文献から読み取ることができます。また、国の政策や企業戦略などでは、長期的な視点を持つという点で重要な見方と言えるでしょう。

「深謀遠慮」の語源

「深謀遠慮」は、中国・前漢の政治家・思想家であった賈誼(かぎ)が著した政治論『過秦論(かしんろん)』に由来すると言われています。

賈誼は、時の文帝によって最年少(22歳)で博士に抜擢された人物です。その後、漢王朝の基礎を固めるために儒学と五行説に基づいた諸制度の改革に着手しようとしました。

しかし、保守的な大臣たちにうとまれ、讒言(ざんげん:他人をおとし入れるため、ありもしない事を上司に告げて、その人物を悪く言うこと)によって左遷されましたが、再び文帝の信任を得て、高い位に取り立てられています。

「深謀遠慮」の使い方

「深謀遠慮」には、「謀」という漢字が含まれています。「陰謀」や「謀反」などの熟語に挙げられるように、ネガティブな意味での「考え事」を連想するかもしれませんね。

しかし、「深謀遠慮」そのものにネガティブなニュアンスはありませんので、前向きな印象の文でも使うことができます。

例文

  • 深謀遠慮を巡らせた武将たちの中、最後に残ったのは江戸幕府を開いた徳川家康だった。
  • 各国が、政治や経済などあらゆる分野で深謀遠慮を巡らせている。
  • 将来の具体的なビジョンを持っている社長は、深謀遠慮に長けた経営者だ。
  • 少子高齢社会を迎えている今、国のためにも深謀遠慮の政策が必要だろう。

「深謀遠慮」の類語

「遠謀深慮」

「遠謀深慮(えんぼうしんりょ)」とは、「物事を深く考えて未来を見通し、手堅い計画を立てること。または、その計画」のことです。「遠謀」は、将来のことを見通してしっかりと考えることで、「深慮」は、欠陥のない計画のことを表します。

ほかにも「深慮遠謀(しんりょえんぼう)」という言葉もあります。4つの漢字を入れ替えており、いずれも「深謀遠慮」の類語です。上記の例文の「深謀遠慮」に入れ替えて使うことができます。

「百術千慮」

「百術千慮(ひゃくじゅつせんりょ)」とは、「さまざまな方法や手段を考え、思慮を巡らすこと」です。

「深謀遠慮」と同様に使うこともありますが、目の前の問題や近い将来の課題などを解決するために、あれやこれやと模索するような場面でも使えます。

「百」と「千」は、数が多いことを形容する意味で用いられています。「術」は、「手段・方法」を指し、「慮」は、「しっかり考えること」を表します。

【例文】

  • 棋譜を研究するなど、百術千慮しなければ対局で勝利するのは難しそうだ。
  • ライバル会社の営業戦略に対抗するため、百術千慮して新たな策を生み出した。

「深謀遠慮」の対義語

「短慮軽率」

「短慮軽率(たんりょけいそつ)」とは、「結果を顧みずに物事の判断や行動をすること」です。「短慮」は、考えが浅いこと、「軽率」は、よく考えずに行動すること、またその様子を表します。

【例文】

  • 真偽もわからないまま判断するのは短慮軽率だろう。
  • 彼女の短慮軽率な言動が、大きなトラブルにつながってしまった。
  • SNSのデマにあおられて、短慮軽率な行動をしないようアナウンスがあった。

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