「風物詩」とは?意味や使い方をご紹介

「風物詩」(ふうぶつし)と聞くと、どんなものが思い浮かぶでしょうか。花見、夏祭り、紅葉、雪だるま、等々。四季の変化が豊かな日本には数多くの風物詩がありますね。ここでは、「風物詩」の意味や使い方を、具体的な風物詩の例も交えながらご紹介します。

目次

  1. 「風物詩」とは?
  2. 「風物詩」の使い方
  3. 「風物詩」の具体例

「風物詩」とは?

「風物詩」(ふうぶつし)には、以下の二つの意味があります。

  1. 風景または季節をうたった詩。
  2. 季節の感じをよくあらわしている物事。

一般に「風物詩」と言った場合は、1番目より2番目の意味が知られていますので、本記事でも2番目の意味を軸に解説を行います。

特に「季節の美」を表す言葉なのですが、一部インターネット上などでは、俗語的に「その地方や文化で良くも悪くもありがちなこと」を意味する場合もあります。

「風物」とは?

「風物」の意味は、以下の二つです。

  1. 風景。景色。眺めとして目に入るもの。
  2. その土地・季節を特徴づける風景や事物。

上記を踏まえると、「風物+詩」で、詩作したくなるほどに美的感覚や魂を刺激される風景・事物が「風物詩」であると考えることができますね。

加えて、「風」(フウ)の字には、「趣・あじわい」(例:風流)、「自然のけしき」(例:風景)などの意味があることも覚えておくと、「風物詩」の意味が取りやすくなるかもしれません。

「風物詩」の使い方

基本的には「季節」にまつわる物事に使う

「風物詩」という言葉は、詩作に関する事柄に使う以外では、基本的には春夏秋冬、季節に結びついた美しい景色・気象やそれにまつわる伝統・文化・祭事・習俗などを指して使います。

そのため、特に「春の風物詩」など季節や時候の言葉が頭につくことが多く、さらに特定の場所で定期的に行われるイベントや催し物については「札幌の冬の風物詩」など地名が先行する例も多くあります。地域を紹介する文章においてはおなじみの表現です。

季節の変化をとらえ、それを美しく感じる心は日本人にとって古くからおなじみの感性であり、「風物詩」という言葉で語られる物事は大変多く存在します。

「季節」と関係ない場合もある

「風物詩」には、ややマイナーではありますが、季節を伴わない使い方もあります。

この場合は例えば「江戸時代の風物詩」「アイドルイベントにおける風物詩」のように、ある特定の時代や場所における「よく見られる光景」を指しています。

四季のように周期性があり、何度も繰り返し見られるさまを風物詩と喩えていると考えればわかりやすいかもしれません。

例文

(主に季節に関係するもの)

  • 〇〇線沿線の見事な桜並木は、毎年春の訪れを告げる風物詩として全国メディアで取り上げられる。
  • 予報になかった突然の通り雨も夏の風物詩だ。文句を言ってもはじまらない。
  • 我が校伝統の学園祭は、秋の風物詩として毎年10月はじめ頃に開催される。
  • 〇〇市では、冬季に計画している氷まつりを新しい冬の風物詩として定着させようと目論んでいる。
  • かの民俗学者は、地方をめぐって土着の風物詩について研究している。

(俗語的なもの)
  • 困ったらすぐに訴訟を起こすのはアメリカ人の風物詩といえる。
  • 受験前など大切な時期に風邪を引く生徒が出るのは、全国共通の風物詩だ。

「風物詩」の具体例

一般的な日本文化の上で「風物詩」と言われる頻度が多いものを、季節ごとにまとめます。

あくまでも代表的なイメージで語られるものであり、実際には地方文化的なものも含めもっと大量の風物詩が存在することをご留意ください。

桜、お花見、花祭り、花粉症、卒業式、入学式、春雷、春の嵐、春一番、ひな祭り、田植え、名残雪、雪解け、菜の花など

海、蝉、衣替え、夏休み、うちわ、入道雲、飛行機雲、花火、夏祭り、盆踊り、扇風機、ひまわり、スイカ、七夕、甲子園など

紅葉、鬼灯、ハロウィン、十五夜、稲刈り、木枯らし、台風、文化祭、赤とんぼ、秋の七草、天の川、送り火、精霊流しなど

雪、雪だるま、北風、こたつ、除夜の鐘、クリスマス、煤払い、年賀状、お年玉、門松、成人式、節分など


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