「慢心」とは?意味や使い方をご紹介

テストで満点を取った、プレゼンが採用された等良い事があった時に自慢する人がいますよね。その人は自分を誇り、自慢したい気持ちにかられているのです。このような「慢心」は、誰もが持ち合わせる心模様と言えます。この記事では「慢心」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「慢心」の意味
  2. 「慢心」の使い方
  3. 「慢心」の関連語

「慢心」の意味

「慢心(まんしん)」には、「驕り(おごり)高ぶること、またその心」という意味があります。「慢心すること」は誰にでもあることですが、一般的には余り良いことでは無いとされています。その理由は「慢心」の成り立ちを見ると理解することが出来るでしょう。

「慢心」の語源

「慢心」は、仏教の世界とりわけ「禅」の言葉として知られています。「慢」の字を使った熟語には、「傲慢」や「高慢」などがありますが、禅において「慢」は「戒める煩悩」として説かれています。

禅における「慢心」の意味は「自らを高くし、他を軽視する自己中心的な心の在り方」です。「慢心」を持つと「自分に色を付けてしまい真理に辿り着けなくなる、物事を正しく見れなくなる」とされています。それゆえに禅の世界では「慢心」を持つことを戒めています。

「慢心」の種類

「慢心」には、「三慢」「七慢」「九慢」と呼ばれる分類の仕方が存在しますが、ここでは一番有名な「七慢」を紹介します。

【七慢の種類】

  1. 慢(まん):自分より劣っている人に対して自分は優れていると優越感を抱き、自分と同等の人には同等であると心を高ぶらせること
  2. 過慢(かまん):自分と同等の人に対しては自分の方が優れていると思い高ぶり、自分より優れている人には自分と同等であると侮ること
  3. 慢過慢(まんかまん):他人が優れているのに、自分が優れていると自惚れて相手を見下すこと
  4. 我慢(がまん):自分を偉く思い他を軽んずること。耐え忍ぶこと
  5. 増上慢(ぞうじょうまん):まだ悟りを得ないのに、得たと思って高ぶること。実力が伴わないのに自慢すること
  6. 卑慢(ひまん):はるかに優れている人と比べて自分は少ししか劣っていないと思うこと
  7. 邪慢(じゃまん):心がよこしまで驕っていること

「慢心」の使い方

ビジネスシーンや親が子供を諭すシーンで良く使われる言葉に「慢心せずに」や「慢心するなよ」といった言葉があります。「慢心は身を滅ぼす」というように「慢心」は、何かと失敗に繋がり易い状態にあります。それを気付かせる、もしくは注意を促すための言葉です。

例文

  • 模試で良い点数を取ったからといって慢心すること無く受験本番まで勉強をするように。
  • 彼女から発せられた一言は慢心に浸っていた私を目覚めさせるには充分だった。
  • 実験に成功したからといって研究が全て終わったわけではないのだから慢心せずに最後まで取り組もう。
  • 喧嘩を仕掛けてきたにも関わらず何ら責任問題にもならなかった彼は慢心の笑みを浮かべていた。

「慢心」の関連語

驕り(おごり)高ぶる心模様を表した「慢心」とは反対に、驕ることなく自分の能力を評価する心模様を表した「虚心」「謙虚」という言葉があります。

「虚心」

「虚心(きょしん)」には、「心にわだかまりもないこと。先入観を持たないで素直な心でいること」という意味があります。相手を侮ったり、見下したりなど自分の立ち位置を素直に受け止められない「慢心」とは反対の意味を持ちます。

「虚心」を使った四字熟語に「虚心坦懐」や「虚心平気」などがありますが、意味自体は「虚心」とほぼ同意となります。

【例文】

  • 教授からの助言を虚心で以て聞いていたが、ついつい感情的になってしまう場面があった。
  • 美術の課題である人物画を完成させるために虚心で筆をすすめた。
  • 元妻が最近になって会いたいと言ってきたので私は虚心で会うことにした。

「謙虚」

謙虚(けんきょ)」には、「控えめで素直なこと。謙遜」という意味があります。人の性格を表す言葉ですが、その場合「謙虚な人」や「謙虚な態度」などのように形容動詞として使われることが多いです。

【例文】

  • 私の上司は仕事が出来る上に恰好も良く、いつも謙虚さを身に着けており非の打ちどころがない。
  • いつも我儘で言いたい放題の彼女が、今日はとても謙虚な態度を見せるので不気味で仕方ない。
  • 教師の前でだけ謙虚な態度を見せる彼はとても頭の切れる男だ。


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