「概算」とは?意味や使い方を類語や対義語を含めてご紹介

「概算」(がいさん)の意味をご存知でしょうか?職場で「概算を出しておいて」「概算ですが…」といった表現を見聞きしたことがある方も多いかもしれません。ここでは、「概算」という言葉の意味や使い方を、類語や対義語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「概算」とは?
  2. 「概算」の使い方
  3. 「概算」の類語
  4. 「概算」の対義語

「概算」とは?

意味

「概算」(がいさん)とは、「おおよその見積(みつ)もり」「あらましの計算」という意味の言葉です。

その字の通り「概(おおむ)ね」の「計算」と覚えて、「だいたいの計算(をすること)」と意味を覚えましょう。

「概算」は何のためにする?

何かを算出するのなら、「概算」ではなく正確に計算すべきではないのか?と考える方もいらっしゃるかもしれません。確かに算数のテストで、「46たす52は、概算で100」と答えたらバツですよね。

しかし世の中は算数の計算ほど単純ではありません。答えを得るために必要なすべての数字を寸分の狂いもなく用意するのは大変であり、計算の規模によってはその調査自体に非常識なほどの時間やコストがかかってしまいます。

それに、「〇〇駅の利用者」のように毎日1人単位で細かく変動する数字を正確に追求することはあまり意味がありません。「毎日〇人くらいが利用する」と概算できれば、データとしての実用性は(ほとんどの場合)十分なのです。

「概算」の使い方

「概算」は、多くは「~する」「~を出す」などの形で、何らかの数的・量的なデータを算出するさまを指して使います。

多くは「費用を概算する」「概算保険料」のようにお金にまつわる事柄で使用しますが、数的・量的なものであれば「星までの距離を概算する」「概算スケジュール」などのように使用することもできます。

規模はどうあれ、おおよその計画(概算)を立て、それを検討し、戦略を練り、実行するというプロセスは現代社会のあらゆる業界に存在するため、とくにビジネスに携わる方などは「概算」という言葉をしっかり使いこなせるようになっておきましょう。

注意点:「概算」は正確性を保証するものではない

「概算」はあくまでもおおよその計算であるため、計算結果の正確性を保証するものではないことにご注意ください。

算出に使う数字が違えば当然「概算」の結果も異なるのであり、極端に言えば、計算する人がどのようなデータを使うか、どのような論理に基づいて計算するかなどによっても「概算」の結果は変わってくるわけです。

「概算は予測のようなもの」と考え、常に概算結果が現実を反映している(もしく現実が概算にしたがう)と受け止めないように留意すべきでしょう。

例文

  • 概算ですが、A社のシステムに乗り換えれば、我が社の電気代はおよそ10%削減できそうです」
  • この部屋の中にある水と食料だけでも、おそらく10日程度は生きられるだろうと彼は概算した。
  • その芸術家は自作の大半を市井で売ってしまったので正確な作品点数は不明であるが、概算で300~500点ほどといわれている。
  • 政府の要請に従い、専門家Aは必要とされる防災関連費の概算を提出した。しかし専門家BはA氏の想定に甘さがあるとして、異なる数値を提出した。

「概算」の類語

見積

「見積」(みつもり:「見積もり」「見積り」とも)とは、「あらかじめだいたいの計算をすること、またはその計算」という意味の言葉です。

「概算」とかなり意味が似ており、ほぼ同義語として考えて構いませんが、業界によっては以下のように微妙に使い方が異なる場合があります。

  • 概算…過去の事例や類似の事例をもとにおおよその計算を行う。それをもとに実施・実行するかどうかは未確定。
  • 見積…実際にかかる費用・原価・手数料などをもとにある程度の精度で計算を行う。実施・実行することが前提。

もし両者の使い分けに迷ったら、「見積は概算よりも精度が高め(より具体的)」「見積は実施・実行することが前提」という点を踏まえておきましょう。

積算

「積算」(せきさん)には、次の二つの意味があります。

  1. あつめて計算すること。累計。
  2. 事業・工事などの費用を見積りで計算すること。

このうち2つ目(下線部)の意味が、「概算」とよく似ていますね。ただし具体的な費用を計算するからには、「概算」より「見積」の意味のほうがより近いでしょう。

試算

「試算」(しさん)とは、「試験的に行う計算」という意味です(これとは別に、計算の誤りを検証する「検算」の意味もあります)。

試験的、とはいっても「試算」は明らかなデータをもとに綿密かつ正確に計算を行いますので、「概算」とは少々意味が異なります。

「いちおう計算する(計算そのものは正確)」のが「試算」、「だいたいの計算をする」のが「概算」と理解しましょう。

「概算」の対義語

精算

「概算」の対義語に当たる言葉は、「精算」(せいさん)です。「精算」は「精確」に「計算」する、すなわち「詳しく、細かに計算すること」という意味の言葉です。

ただし一般的には「乗り越し運賃を精算する」のように、「過不足を計算して処理する」という意味で見かけることのほうが多いかもしれません。「精算書」などの形であれば、「細かく計算する」という意味がわかりやすいですね。

読みが同じで漢字がよく似ているばかりか、意味まで似ている「算」(主な意味:貸し借りの結末をつけること)との混同にご注意ください。


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