「悠揚迫らぬ」とは?意味や使い方をご紹介

受験や面接、プレゼンなど人生において緊張する場面はいくらでも存在します。そんな時にどうしようとあれこれ考えるのではなく、「悠揚迫らぬ」態度を見せる人に私は強い憧れと尊敬の念を抱きます。この記事では「悠揚迫らぬ」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「悠揚迫らぬ」の意味
  2. 「悠揚迫らぬ」の使い方
  3. 「悠揚迫らぬ」の類語

「悠揚迫らぬ」の意味

「悠揚迫らぬ」とは、「事態の変化があった時に慌てずゆったりと構えているさま」を表す慣用句です。「悠揚(ゆうよう)」と「迫らぬ(せまらぬ)」の二つの単語が合わさって出来ています。それぞれの単語の意味を理解すれば慣用句の意味を深く知ることが出来るでしょう。

「悠揚」の意味

「悠揚」とは、「ゆるやかにあがること・ゆったりとしてこせつかないさま」という意味を持ちます。「こせつかないさま」とは、「こせこせしていない様子」を表す言葉で「つまらないことにとらわれることなく、落ち着いている」という意味です。

つまり、小さな事に動じることなく、どっしりと構えている(落ち着き払っている)様子を「悠揚としている」と表現します。

「迫らぬ」

「迫らぬ」は、「迫る」の否定語です。「迫る」は「近づく・ゆとりがなくなる・窮迫する」という意味なので、「迫らぬ」は、「ゆとりがある」と解釈できます。

「悠揚迫らぬ」の使い方

「悠揚迫らぬ」は、人の姿・様子を指す慣用句なので、「悠揚迫らぬ姿」や「悠揚迫らぬ雰囲気」のように様子・態度を表す言葉が続くことが多いです。

例文

  • どんなにチームが苦しい場面にあっても、彼は悠揚迫らぬ姿を崩すことがなかった。さすがはキャプテンだと感心した。
  • 受験当日、緊張で身体が震えていた私を彼女はその悠揚迫らぬ態度で包み込んでくれた。
  • 彼はどんな苦境に立たされても悠揚迫らぬ雰囲気を持っており、とても羨ましい。
  • 彼女は自分に対する噂に惑わされることなく、いつも悠揚迫らぬ態度を見せている。

「悠揚迫らぬ」の類語

「鷹揚な」

「鷹揚な」の意味は、「何物も恐れずに悠然としているさま・ゆったりと落ち着いていること」です。なぜ「鷹」の字が使われているかというと「鷹が空を飛翔する姿」がまさに意味を体現しているからです。

「悠然として落ち着いている」という意味は、「悠揚迫らぬ」と非常に似た意味のため、「鷹揚な」は「悠揚迫らぬ」の類語と言えます。

【例文】

  • 彼女の鷹揚な態度は多くの人々を惹きつけるため、学校でも大変な人気者である。
  • 彼はいつも鷹揚な姿をしており、同性の自分でも憧れてしまう魅力を持っている。
  • 生徒会長のように鷹揚な人でもストレスが溜まることがあるのだろうか。

「ゆとりのある」

「ゆとりのある」は、「余裕のあること・窮屈でないこと」という意味があります。近年では「ゆとり教育」が導入され、その時代を生きた若者は「ゆとり世代」と揶揄されることもありました。

しかし、本来「ゆとりのある人」とは、「こせこせしない・心に余裕のある人」という良い意味で使われる言葉です。この「ゆとりのある」も「悠揚迫らぬ」の類語の1つです。

【例文】

  • 老後にゆとりのある生活を送るためにも今努力をする必要がある。
  • 心にゆとりのある人は、少しの事では感情的にはならないというが本当だろうか。
  • 彼は最近タイトなスケジュールをこなしてきたので、少しゆとりのある時間を過ごしてもらいたい。

「悠揚決然」

Panasonicの創始者、松下幸之助氏の著書『道をひらく』の「覚悟はよいか」の段に「悠揚決然」という言葉が出てきます。「事に臨んでイザと言う時に、《中略》決然としかも悠揚として事にあたることは至難の技である。考えれば人は《中略》常に覚悟を問われているのである」

「人は皆ウカウカと過ごしているがイザという時に備えて覚悟を持ち続ける必要がある」という教訓です。「決然」は、「決心したさま・思い切ったさま」という意味で「悠揚決然」は「冷静さの中にも思い切りがある様子・状態」を表す言葉です。

しかし、四字熟語として辞書に記載はなく、松下幸之助氏が好んで使った造語である可能性もあります。悠揚でもあり、決然でもあることを「悠揚決然」と表現したのが松下幸之助氏が初めてであったとしたら、その偉大さを証明する1つのエピソードになりますね。

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