「岡惚れ」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

恋愛のかたちはさまざまですが、「岡惚れ」した経験はあるでしょうか?「岡惚れ」<おかぼれ>の「岡」は、「かたわら」「直接関係がない」といった意味です。さあ、心当たりがありましたか?今回は「岡惚れ」の意味や使い方について、類語を含めて解説します。

目次

  1. 「岡惚れ」とは
  2. 「岡惚れ」の使い方
  3. 「岡惚れ」の類語
  4. 「岡惚れ」の関連語

「岡惚れ」とは

「岡惚れ」<おかぼれ>は、「傍惚れ」と表記することもあります。どちらも、親しくない相手や他人の恋人に対して、密かに恋心を抱くことを指す言葉です。

「岡」と「傍」

「岡」や「丘」は<おか>と読みますが、小高い土地を指すほかに、名詞の前に付いて「直接関係がないこと」や「そば・かたわら」といった意味を添えることがあります。「岡惚れ」の場合は後者の意味ですね。

一方、「傍」は、「すぐ近くの位置」や「そばに寄る」などの意味を表します。なお、辞書には、<おか>という読み方が載っていたりいなかったりするようです。

「岡惚れ」と同じように「岡・丘・傍」<おか>を使っている言葉はほかにもあります。たとえば、「岡焼き」<おかやき>は、カップルが仲良くしているのを見てはたでやきもちを焼くことを指しています。

また、物事は当事者よりも第三者の方が正しく判断できることを「岡目八目」<おかめはちもく>と言いますね。この「岡目」とは、わきからみていることという意味です。

「惚れ」

「惚れ」<ほれ>とは、動詞の「惚る」<ほる>や「惚れる」<ほれる>を名詞のかたちにしたものです。「惚れ」にはいくつかの意味がありますが、「岡惚れ」の場合は、「恋い慕うこと・恋愛の対象として夢中になること」ことを指します。

「惚れ」は、一度見ただけで心奪われてしまうことを表す「一目惚れ」、すっかり夢中になてしまうことを言う「ベタ惚れ」などの複合語としても用いられていますね。

「岡惚れ」の使い方

  • モテる人は岡惚れのあしらいも慣れたものだ。
  • 君、クライアントの奥さんに岡惚れしたのか?
  • 会社の受付嬢に岡惚れした挙句、見事に撃沈した。
  • ふらりと入った店のバーテンダーを一目見るなり岡惚れしてしまった。

「岡惚れ」の類語

「片思い」「片恋」

「片思い」<かたおもい>や「片恋」<かたこい>は、「相手は自分のことをなんとも思っていないのに、一方的に恋い慕うこと」を言います。「岡惚れ」とほぼ同じ意味と考えて良いでしょう。

しかし、「片思い」の方が派生した用例が多くあります。最近では、Twitterなどで、自分は相手をフォローしているのに相手は自分をフォローしていない状態のことを「片思い」と言っていますね。

「横恋慕」

「横恋慕」と書いて<よこれんぼ>と読みます。これは他人の恋人やパートナーに横合いから恋することを指す言葉です。

「岡惚れ」は、恋い慕う相手に恋人やパートナーが居ない場合にも用いることができますが、「横恋慕」は居る場合にしか使うことはできないという点では異なります。

「岡惚れ」の関連語

「岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは三分間」

江戸時代末期から明治時代を中心に歌われた俗謡に「都々逸」<どどいつ>があります。七・七・七・五の4句、26文字からなるフレーズで、おもに男女の情愛をテーマに作られた座敷歌です。

「岡惚れ三年 本惚れ三月 思い遂げたは三分間」は都々逸のひとつで、作者不詳とされています。言葉通りに解釈すれば、三年片思いをして、両思いになってから三ヶ月を過ごし、いざ肉体関係を持ったところ三分間で終わってしまったということですね。

しかし、こういったものは言葉選びや言葉の並びを楽しんだりするものでもあるので、読み解くのは野暮というものかもしれません。

「相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ」

「相惚れ自惚れ片惚れ岡惚れ」<あいぼれうぬぼれかたぼれおかぼれ>とは、いろいろな恋愛を表す言葉を並べた言葉です。ことわざとして「恋愛のかたちはさまざまである」という意味に捉えることもありますが、もっと単純に、言葉遊びとして生まれたフレーズかもしれません。

「相惚れ」は両思い、「片惚れ」は片思いのことです。「自惚れ」は自分が優れているという思い込みで得意になるという意味ですが、ここでは独り善がりの恋を指します。


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