「伺える」とは?意味や使い方をご紹介

「伺える」は、どう読むかご存知でしょうか。正解は「うかがえる」ですが、同じ読みをする言葉に「窺える」があり、「伺える」と意味が混同されて使用されるケースがあります。ここでは、「伺える」の意味や使い方とあわせて「窺える」との違いもご紹介します。

目次

  1. 「伺える」とは?
  2. 「伺える」の使い方
  3. 「伺える」と「窺える」の違い
  4. 「伺える」と「窺える」の使い分けのポイント

「伺える」とは?

「伺える」(うかが-える)とは、動詞「伺う」の語尾が「~える」と変化して、可能・自発の意味を表す言葉で、「伺うことができる」という意味です。

元の「伺う」(うかが-う)は、敬語(謙譲語)の一種であり、現代語としては以下の意味を覚えておきましょう。

  • 聞く(例文:お話は伺っております。)
  • 尋ねる・問う(例文:ひとつ伺ってもよろしいでしょうか?)
  • 訪問する(例文:こちらからお伺いいたします。)

ただし、「伺える/伺う」は、「窺える(うかが-える)/窺う(うかが-う)」と混同して使用されることがあります。この二つの言葉の違いについては、後ほど解説します。

「伺える」の使い方

「伺える」は、「聞く」「尋ねる・問う」「訪問する」のへりくだった言い方で、敬語(謙譲語)ですので、社会人の方はぜひ使いこなせるようになっておきましょう。第一に心がけるべきは、謙譲語は「自分(を含む集団)の動作以外には用いない」ことです。

また、「伺える」という形で使うシーンは少々限定的です。丁寧な表現としては、「お伺いする(できる)」という言い方もあります。

例文

  • うまく最前列の席を確保できた。これで〇〇先生の説法を間近で伺える(聞ける)ぞ。
  • 教授はどこにいらっしゃるのかしら。今日こそ〇〇の件を伺える(問える)チャンスだと思ったのに…。
  • あいにく10日は弊社の休業日となっております。11日であれば伺える(訪問できる)のですが…。(※「お伺いできる」のほうがやや丁寧)

「伺える」と「窺える」の違い

「窺う」の意味

  1. のぞいて様子を見る。そっと様子をさぐる。
  2. 密かに付け入る隙を狙う。時期の到来を待ちうける。
  3. 見て察知する。
  4. 手がかりを求めて調べる。
  5. いちおう心得ておく。

混同は避けるべき

上記の通り、「窺う」と「伺う」の意味は、直接的には通じていません。何より「窺う」には、敬語(謙譲語)としての性質がありません。そのため、「伺える/伺う」と「窺える/窺う」は、基本的には別の言葉として混同を避けるべきであると言えます。

しかし、これら二つの言葉には意外な共通点もあり、一概に区別ができない使い方もあります。それは、抽象的な概念の「察知」です。

抽象的な概念の「察知」という共通点

「窺える」という言葉は、多くの場合、「そっと様子をさぐって感じ取ることができる」「~という様子が推察できる」という意味で使われます。

一方の「伺える」も、謙譲語として相手から少し距離を置いて間接的に「聞こえる」という意味で使われることがあります。この「聞こえる」は、例えば「手続きが煩雑だという声が聞こえる」のように抽象的な概念にも用いられます。

このように、「様子」などの抽象的な概念が、「察知」するというニュアンスとかなり似ているため、「伺える」は「窺える」と同義語であるかのように用いられることがあるのです。

「伺える」と「窺える」の使い分けのポイント

以上の事柄から、本来、「窺える」を使うべき場面で「伺える」を使うことは、厳密には誤りとすべきと考えられますが、慣例的には同義語的に使用されているケースもあるようです。

「窺える」が適切な例

基本的には、「〇〇という様子がうかがえる」という場合には「窺える」としたほうが適切であることを押さえておきましょう。

  • この手記からは、筆者の並々ならぬ苦難の日々が窺える
  • 拍手喝采が鳴りやまないことから、彼の人気ぶりが窺える

「窺える」が誤りの例

逆に「伺える」を使うべき場面で「窺える」を使うことはできません。「伺える」は、謙譲語であり、「窺える」ではその機能を果たせないからです。

  • 10時頃であればそちらに窺えるのですが、いかがですか?
  • 例の件、社長にお窺いしておいて。

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