「終盤」とは?意味や使い方をご紹介

長く続いていたことがいよいよ終わりを迎えると伝える時に、「終盤」という表現が使われているのを耳にすることがあると思います。今回は、「終盤」の意味や使い方、英語表現に加えて、よく似た言い回しの「大詰め」について、詳しく解説します。

目次

  1. 「終盤」とは?
  2. 「終盤」を使った例文
  3. 「終盤」の類語
  4. 「終盤」の英語表現

「終盤」とは?

囲碁・将棋用語で、終わりに近づいた段階を「終盤(しゅうばん)」と言います。「終盤」の「盤」は、碁盤や将棋盤のことです。囲碁や将棋の対局では、「序盤」「中盤」「終盤」を経て勝敗が決まります。「終盤」は、まもなく決着がつくであろう局面(形勢)を指します。

転じて、日常生活においては、長く続いてきた(続けてきた)事象や行いが最終段階に入ったことを「終盤」と表現しています。同様に、始まったばかりを「序盤」、中ほどまで達したことを「中盤」と言います。

なお、「終盤」は最終段階であり終着点ではないので、「終盤に達する」とは言いません。終盤を使う時には終盤に差し掛かる終盤に向かう終盤に入るなどと表現するようにしましょう。

「終盤」を使った例文

  • お花見の名所で知られる目黒川周辺は、シーズン終盤にも関わらず多くの人でにぎわっている。
  • 今年のペナントレースは首位の入れ替わりが激しいので、終盤に入っても全く目が離せない状態だ。
  • 夏休みも終盤だというのに手を付けていない宿題があるなんて…。
  • 選挙戦も終盤に差し掛かり、候補者の街頭演説にもますます力が入っている。
  • 受験期もいよいよ終盤、体調に気を付けて乗り切ろう。

「終盤」の類語

「終盤」は、長く続いてきたことの延長線上にあるため、そこには「ついに」というニュアンスが含まれます。別の言葉で言い換えた時に、一番しっくりくるのは大詰め(おおづめ)でしょうか。「大詰め」も「終盤」と同じく、継続する物事の最終段階を意味する言葉です。

【例文】

  • 国会では、来年度予算案の審議が大詰めを迎えた。
  • オリンピック開催に向けての準備も、大詰めを迎えようとしている。
  • 卒業式の練習もいよいよ大詰めだ。

目的語として「大詰め」を使用する時は、「大詰めを迎える」や「大詰めに入る」「大詰めになる」と表現すると良いでしょう。

「終盤」と「大詰め」の語源の違い

「大詰め」には「詰め」という言葉が使われているため、将棋を思い浮かべることがあるかもしれません。将棋用語では王将の逃げ場がなくなり負けることを「詰み」と言うからです。しかし、「大詰め」は、将棋由来の言葉ではありません。そこが「終盤」とは異なります。

「大詰め」とは、演劇用語で最終幕のことを言います。江戸時代の歌舞伎は、一番目狂言(時代物)と二番目狂言(世話物)の2部で演じるのを原則としていました。その一番目狂言の終わりを表す「大詰め」が、この言葉の語源です。

ちなみに、当時は、二番目狂言の終わりのことを「大切り」と呼び区別していました。しかし、後に一作品の最終幕を「大詰め」と呼ぶようになり、現在の使われ方をするようになりました。

「終盤」の英語表現

「終盤」は、日本語独特な言い回しなので、英語に訳す時は「最終段階」にあたる表現を使います。”final stage(phase)”や”end game”がそれにあたります。

”final stage(phase)”と”end game”に明確な使い分けはありませんが、囲碁、将棋における対局の終盤を表す時には”end game”を用いると良いでしょう。チェスの場合もこちらの表現を使います。

【例文】

  • Rooks become much more important in the endgame.(終盤ではルーク〈将棋の飛車と同じ動きをする駒〉がより重要になります。)
  • The trip reached its final phase.(旅も終盤に差し掛かった。)
  • Work has entered the final stage.(作業も最終段階に入った。)


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