「畳み掛ける」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

「畳み掛ける」というと勢いに乗って攻撃している様子を思い浮かべたり、よどみなく話し続けられて言い負かされそうな感じがしたりといった状況を考えるかもしれません。「畳み掛ける」の意味や使い方と、もともとの意味や生じた語源についても紹介します。

目次

  1. 「畳み掛ける」の意味
  2. 「②立て続けに行う」の語源
  3. 「畳み掛ける」の使い方
  4. 「畳み掛ける」:「立て続けに行う」の類語

「畳み掛ける」の意味

「畳み掛ける」(たたみかける)はカ行下一段活用の動詞です。2つの意味があり、それぞれの言葉は同じでも意味合いや使い方に大きな隔たりがあります。

①畳もうとする

「畳み掛ける」は、物を畳もうとする畳み始める途中まで畳むことを表します。「畳む」は広げていたものを折り重ねる幾重にも折って小さくすることです。

「掛ける」は動詞の連用形(この場合は「畳み」)に付く形で、動詞にかかって「~し始める」「途中まで~する」「~しようとする」といったニュアンスで使われます。

②立て続けに行う

何度も折り重ねるところから派生して、「畳み掛ける」という言葉は、立て続けに行う続けざまに相手に働きかける攻撃の手を緩めないといった意味合いも持ちます。

「②立て続けに行う」の語源

「畳み掛ける」を「畳む」と「掛ける」に分けて説明します。①「畳もうとする」で説明した通り、「畳む」は「広がっていた物を何度も折って小さくする」のがもともとの意味です。

派生して「物が幾重にも折り重なる」、「積み重なる」といった状態を表すようになりました。布団を畳んだ時のように、いくつも折り重なる状態を想像すると分かりやすいでしょう。

そこから何度も続く繰り返し行うことを表すようになりました。一方、「掛ける」には、影響を及ぼす攻撃するといった使い方も見られます。

2つの語句を合わせて、「繰り返し相手に攻撃を加える」、「影響を及ぼすように立て続けに重ねて仕掛ける」といったニュアンスの言い回しになりました。

「畳み掛ける」の使い方

衣類や布団などを畳もうとする

布団や衣類等収納する必要がある物を小さく折り重ねて畳もうとした時、畳み始めても急用があって途中までになる場合に「畳み掛ける」が使えます。

【例文】

  • 洗濯物を畳み掛けていたが、電話が鳴り出したので手を止めた。
  • 衣替えの衣類を畳み掛けた時に、収納箱が足りないことに気づいた。

休む間を与えずに仕掛ける

「畳み掛ける」は、休む間を与えずに立て続けに仕掛けたり、働きかけたりする時に使えます。

例えば、相手に返事をさせないように延々と話し続けたり、ボロを出させるように質問を繰り返したりして、考える隙を与えずによどみなく続けることにも使えます。

また、漫才やコントなどで互いに息を付かせぬ程に掛け合い、ツッコミとボケを繰り返しているテンポの良い様子を言うこともあります。

【例文】

  • 記者会見では、大勢のインタビュアーが間髪をいれずに質問を畳み掛ける。
  • 言葉巧みにセールストークを畳み掛ける営業マンに当たると断るのが大変だ。
  • ツッコミとボケの畳み掛ける様子に圧倒され、多くの審査員が票を入れていた。

勢いに乗って攻撃を繰り返す

ゲームや試合などの競技から、討論などの言葉の掛け合いの場、紛争などの大きな戦乱まで含めて、勢いに乗って攻撃を繰り返すことも「畳み掛ける」が使えます。たいてい有利な立場でさまざまな攻撃を効果的に次々としている時に使われます。

【例文】

  • 相手チームは1人退場してこちらが有利なので、好機と見て攻撃を畳み掛けた。
  • 有力な司令官が戦地を離れたため、相手国が畳み掛けるように攻勢に転じた。

「畳み掛ける」:「立て続けに行う」の類語

「二の矢三の矢を放つ」

「二の矢三の矢を放つ」(にのやさんのやをはなつ)とは、2度、3度というように次の手を何度も打ち続けて行うこと、負けそうで逃げている相手に対して執拗に追い打ちをかけて攻撃の手を緩めないことを言います。

戦いの場や駆け引きで攻撃を繰り返したり、上手くいくような方法を次々と相手に仕掛けたりする際にも、隠し事をしている相手に色々と追求する時にも使えます。

「二の矢」、「三の矢」はそれぞれ戦乱で放つ2番めの矢と3番めの矢です。戦場で何度も相手に手厳しく攻撃をしている状況を表しています。

【例文】

  • 劣勢の相手に二の矢三の矢を放つなんて、やりすぎだよ。
  • 最初はだめでも、二の矢三の矢を放って絶対成功させるつもりだよ。
  • スキャンダルで雲隠れした芸能人に、二の矢三の矢を放つ週刊誌。


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