「煩雑」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「煩雑な手続き」などの表現でしばしば目にすることもある煩雑(はんざつ)。ところが、あらためてその意味を問われると、困惑してしまう人もいるのではないでしょうか。そこで、今回は「煩雑」の意味や使い方を類語を含めて詳しく説明していきます。

目次

  1. 「煩雑」の意味
  2. 「煩雑」を用いた例文
  3. 「煩雑」の類義語
  4. 「煩雑」の対義語
  5. 「煩雑」を英語で表現すると?

「煩雑」の意味

「煩雑」は、あれやこれやと複雑でわずらわしいことを表す名詞です。また、「煩雑だ」とすることで形容動詞として用いることもできます。

「煩」の読み方や意味

「煩」は、音読みで「ハン」「ボン」と読みます。また、訓読みでは「わずらう」「わずらわせる」という読み方が一般的です。

意味としては、「思い悩む」「面倒をかける」などがよく知られていますが、「煩」にはもう1つ、「うるさい」というあまり知られていない読み方があります。

「煩雑」の「煩」はこちらの読み方で、「面倒くさい」「わずらわしい」といった意味を表しています。

「雑」の読み方や意味

「雑」の音読みとしては「ザツ」「ゾウ」がよく知られています。「雑草(ざっそう)」や「雑煮(ぞうに)」などが、その代表的な使用例です。

訓読みはあまり知られていませんが、「まじる」「まぜる」と読みます。そして、「煩雑」の「雑」が表す意味はまさにこの、「いりまじる」「みだれる」です。

したがって、「煩」と「雑」の意味を合わせると、「さまざまなものが入り乱れていて面倒くさい」になることが分かります。

「煩雑」を用いた例文

  • 帰化の手続きを進めていたが、あまりに煩雑なので詳しい人の助けを借りることにした。
  • 煩雑な事務作業に追われて、本来行うべき広報の仕事がなかなか進まないでいる。
  • 十数種類にもおよぶ郵便物の中身を手作業でチェックする作業は、まさに煩雑極まりない。

こうして例文をみてみると、「煩雑」=「面倒くさい」という図式が見えてくるのではないでしょうか。それも、ただ単に数が多いだけでなく、さまざまな種類のものが入り混じっていて作業がわずらわしいものになっているというところがポイントです。

「煩雑」の類義語

  • 複雑(ふくざつ)…物の構造や物事の関係がこみ入っていること。
  • 混然(こんぜん)…いくつかのものがとけ合って区別できないさま。 
  • 混沌(こんとん)…入りまじって区別がつかず、はっきりしないさま。
  • 厄介(やっかい)…面倒で手間のかかること。迷惑なこと。
  • 億劫(おっくう)…気乗りがせず、めんどうくさいこと。

以上五つのうち、はじめの三つは物事が入り混じっている様子は表しているものの、だから面倒だという信条にまでは至っていません。

一方、後半の二つ、特に最後の億劫に関しては、面倒だとは感じているものの、それが複雑に入りまじっている物事に起因するかどうかははっきりとは分かりません。

「煩雑」の対義語

  • 簡略(かんりゃく)…繁雑なことは省き、簡単で手みじかなこと。
  • 簡易(かんい)…手軽なこと。簡単でたやすいさま。 
  • 簡素(かんそ)…むだがなく質素なこと。 
  • 簡単(かんたん)…物事が単純で、理解や扱いが容易であるさま。
  • 単純(たんじゅん)…こみいった点がなく簡単なこと。
  • 単一(たんいつ)… 一種類だけで他のものがまざっていないこと。

「煩雑」が様々な要素が絡み合って面倒なこと、を表す言葉ですから、その対義語は「シンプルなこと」「複雑な要素がないこと」を表すものになります。

「煩雑」を英語で表現すると?

「煩雑」を英語で表現する場合、「tangled」「cumbersome」といった形容詞を用いるのが一般的です。前者はもともと糸などがもつれ合った様子を表す言葉で、そこから「ややこしい」のニュアンスを持つようになりました。

一方、後者は、時間がたくさんかかったり複雑だったりする様子を表すことばです。こちらも、そこから「煩わしい」「厄介な」という意味合いを表すようになりました。


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