「双璧」とは?意味や使い方をご紹介

「双璧」という言葉について今回は見ていきます。「双璧を成す」という使われ方が一般的ですが、この言葉は意味以外にも、実は勘違いしやすいポイントがあります。この「双璧」の意味や使い方、由来などについて、しっかりと見ていきましょう。

目次

  1. 「双璧」の意味
  2. 「双璧」の使い方
  3. 「双璧」の「ヘキ」は「壁」じゃない!
  4. 「双璧」の類語・同義語

「双璧」の意味

「双璧」とは、「優劣のない、二つの優れたもの」という意味です。「璧」は、「玉(ぎょく)」のことを表し、「双璧」は、「二つの対になった玉」という意味もあります。つまり、「双璧」は、常に二つのものを指すときに使う言葉です。なお、「璧」については後述します。

「双璧」は、中国、北魏の官僚、陸凱(りくがい)の優劣つけ難い二人の息子のことを、洛陽の長官が「一対の立派な宝玉を見た」と評した故事に由来しています。『北史・陸凱伝』

「双璧」の使い方

「双璧」は、「優劣がない」、つまり、実力が伯仲していて、どちらが上か下かは決めかねる二つを挙げる時に使う言葉ですが、本来は、「どれとどれが、なんのジャンルの双璧か」をしっかりと説明しなければいけない言葉です。

しかし、最近の漫画などでは、強さや人気を二分するキャラクターに対して、説明なしで「双璧」と呼ぶ例が見られます。例えば、「ONE PIECE」のキャラクター、ゾロとサンジについて、作品中で二人を「双璧」と呼ぶ場面はありませんが、「双璧」と呼ぶファンが大勢います。

「双璧」の例文

  • 冷戦時代、アメリカとソ連が世界の双璧を成していた。
  • 今の日本のロックシーンにおいては、この二つのバンドが双璧と言える。
  • あの二人のサッカー選手は、日本サッカー界の双璧と言えるだろう。
  • 日本の自動車産業の双璧と言えば、A社とD社だろう。
  • この二人の双璧感がやばい
  • 『銀河英雄伝説』のミッターマイヤーとロイエンタールは、「帝国軍の双璧」と言われている。

「双璧」の「ヘキ」は「壁」じゃない!

「双璧」と書くときに、非常に間違いやすいのが、「双壁」と書いてしまうことです。よく見ると、「璧」が、「壁(かべ)」になっています。「壁」も「へき」と読めるので、つい間違えがちですが、正しい「へき」は、下の部分が、「土」ではなく「玉」になっている「璧」です。

「璧」とは、上記でも少し触れましたが、古代中国で権威の象徴や祭祀の道具として使われた「玉(ぎょく)」のことを指します。翡翠(ひすい)などの宝石で作られ、形はCDや巨大な五円玉のような、平らで、真ん中に穴が開いた円盤状のものです。

「璧」は、権威の象徴であることから、「美しく立派なもの」という意味があります。「璧」を使った言葉には、ほかにも「完璧」があります。「完璧」も、「璧」を「壁」と間違いやすい言葉です。

「双璧」の類語・同義語

二大(にだい)

「二大」は、古代中国で武官の最高のものという意味でしたが、現在は、二大巨頭とか二大政党のように使われています。「巨頭」には、「大きい頭」「そのジャンルでの重要なもの・人物」という意味があり、「二大巨頭」は、「そのジャンルでの重要な二人の人物」を表します。

甲乙つけがたい

「甲」は「一番」、「乙」は「二番」を意味します。昔の学校の成績表は甲・乙・丙で成績を表していたほか、現代でも公文書に使われているところがあります。

「甲乙つけがたい」というのは、「二つのものを比べて、どちらが一番か順位を決められないほど、両者とも優れている」という意味で、「双璧」と同義語です。

ツートップ

「ツートップ」も「双璧」と同じ意味の言葉として使われています。アルファベットでは、「two-top」となりますが、これは和製英語です。

「ツートップ」は、サッカー用語で、最前線にフォワードを二人配置するフォーメーションのことです。「トップ」が、一般的には「頂点」を意味し、「非常に優れている」というニュアンスの言葉であることから、「ツートップ」も「双璧」の類語として使われるようになりました。


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