「めいいっぱい」とは?意味や使い方をご紹介

読み仮名と実際に読む時の発音がやや異なってしまう言葉は、身の回りに意外とあるものです。例えば、雰囲気(ふんいき)、女王(じょおう)など。今回、ご紹介する「めいいっぱい」もその類です。「めいいっぱい」本来はどのような言葉なのか、意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「めいいっぱい」とは
  2. 「目一杯」とは
  3. 「目一杯」の使い方
  4. 「目一杯」の類語
  5. 読み仮名と違う発音をされやすい言葉
  6. 「メイっぱいラグビー」

「めいいっぱい」とは

会話の中では、「試験勉強をめいいっぱい頑張った」「車にめいいっぱい荷物を積み込んだ」のように聞こえることがありますね。しかし、この「めいいっぱい」という発音は厳密には誤りです。

漢字で書けば「目一杯」ですから、本来の読み方は「めいっぱい」ですが、発音しにくいからか、「めいいっぱい」に近い発音をする人が多く見られます。しかし、発音はともかく、文字で「めいいっぱい」と書いてはいけません

以下では、「目一杯」の意味や使い方などを解説ましょう。

「目一杯」とは

目一杯」とは、本来は秤(はかり)の目盛りが最高限度に達していることを指していました。「目盛りいっぱい」ということですね。これが転じて、「限度いっぱい・精一杯」といった意味で用いられます。

「目一杯」の使い方

「目一杯」は形容動詞としてだけでなく、副詞的に用いられることもある言葉です。また、原義は「目盛りいっぱい」ですから、目に対して使っても意味の重複にはなりません。また、手、足、胸などほかの体の部位に関するものごとに対しても用いられます。

【使用例】

  • 外は寒かったが、窓を目一杯開けて空気を入れ換えた。
  • 電話越しの彼女の声はか細く、目一杯まで音量を上げた。
  • ストレスが溜まっているから、カラオケで目一杯の大声で歌いたい。
  • 今夜は無礼講だから目一杯楽しんでください。
  • 目一杯に頑張ったけれど、目標に届かなかった。
  • 遅刻しそうだったので目一杯走った。
  • 驚きのあまり、彼は目一杯目を見開いた。
  • 目一杯手を伸ばせば、棚の本に手が届きそうだ。
  • 山頂で澄んだ空気を目一杯吸い込んだ。

「目一杯」の類語

物理的・精神的な最大限度

物理的な最大限度を表すときにも、精神的な最大限度を指すときにも使われる言葉には、次のような語が挙げられます。

  • いっぱいいっぱい:少しの余裕もない様子。過不足がない状態。
  • 限界(げんかい):持ち堪えられるギリギリのところ。
  • 手一杯(ていっぱい):余裕がないさま。力の限りにやること。
  • フル(full):十分である様子。限度いっぱいなさま。
  • マックス(max):上限に達すること。

精神的な最大限度

他方、精神的な最大限度を指す言葉には次のような語があります。

  • 必死(ひっし):死ぬ覚悟をもって力を尽くすこと。
  • 遮二無二(しゃにむに):ひとつの事柄に集中して、ただひたすらに取り組む様子。

読み仮名と違う発音をされやすい言葉

「目一杯」と同じく、正しい読み仮名とは違った発音をされやすい言葉はほかにも存在しています。子供の頃に間違って読み仮名を振ってしまったという人もいるかもしれませんね。

語句 正しい読み仮名 誤った発音
雰囲気 ふんいき ふいんき
女王 じょおう じょうおう
体育 たいいく たいく
洗濯機 せんたくき せんたっき

大人になってからも、正しい読み仮名はわかってはいるけれども、いざ発音しようとすると、発音のしにくさから誤った発音に近い発音をしているケースも少なくないでしょう。

正しい読み仮名を知っているならば、とりたてて「誤りだ」と咎めるほどのものではないかもしれません。しかし、せめて、小さい子供や日本語が母国語ではない人たちの前では、読み仮名通りに正しく発音したいものです。

「メイっぱいラグビー」

「副島萌生のメイっぱいラグビー」とは、NHK総合テレビ『サンデースポーツ2020』の中のコーナー。日本で開催されたラグビーワールドカップ2019に合わせて、副島萌生(そえじまめい)アナウンサーがラグビーの基礎知識を紹介していました。

担当アナウンサーの名前と掛けながら、本来の発音は「めいっぱい」ですよと改めて教えてくれているようなタイトルですね。


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