「娶る」とは?意味や使い方をご紹介

「娶る」という言葉をご存知でしょうか?やや古風というイメージもある言葉ですので、馴染みがないという方もいらっしゃるかもしれません。しかし字のつくりをよく見ると、なんとなく意味が想像できるかもしれませんね。本記事では、「娶る」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「娶る」の意味
  2. 「娶る」の使い方
  3. 「娶る」の同義語・類語
  4. 「娶る」の英語表現

「娶る」の意味

「娶る」は、<めと-る>と読み、「(男性が女性を)嫁にする、妻として迎える」という意味の言葉です。

「妻(め)を取る」に由来する言葉であり、漢字を見ても「取る」と「女」で成立していることがわかりますね。

「娶」の字は音読みで「シュ」と読み、「娶嫁」(しゅか:嫁をとること、嫁入り。「嫁娶」ともいう)などの熟語を作ります。

「娶る」の使い方

「娶る」という言葉は、男性の立場に立ち、特定の女性に対して「妻として迎える」という意味で使います。いわゆる「結婚」の意なのですが、男性主体の用語であることが特徴です。

「娶る」は少々古風かつ、文語的な表現ですので、現代では「嫁にもらう」や「結婚する」と言ったほうが自然かもしれません。

「妻として迎えることができる」(可能)という場合は「娶れる」、女性の立場で「妻として迎え入れられる」(受動)という場合は「娶られる」とします。

例文

  • 長らく独身であった平次郎も、三十の時、同郷の万次郎の妹を娶ることになった。
  • 旅行好きであちこちを飛び回っていた私の友人も、スペインで出会った現地の女性を娶ったのち、彼女の祖国に永住を決めた。
  • 彼は一生妻を娶ることなく、その生涯すべてを研究に捧げた。

「娶る」が使えない場合もある

「娶る」は、あくまでも男性が主体となって妻を迎えるという言葉ですので、女性の目線から「結婚する(=ある男性を夫として迎える)」という意味で使うことはできません。

また、もし男性の目線に立っていたとしても、「婿養子に行く」場合には「妻として迎える」よりも「夫として迎えられる」ほうに重きがおかれるため、「娶る」は使用できません。

さらに、現代ではジェンダーや結婚にまつわる価値観も多様化しており、「男が妻を取る」のではなく、男と女が平等な立場で夫婦の契りを交わすという考え方も普及してきています。そのため、「娶る」という言葉が使われる場面は減少傾向にあるかもしれません。

「娶る」の同義語・類語

「娶る」の同義語・類語を以下にご紹介します。「誰が」「誰に対して」使う言葉であるのか、使い方に若干の差異がありますのでご注意ください。

結婚(婚姻)

「結婚」は、「男女が夫婦になる」という意味として現代において幅広く使用されています。「娶る」のように男性主体ということもなく、中立的で客観的な表現です。「恋愛結婚」や「お見合い結婚」といった慣用表現もよく知られていますね。

似た言葉に「婚姻」(こんいん)がありますが、「婚姻」は法律的に結婚を扱う言葉であり、法的には「婚姻届」を行政に提出することで結婚が成立します。

【例文】

  • 長年の想いが叶い、彼女と結婚した。先週、役所に婚姻届を提出したよ。

娶わせる

「娶わせる」(めあ-わせる)とは、「女性を結婚させる」という意味です。「妻(め)を合わせる」からきた言葉であり、「嫁(とつ)がせる」と同義語です。

こちらも「娶る」と同様、結婚が男性主体であるという考えに基づいた言葉であり、現代では少々古風な表現です。

【例文】

  • この度縁あって、独身の部下に娘を娶わせることになった。

嫁入り(婿入り)

「嫁入り」(よめいり)とは、嫁となって夫の家に入ることを意味する言葉です。こちらも「夫(男性)」が主体となっているほか、「家に入ること」というニュアンスがあるのが特徴的ですね。反対語は「婿入り」(むこいり)です。

似た言葉として「嫁取り」や「婿取り」という表現もあります。

【例文】

  • 来月の頭に檀家で嫁入りの儀式が行われる。

「娶る」の英語表現

「娶る」を英語で言いたい場合は、「(男性目線で)妻を取る」というニュアンスにはっきり合致する単語はないため、単純に「marry」(結婚する)という単語を使いましょう。

例文

  • He will end by marrying her.(彼は最終的には彼女を娶ることになるだろう)
  • I've decided to marry Lucy.(僕はルーシーを娶ることに決めたよ)


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