「亀の甲より年の功」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

みなさんは「亀の甲より年の功」ということわざをご存じでしょうか?耳にしたことがあっても、その意味を知らないという人も多いかもしれません。今回は、そんな「亀の甲より年の功」について詳しい意味や具体的な使い方を例文を含めながらご紹介します。

目次

  1. 「亀の甲より年の功」とは?
  2. 「亀の甲より年の功」の使い方
  3. 「亀の甲より年の功」の類語
  4. 「亀の甲より年の功」の対義語

「亀の甲より年の功」とは?

「亀の甲より年の」は、本来「亀の甲より年の」と書き、「長年かけて積んできた経験は貴く、価値がある」という意味のことわざです。

「亀の甲」は、甲羅(こうら)のことで、「甲」と「劫(功)」は、同じ音の韻を踏んでいます。「年の」は、多くの経験を積むこと、「年の」は、長年の功績を意味しており、単に歳を取るという意味ではありません。また、「こう」に「効」という漢字は使いません。

つまり、亀は万年生きると言われていても、所詮「亀の甲」は甲羅でしかなく、人間は八十年程度の寿命であっても、年配の人たちが経験から得た知識はとてもためになるため、価値があり、尊敬するべきであるという教訓です。

なお、「劫」は、時間の単位を表す仏教用語で、「一劫(いちごう)」の長さについては様々な説がありますが、「きわめて長い時間」を表す言葉です。

「亀の甲より年の功」の使い方

【例文】

  • 亀の甲より年の功だ、年上の言うことはきちんと聞いた方がいいぞ。」
  • 「祖父が助言をくれたことで私の悩みは解消された。やはり亀の甲より年の功である。」
  • 亀の甲より年の功という言葉があるように、年配者の話には役に立つことが多い。」

「亀の甲より年の功」の類語

「烏賊の甲より年の功」

「烏賊(いか)の甲より年の功」とは、「年長者の経験は価値があるので重んじなければならないこと。」という意味を持つことわざです。

イカの甲はあまり役に立たないが、年功は積めば積むほど価値があることに由来する言葉です。「亀の甲より年の功」の「亀」部分が「烏賊」に変化しただけで、ほとんど同じ意味合いの言葉になります。

 

「老いたる馬は路を忘れず」

「老いたる馬は路(みち)を忘れず」とは、「経験豊かな人は物事のやり方をよく心得ているということ。」という意味のことわざです。経験を積んだ者は、行うべき道を誤らないことの例えとして用いられます。

これは、中国の春秋時代、斉(せい)の政治家、管仲(かんちゅう)らが山中で道に迷った際に、老馬を放ってそのあとをついて行き、正しい道に出ることができたという故事に由来しています。『韓非子・説林上』に記されたエピソードです。

「老馬の智(ち)」、「馬に道をまかす」、「老いたる馬は道を知る」といった言い方もあります。「路」は、「道」あるいは「途」とも書きます。

 

「亀の甲より年の功」の対義語

「騏驎も老いては駑馬に劣る」

「騏驎(きりん)も老いては駑馬(どば)に劣る」とは、「騏驎のような駿馬(しゅんめ:足の速い馬)でも年を取ると駑馬(足ののろい駄馬)にも負ける」という意味で、「どんなに優れた人でも年老いると普通の人にも及ばなくなる」ことを例えることわざです。

「騏驎」は、1日に千里を走るという駿馬のことです。「麒麟(きりん)」という漢字もありますが、これは古代中国に伝わる想像上の動物のことで、このことわざには使いません。

前漢の劉向(りゅうきょう)が編纂した『戦国策』のうち、『斉策』の一節「麒麟之衰也、駑馬先之(騏驥の衰うるや、駑馬これに先だつ)」に由来します。ここでは「麒麟」が使われていますが、これは「騏驥」と解されています。

 

「出藍の誉れ」

「出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)」は、「青は藍より出でて藍より青し」とも言い、「弟子が、師匠の技術や学識を超える」と言う意味のことわざです。これは、藍(タデ科の植物)から採れる青色の染料は、もとの藍の葉より青くなることからきた表現です。

この言葉は、中国戦国時代末期の思想家荀子の著作『荀子・勧学編第一』の一節「青、取之於藍、而青於藍(青は、之を藍より取りて、藍より青く)」に由来します。

関連するまとめ


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ