「完遂」とは?意味や使い方をご紹介

映画やゲームなどで「ミッション・コンプリート」というセリフが出てくることがありますね。作戦成功や任務完了といった意味で使われていますが、「完遂」はまさにそういったニュアンスの言葉です。今回は「完遂」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「完遂」とは
  2. 「完遂」の使い方
  3. 「完遂」の類語

「完遂」とは

完遂(かんすい)」とは、完全に成し遂げること、つまり、最後までやり通すことです。「遂」は「遂に(ついに)」とも読みますが、「完遂」を「かんつい」と読むのは誤りです。

「完遂」の使い方

「完遂」は名詞ですが、「完遂する」という動詞としても用いられます。また、多くの場合、「完遂」は仕事や任務など、責任ある事柄に対して使われます。

そのため、「皿洗いを完遂した」というときはわざと大袈裟に表現しているか、相当量の皿を洗ったことを表します。

「完遂」の使用例

  • 目的完遂のためにはあなたの協力が必要なのです。
  • プロジェクトの完遂に向けて早速計画を立案しなければならない。
  • 彼らが期日までに仕事を完遂する保証はない。
  • 疲労困憊していたが、役目を完遂したので清々しい気分だ。
  • このチームならば必ずこの任務を完遂できると疑わなかった。

「完遂」の類語

「一気呵成」

「一気呵成(いっきかせい)」とは、ひといきに文章を書き上げること、または、一気に物事を成し遂げることを指す言葉です。多くの場合は「一気呵成に仕上げる」のように修飾語として用いられます。

「呵」は息を吹きかけること。「呵成」には息を吹きかけるだけで完成する、あるいは、凍った筆に息を吹きかけて一気に書き上げるという意味があります。ここからも、「完遂」よりも、大急ぎでやることにウェイトが置かれた表現と言えるでしょう。

「成就」

「成就(じょうじゅ)」は大願成就や恋愛成就のような使い方が馴染み深いところでしょう。「成就」には、願いや思いが叶うという意味のほかに、思った通りに成し遂げるという意味もあります。

後者は「事業を成就する」のように用いられ、「完遂」に類する言葉と言えますが、「完全に・最後まで」を強調するニュアンスはありません。

「出来す」

「よくやった!」という感動を表す際に「でかした!」ということがありますね。「出来す(でかす)」は、うまくやり遂げるという意味です。なお、「出来す」には作り上げる・こしらえる・よくない事態を招くことを指す場合もあります。

「果せる/果たす」

「果せる(おおせる)」や「果たす(はたす)」は、すっかり成し遂げるという意味です。「難しい仕事をやり果せる」「役目を果たす」のように、「完遂する」とほぼ同じように用いられます。

「全うする」

「全うする」と漢字で書くと、おや?と思うかもしれませんが、「まっとうする」と読みます。「全くする(まったくする)」から音が変化した言葉で、完全に成し遂げるという意味です。

「役割を全うする」のように使うこともありますが、「天寿を全うする」といった用法もあります。

「有終の美」

「有終の美(ゆうしゅうのび)」とは、最後までやり遂げて立派な成果をあげること結果が立派であることを指します。「有終」は終わりをしっかりと締めくくるという意味ですから、「優秀の美」と書くのは誤りです。

「有終の美」は古代中国の『詩経』という書物に記されている詩に由来します。「鮮克有終(最後までやり遂げる者は少ない)」がそれにあたる箇所です。

多くの場合、「彼は引退前に大きな事業を成功させて有終の美を飾った」のように用いられます。「完遂」のように作業や任務ごとに使うにはやや大袈裟ですがですが、やり遂げるという意味においては「完遂」に類していると言えるでしょう。

「毒を食らわば皿まで」

「毒を食らわば皿まで(どくをくらわばさらまで)」は、もともとは、一度悪に手を染めたならば最後まで悪に徹しようという喩えです。しかし、現在では、どうせここまでやったのだから最後までやり通そうと腹をくくる場合にも用いられます。

「割に合わない仕事だが、毒を食らわばさらまでだ」のような使い方ですね。悪事、あるいは、成り行きで関わった仕事などに対して用いられる言葉ですが、「やり遂げる」という点においては「完遂」に似ている言葉です。


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