「是とする」とは?意味や使い方・ビジネスでの用法をわかりやすく解説

是とするとは、「正しいと判断して受け入れる」という意味の格式高い表現です。読み方は「ぜとする」。会議の議事録や公式文書で見かけるこの言葉、正しい使い方とビジネスシーンでの活用方法を詳しく解説します。

是とするとは?是とするの意味

提案や意見、要求などを「正しい」「道理にかなっている」と判断して受け入れること。単なる同意ではなく、倫理的・論理的に正しいと認めた上での受諾を表す改まった表現です。

是とするの説明

「是とする」は「ぜとする」と読み、主に格式ばった文章や公式な場面で使用されます。会議での議案に対する賛同や、他者からの要請を受諾する場合に「それを正しいと判断する」という意思表示として用いられます。「是」という漢字には「正しい」「道理にかなっている」という意味があり、「是とする」で「正しいと見なす」となります。日常会話ではほぼ使われませんが、国会答弁や企業の公式文書、重要な契約書では今なお現役で使われている重要な表現です。ビジネスメールでは「ご提案の内容を是とします」のように、相手の提案を尊重する形で使用します。

格式ばった場面で使われる「是とする」、知っておくと大人の表現力がアップしそうですね!

是とするの由来・語源

「是とする」の語源は古代中国の漢文に遡ります。「是」は本来「正しい」「道理にかなう」という意味を持つ漢字で、儒教の経典などで頻繁に使用されました。日本には奈良時代から平安時代にかけて漢文とともに伝来し、公文書や学術文章で用いられるようになりました。特に江戸時代の儒学者や明治期の知識人たちが論理的な判断や公式な決定を表現する際に好んで使用したことで、現在の格式ばった用法が確立されました。

格式ばった表現ながら、現代のビジネスシーンでも生き続ける「是とする」、知っておくと大人の表現力が広がりますね!

是とするの豆知識

「是とする」は現代でも国会答弁や企業の決算報告書など非常に公式な文書で頻繁に登場します。またこの表現は「是認する」と同じ意味ですが、より重みのある決定や重要な判断を示す際に使い分けられる傾向があります。法律文書では「是とする」が「承認する」の意味で使われることが多く、日常会話ではほとんど耳にしないながらも社会的には非常に重要な役割を果たしている表現です。

是とするのエピソード・逸話

元首相の吉田茂氏はサンフランシスコ講和条約の交渉において、ある重要な条款について「是とする」という表現を使って承認したと言われています。また経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏も、重要な経営判断を下す際に「これで是とする」と宣言するのが習慣だったという逸話が残っています。現代では大手企業の社長がM&Aの最終決定会議で「この提案を是とする」と発言し、大きな企業買収が決まったという実際のエピソードもあります。

是とするの言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「是とする」は「是+とする」の構造から成り立ち、「是」が名詞的に機能し「とする」が判断や決定を表す補助動詞として働く複合動詞です。この表現は「〜と見なす」「〜と判断する」という意味の形式名詞構文の一種で、日本語の漢語表現における特徴的なパターンを示しています。主に書き言葉として使用されることから、日本語の文体差(話し言葉と書き言葉の違い)を研究する上でも興味深い事例です。社会的に高位の場面で用いられることから、社会言語学的には「権威的な言語使用」の典型例として分析されることもあります。

是とするの例文

  • 1 取引先からの提案内容を慎重に検討した結果、当社として是とすることに決定しました。
  • 2 上司が「リモートワーク継続を是とする」と正式に発表した瞬間、チーム全員の表情がぱっと明るくなりました。
  • 3 プロジェクトの品質基準を満たしていないとして、今回の納品は是としないという判断が下されました。
  • 4 役員会で新規事業計画が是とされ、いよいよプロジェクトが本格始動することになりました。
  • 5 社内規定の改定案について、法務部の審査を経て是とする旨の回答があり、来月から施行される運びとなりました。

「是とする」の使い分けと注意点

「是とする」は格式ばった表現ですが、使用する場面によって適切な使い分けが必要です。特にビジネスシーンでは相手や状況に応じて表現を使い分けることが重要になります。

  • 公式文書や契約書では「是とする」が適切
  • 社内のカジュアルな打ち合わせでは「承認する」や「賛成する」が自然
  • 取引先へのメールでは「ご提案を是とさせていただきます」のように謙譲語を交えて
  • 口頭での会話では「それで結構です」などより柔らかい表現を

注意点として、若い世代やIT業界などカジュアルな環境では「是とする」が堅すぎる印象を与える可能性があります。また否定形の「是としない」は強い拒絶を意味するため、使用には特に注意が必要です。

関連用語と類義語の比較

用語意味使用場面
是とする 正しいと判断して受け入れる 公式文書・重要な決定
承認する 認める、許可する 一般的なビジネスシーン
賛成する 同意する、支持する 会議・議論の場
承諾する 引き受ける、受け入れる 依頼・申し出に対する返答
諾う(うべなう 承知する、同意する 改まった場面・文語的

「是とする」はこれらの類義語の中でも特に「道理にかなった判断」というニュアンスが強く、単なる同意ではなく倫理的・論理的に正しいと判断した上での受諾を意味します。

歴史的背景と現代での使用実態

「是とする」の使用は明治時代の官僚文書や法律文章で特に頻繁に見られ、近代日本の公文書体系の形成に重要な役割を果たしました。戦前の官庁や軍の文書では、重要な決定事項を「是とする」で締めくくるのが慣例でした。

この方針を以て是とす

— 明治時代の太政官文書

現代では国会議事録、企業の定款、行政の審議会答申など、公的な決定を記録する文書で依然として多用されています。特に法律関係や行政手続きでは、この表現が持つ格式ばったニュアンスが権威性を高める効果があるため、重要な文書で好んで使用される傾向があります。

よくある質問(FAQ)

「是とする」と「承認する」はどう違うのですか?

「是とする」は「正しいと判断して受け入れる」という意味合いが強く、より格式ばった公式な場面で使われます。一方「承認する」は単に「認める」という意味で、日常的なビジネスシーンでも広く使用されます。重要な決定や道理にかなった判断を示す際に「是とする」が好まれる傾向があり、会議の議事録や契約書では今でも「是とする」が使われます。

「是とする」を日常会話で使うのは不自然ですか?

はい、かなり不自然です。「是とする」は主に公文書、会議の議事録、公式な発表文など書き言葉として使用される表現で、日常会話で使うと堅苦しすぎる印象を与えます。友達同士の会話では「それでいいよ」「賛成」などの自然な表現を使う方が適切です。

「是とする」の反対語は何ですか?

「否とする(ひとする)」が反対語になります。「是」が「正しい」を意味するのに対し、「否」は「正しくない」「同意できない」を意味します。会議などで「この案を否とする」というように、否決や不同意を表明する際に使用されます。ただし「否とする」も非常に強い表現なので、使用は公式な場に限られます。

ビジネスメールで「是とする」を使う場合の注意点は?

取引先との重要な契約書や正式な決定事項を伝える場面に限定すべきです。クライアントへのメールでは「ご提案の内容を是とします」のように相手の提案を尊重する形で使用すると良いでしょう。ただし社内のカジュアルな連絡では過度に格式ばらないよう注意が必要です。「承知しました」「承認します」で十分な場面も多いです。

「是とする」よりも丁寧に伝える表現はありますか?

「謹んで是とさせていただきます」や「ご提案の内容を真摯に受け止め、是とする所存でございます」など、謙譲語を交えた表現がより丁寧です。特に目上の方や重要な取引先に対してはこのような婉曲的な表現を使うことで、敬意を示しながら正式な決定を伝えることができます。