趣向を凝らすとは?趣向を凝らすの意味
物事に面白み・風情・味わいが出るよう、アイデアを出し、念入りに工夫すること。
趣向を凝らすの説明
「趣向を凝らす」は「しゅこうをこらす」と読みます。「趣向」は、面白みや風情を生み出すための考え・工夫を表し、「凝らす」は、心や注意を一つのことに集中させて十分に働かせることを表します。したがって、料理の献立や盛り付け、催しの演出、贈り物、作品などに独自の工夫を加え、印象深いものにする場面で使われます。必ずしも派手に飾ることではなく、控えめな演出や細部への工夫にも使えます。「工夫を凝らす」が実用面を含む幅広い改善に使えるのに対し、「趣向を凝らす」は人を楽しませる面白みや演出、味わいに焦点が置かれやすい表現です。ビジネスでも、イベント、広告、商品展示、プレゼンテーションなど、見せ方や体験を工夫する場面で使えます。
「派手にする」ではなく、「面白みや味わいが出るよう考え抜く」と捉えると使いやすい表現です。
趣向を凝らすの由来・語源
「趣向」は、もともと心の向かうところや意向を表し、そこから詩歌・文章などの構想、さらに面白みや風情を出すための工夫という意味でも使われるようになった語です。歌舞伎・浄瑠璃では、既存の題材や設定に新しい変化を与える工夫を指す用法もあります。「凝らす」は心・目・耳などを一つの対象に集中させる語で、両語が結び付いた「趣向を凝らす」は、面白みが生まれるよう念入りに工夫することを表します。特定の一人や一つの出来事から生まれた表現とは確認できません。
同音の「嗜好」と書き間違えないこと、また「凝る」ではなく「凝らす」とすることがポイントです。
趣向を凝らすの豆知識
「趣向」と「嗜好」は、どちらも「しこう」と読みますが意味が異なります。「趣向」は面白みを出すための考えや工夫、「嗜好」はその人の好みです。そのため「演出に趣向を凝らす」は正しい一方、好みを表したいなら「個人の嗜好に合う」などとします。また「趣向を変える」は、いつもとは考え方ややり方を変えるという意味です。
趣向を凝らすのエピソード・逸話
この表現は、料理なら献立や器、催しなら進行や装飾、作品なら構成や見せ方というように、受け手が楽しめる工夫を評価するときに使われます。例えば、同じ季節行事でも、毎年テーマを変えたり、参加者が体験できる仕掛けを加えたりすれば、「今年は趣向を凝らしている」と表現できます。実在人物の逸話に頼らなくても、日常から仕事まで幅広い場面に当てはまる言葉です。
趣向を凝らすの言葉の成り立ち
文法的には、名詞「趣向」を目的語として、他動詞「凝らす」が受ける「名詞+を+動詞」の形です。「凝らす」は「目を凝らす」「耳を凝らす」「知恵を凝らす」のように、能力や意識を集中させる対象と結び付きます。「趣向を凝らした料理」のように連体修飾で使うほか、「趣向が凝らされている」という受け身の形でもよく使われます。なお、「趣向を凝る」ではなく「趣向を凝らす」が一般的な形です。
趣向を凝らすの例文
- 1 今年の文化祭は、来場者が物語に参加できるよう趣向を凝らした展示にした。
- 2 季節の食材だけでなく器や盛り付けにも趣向を凝らした料理が並んだ。
- 3 招待状には、開くと会場の風景が立ち上がる趣向が凝らされている。
- 4 新商品の発表会では、実際に機能を試せるよう趣向を凝らした演出が好評だった。
- 5 毎年同じ企画にならないよう、今年は趣向を変えて屋外で開催することにした。
「趣向を凝らす」の使い方と注意点
「趣向を凝らす」は、受け手に面白みや味わいを感じてもらうための工夫を述べる表現です。単に時間や手間をかけたことではなく、考え抜いた内容や見せ方に焦点を当てます。
- 基本形は「趣向を凝らす」、過去形は「趣向を凝らした」です
- 受け身では「随所に趣向が凝らされている」のように使えます
- 「趣向を変える」は、これまでと違う考え方ややり方を採用するという意味です
- 同音の「嗜好」は好みを表す別語なので、「嗜好を凝らす」とは書きません
- 装飾が多いことだけを指すのではなく、控えめでも面白みを生む工夫なら使えます
関連用語とその違い
| 用語 | 意味 | 「趣向を凝らす」との違い |
|---|---|---|
| 技巧を凝らす | 技術的な工夫をすること | 技法や技術上の工夫に重点がある |
| 工夫を凝らす | よく考えてさまざまな方法を試すこと | 効率・安全など実用的な改善にも広く使える |
| 意匠を凝らす | 形・色・配置などデザインを工夫すること | 外観や造形上の工夫に焦点がある |
「趣向」と「嗜好」の違い
「趣向」と「嗜好」はともに「しこう」と読みますが、意味も使い方も異なります。「趣向」は面白みを出すための考えや工夫、「嗜好」は飲食物や趣味などに関する個人の好みです。
- 趣向:参加者を楽しませる趣向を凝らす
- 趣向:今年は趣向を変えて昼に開催する
- 嗜好:消費者の嗜好を調査する
- 嗜好:甘い物は個人の嗜好に合わない
よくある質問(FAQ)
「趣向を凝らす」の読み方は何ですか?
「しゅこうをこらす」と読みます。「趣向」は「しゅこう」、「凝らす」は「こらす」です。「趣向を凝る」や「しこうをこらす」とだけ覚えて「嗜好」と書くのは誤りなので注意しましょう。
「趣向を凝らす」と「工夫を凝らす」の違いは何ですか?
「趣向を凝らす」は、面白み、風情、演出など、受け手を楽しませる工夫に重点があります。「工夫を凝らす」はより広く、作業の効率化や安全性の向上など実用的な改善にも使えます。ただし意味は重なるため、文脈によってはどちらも使えます。
「趣向を凝らす」の類語・言い換えは何ですか?
「創意工夫する」「工夫を重ねる」「知恵を絞る」「意匠を凝らす」「趣を持たせる」などがあります。技術上の工夫なら「技巧を凝らす」、デザイン上の工夫なら「意匠を凝らす」、広い意味で改善を表すなら「創意工夫する」が適しています。
英語で「趣向を凝らす」はどう表現しますか?
文脈に応じて「add creative touches(創造的な工夫を加える)」「devise an elaborate plan(念入りな計画を考案する)」「be ingeniously designed(巧みに設計されている)」などと表せます。一語の決まった訳ではなく、何にどのような工夫をしたかに合わせて選びます。
「趣向を凝らす」はどんな場面で使いますか?
料理、贈り物、催し、展示、広告、作品、プレゼンテーションなど、見せ方や体験に面白みを加えた場面で使います。契約書の正確さや作業時間の短縮のように実用性だけを述べる場合は、「工夫する」「改善する」のほうが自然です。