「汲々」とは?意味や使い方をご紹介

「汲々」は「きゅうきゅう」と読みます。精神的・時間的な余裕が無く、あくせくしている様子を指す言葉です。普段あまり見ることがない表現ですが、このような言葉は今のうちに覚えておくと、いざという時に役立つものです。ここでは「汲々」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「汲々」の意味
  2. 「汲々」の使い方
  3. 「汲」と「々」の字義
  4. 「汲々」の類語・関連表現

「汲々」の意味

汲々(きゅうきゅう)」とは以下の意味を持つ言葉です。

  1. 一つの物事に一心に努めて、他を顧みないさま。
  2. 小さな事にあくせくするさま。
  3. あくせくしてゆとりのないさま。

1の「一つのことに集中して取り組んでる」の意味からは、一見するとひたむきで良い印象を受けますが、重要なのはその他のことを顧みないというニュアンスが含まれているという点です。

一点集中するあまり周囲が見えていない状態なので、「重要な事柄や本質的な課題を見落としているおそれ」をほのめかす表現ともいえます。

2と3に関しては、時間的・精神的な余裕の無さを表しており、基本的にネガティブなニュアンスで使われています。

「汲々」の使い方

汲々」は日常会話ではあまり使われない表現なので、普段のやり取りでは、「忙しくしている」「あくせくしている」などの表現を用いたほうが伝わりやすいでしょう。

一方で、小説や改まった文章を書くときに「汲々」を使うと、知的で博識な印象を読み手に与える事ができるかもしれません。状況に応じて使い分けるようにするのが良いでしょう。

「汲々」の例文・使用例

  • 大手企業は波に乗ってブイブイ言わしてるようですけど、ウチのような零細はどこも汲々としてますよ。
  • 目の前の大きなチャンスに気づかず、彼は小銭を稼ぐことに汲々としている。
  • 彼は参加者全員に自分の名刺を配り、名を売ることに汲々としていた。
  • 今の仕事に汲々としたところで、理想の自分が手に入る訳ではないことに気づく。

「汲」と「々」の字義

「汲々」の「」という字には以下の意味があります。

  1. くむ。くみあげる。
  2. いそがしい。せわしい。
  3. ひく。ひっぱる

「汲々」は2の意味で用いられています。なお1の意味については、おもに「水をくみ上げる」様子を表しています。

なお、「汲々」の「」は「踊り字」と呼ばれる表現のひとつで、同じ漢字を重ねる際の代用字として用いられています。つまり「汲々」は「汲」を繰り返しており、より「忙しさ」が強調されている表現といえるでしょう。

「汲々」の類語・関連表現

汲汲忙忙

汲汲忙忙(きゅうきゅうぼうぼう)」とは、この上なく多忙なことを表す四字熟語です。「汲汲」はこれまで述べてきたとおり「あくせく働き続けること」を意味しており、「忙忙」は「たいへん忙しいこと」を表しています。

「使用例」

  • 年末の大型案件の締切りが迫っており、我がプロジェクトチームは汲汲忙忙とした日々を送っている。

あくせく

あくせく」とは、「心にゆとりがなく、目先のことに追われてせわしなく行動する様子」や「細かいことを気にして落ち着かない様子」を表す言葉です。

なお「あくせく」は漢字で「齷齪」と書きます。「齷齪」は「歯と歯の間が狭いこと」を表しており、このことから「心が狭い様子」や「せわしない」といった意味に派生していきました。

【使用例】

  • 借金返済のために、彼は来る日も来る日もあくせくと働いた。

固執

固執(こしつ・こしゅう)」とは、「自分の意見や態度を全く変えないこと」を指す言葉で、ポジティブ・ネガティブ両方の意味で使える表現です。

なお「固」は「かたい」や「本当に」を表しており、「執」には「つかんで離さない」「こだわる」といった意味があります。

【使用例】

  • 事業を成功させたいのなら、自分の考えに固執せず、色々な考え方を取り入れるべきだ。
  • 自分が描いたプランに最後まで固執した結果、想定通りの成功を収めることができた。

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