「秘匿性」とは?意味や使い方をご紹介

「秘匿性」。秘密の「秘」に匿名の「匿」の二文字で構成されていることから、その意味はだいたい想像がつくのではないでしょうか。とはいえ、読み方からして難しく、やや硬い表現で、馴染み深いとはいえない言葉です。今回は「秘匿性」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「秘匿性」とは?
  2. 「秘」「匿」の漢字の意味
  3. 「秘匿性」の使い方
  4. 「秘匿性」の類語

「秘匿性」とは?

「秘匿性」は、(ひとくせい)と読み、その意味は、秘密として隠され、他者には内容がわかりにくくなっている状況、またその度合いです。

企業秘密、という言葉があるように、企業などでは「マル秘」と呼ばれ、「秘」の一文字を〇で囲んだ判を押された書類がたくさん存在します。

また、役所などをはじめ、現代社会では個人情報の保護という概念がすっかりゆきわたったため、機密とされるデータも多々ありますね。そのようなものは、「秘匿性の高い」資料やデータといえます。

「秘」「匿」の漢字の意味

「秘匿性」をより深く知るために、そもそもの「秘匿」、さらにその「秘」「匿」それぞれの漢字の意味を紹介していきましょう。

まず、「秘匿」とは、なにかを秘密として隠しておくことを意味し、それぞれの漢字がその意味を明瞭に示しています。

「秘」

「秘」は、音読みが()、訓読みが(める、かくす、ひそか)。意味は大きく分けて次の三つです。

  1. 秘める、隠す
  2. 人知の及ばないもの。
  3. 閉じる、詰まる。

「秘匿」で用いられる「秘」は1.の意味によるものです。

「匿」

「匿」は、音読みが(とく)、読み方が(かくれる、かくまう)。ちょっと難しそうな字ですが、「匿名」(とくめい)という語であれば見聞きしたことがある方もいるのではないでしょうか。

インターネットが一般に普及して以来、「匿名」は実に登場頻度の多い言葉となりました。匿名掲示板、匿名投稿、など、実名を明かさず多数にむけて情報を発信できることに魅力を感じる人々の間では、実に魅力的なのが「匿名性」なのです。

「匿」の意味はこれでおわかりと思います。名を隠すことが「匿名」ですから、「匿」の意味は隠す隠れる、かくまう、という意味もあります。

「秘匿性」の使い方

秘匿性が高い・低い

「秘匿性」を言葉や文章のなかで用いるときには、「秘匿性が高い・低い」と表現することが一般的です。秘匿の度合いは、このように高低で表すと覚えましょう。

「秘匿性(匿名性)を担保する」

また、「秘匿性(匿名性)を担保する」という独特な言い回しもあります。ここにおける「担保」(たんぽ)とは、わかりやすくいえば、「確保」「保証」などのことです。

例えば、マスメディアの世界では、記者たちは特ダネをとるために熾烈な情報収集争いを繰り広げます。そんな時、記者が情報の提供者に持ち掛けるのが「秘匿性、匿名性の担保」です。

簡単に言えば、情報提供者のことは何も明かさず秘密にして、抽出された事実のみを記事にすることを保証する、そんな保証が「秘匿性の担保」です。

「秘匿性」の文例

  • 当社の企画調査部の資料室には、秘匿性の高い情報が収められている鍵つきの保管場所がある。
  • この商品については、ライバルとなるような類似商品がないため、製造情報は秘匿性が低い。
  • A記者はある政治家の周辺の取材を重ね、人々に秘匿性を担保して重要情報を得た。
  • どこにスパイが潜んでいるかもわからない状況のなかで、新情報の秘匿性を保つのは至難の業だった。

「秘匿性」の類語

隠秘

隠秘(いんび)とは、秘密にしてあらわさず、人に見せないことという意味です。

【文例】隠秘の恋愛は、他者から隠すというスリルがより心を燃え上がらせるのだそうだ。

隠匿

隠匿(いんとく・いんちょく)には、隠してはならないものを秘することという意味があり、この意味が「秘匿性」の意味合いと通じています。

【文例】古今東西、政治的権力の座に長くつくほど、国民に隠匿しているものごとや情報が増えてくるものだ。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ