「多分に」とは?意味や使い方をご紹介

「多分に」という言葉をうまく使いこなせるでしょうか。「多分」であるなら頻繁に用いますね。「に」がつくだけですが、発音のアクセントも異なってきます。意味も二種類あるため、使い方は意外に難しそうです。今回は、「多分に」の意味と使い方を、類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「多分に」とは
  2. 「多分に」の使い方
  3. 定型的な言い回し
  4. 「多分に」の類語

「多分に」とは

「多分に」(たぶんに)は、形容動詞「多分だ」の連用形です。数量や程度が多いことたくさんかなりたいていおそらく、などの意味をもちます。

「多分」であれば、日常会話でも文章でも、あらゆる場面で頻繁に用いていることでしょう。「多分に」を深く理解するために、まずは「多分」を検証していきます。

「多分」は多義的な言葉です。名詞、形容動詞としては①金額や数量が多いことや、そのさま多く、たくさん。②相当、かなりの程度。③大部分、多数

副詞としては、おそらく、たいてい、という意味です。「多分に」は、それらの意味にそって、形容動詞、副詞として用いられます。

「多分に」の使い方

日常会話で、おそらく、という意味での「多分」は頻繁に登場します。「多分、~だろう」などと言うとき、アクセントはたぶんの「た」にありますね。

「多分に」となった場合、「た」にアクセントを置くことはなく、全体に強弱をつけずに発音する点に注意しましょう。

用法としては、一般的には、「おそらく」よりは「たくさん」「かなり」という意味で用いられることのほうが多いようです。

「おそらく~だ」という推量のニュアンスが含まれる使い方は、下記の文例の三番目に挙げてありますが、「多分に」の意味の区別はなかなか難しいものです。前後の文脈から、分量の多さなのか、推量なのかを判断するとよいでしょう。

「多分に」の文例

(A男)

うちの課の仕事には、多分に無駄な作業が含まれているように思うのだが。

(B子)

オリーブオイルには、健康にいい成分が多分に含まれているみたいなの。

(C男)

参加者が30人を越えなければバスツアーは実施されないのだが、多分に大丈夫だろうと思う。

定型的な言い回し

「多分にある」の意味と使い方

「多分にある」は、おそらくある、という意味で、定型的な言い回しとしてよく登場します。とはいえ、かなりある、という意味で用いられることも多々ありますので、やはり前後の文脈で判断することが必要です。

【文例】

  • 営業ルートについて、業務改善案を提出するつもりだが、反対意見は多分にあるかもしれない。
  • 部活の顧問をボランティアに委ねることは、責任意識が薄れる危険性が多分にある

「御多分にもれず」の意味と使い方

「御多分にもれず」とは、ほかの多くの場合と同じように、という意味の言い回しです。用いる場合は、なにと同じような「御多分」であるかをきちんと示す必要があります。

【文例】

  • 小学校から英語が授業に入ることとなり、多くの幼稚園が英語を教えるカリキュラムを組みだした。御多分にもれず、うちの幼稚園も検討中だ。
  • この不況で、ボーナスを削減する企業が相次いでいるが、我が社も御多分にもれず、だ。

「多分に」の類語

「おおかた」の意味と使い方

「おおかた」(大方)は、名詞、副詞、形容動詞があり、それぞれに多義的な意味をもつ言葉です。「多分に」の類語としては、副詞としての①だいたい、多数、かなり。②たぶん、おそらく。③およそ、そもそも。などが該当します。

【文例】

  • 提出された課題作品群のおおかたは、合格だと思ってよいでしょう。
  • 鈴木君は、社員旅行に参加しないのかい?おおかた、そんなところだと思っていたよ。

「かなり」の意味と使い方

「かなり」(可成り、可也)は、形容動詞と副詞の二つの用法を持つ言葉です。書き言葉としては、漢字で記すことはまずなく、ひらがなで表記します。

形容動詞としては、相当の程度、あるいはそれ以上に達しているさま副詞としては、相当、思った以上に、という意味で用いられます。

【形容動詞としての文例】今回のイベントは初の試みであったが、かなりな数の参加者があった。
【副詞としての文例】偶然見つけたレストランながら、かなり雰囲気も味もいい店で気に入った。

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