「早計」とは?意味や使い方をご紹介

「早計」は、日常会話では登場頻度が多いとはいえない言葉ですが、ビジネスシーンをはじめ、文書などにおいては頻繁に使われます。端的にいえば「早まった考え」という意味であり、ネガティブな色合いの濃い言葉です。今回は「早計」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「早計」とは?
  2. 「早計」の使い方
  3. 「早計」の類語
  4. 「早計」の対義語

「早計」とは?

「早計(そうけい)」とは、熟慮せずに性急にことをなすこと早まった考えや軽はずみな判断、またそのさまを表す言葉です。

十分に考えずに行動に移すわけですから、結果はどうあれ、「早計」はほぼネガティブな意味合いで用いられます。浅はかだというニュアンスがつきまとうわけですね。

ですから、限られた短い時間のなかであっても最善を尽くし、熟慮して下した判断が誤っていた場合に対して「早計」と表現することはありません。

「早計」の使い方

「早計」を使うときに最も注意すべき点は、上述したように、この言葉がネガティブな意味をもつということです。

漢字から、単に早い計画、早めの計画、というイメージをもってしまうと、誉め言葉として使いかねません。「早い」は良い印象で使われることの多い言葉ですが、「早計」においては早まった、早すぎるという意味で用いられていることに注意しましょう。

「早計」とともに用いる言葉

「早計」であることを強調したい場合には、「極めて早計実に早計」などと修飾するのが適切でしょう。より強く表現するときには、「早計も甚(はなは)だしい」「早計に失する」などと使うこともできます。

「甚だしい」は、「程度が激しい、ひどい」という意味です。「失する」は失う、あるべき状態を欠くといった意味のほか、「度を超しているさま、~すぎる」ということを表す場合にも用いられます。

「早計に失する」と使う場合は、上記の「~すぎる」という意味の使い方が当てはまります。「遅きに失する」と同じ使い方です。

「早計」の文例

(上司A)

今月の売上の減少が消費税増税によるものか否かの分析もできていないんだ。ただちに値下げキャンペーンをするという君の案は、早計だよ。

(B子)

いくらあなたがジェフを好きだからといって、彼のあとを追ってアメリカに留学するなんて、あまりに早計な判断だと思うわ。

(C男)

タイ支店の実績がふるわないから撤退する?その判断は早計も甚だしいぞ。いったいいくら投資してきたと思っているんだ。

(D男)

良太君が演劇熱に浮かされてあの一流大学を中退してしまったのは、早計に失した感があるな。

「早計」の類語

「性急の」意味と使い方

性急(せいきゅう)は、二つの意味をもつ言葉です。①せっかちで気が短く、落ち着いていられないこと。②物事の進み方、進め方が急で慌ただしいこと。「早計」の類語は、②の意味における「性急」です。

「性急」にも、早計と同様に「早すぎる」というニュアンスがあることは、①の意味が「せっかち」などといったネガティブな印象を受けることからも、推し量ることができるでしょう。「早急に対処します」と言われれば安堵しますが、「性急に対処します」では不安になりますよね。

【文例】君たちは去年結婚したというのに、もう離婚を考えているのか。性急な判断はせず、まずは冷静になって様々な角度から考えたほうがいいよ。

「浅慮」の意味と使い方

浅慮(せんりょ)とは、浅はかな考えを意味する言葉です。浅はかで軽々しい、という意味で「早計」の類語たりえます。ただし、「早計」とは異なり、「早まった」という時間的な観点は重視されていないことに注意しましょう。

【文例】部下から好感をもたれたいから頻繁に飲み会をひらく、というのは浅慮も甚だしい。何よりも仕事の現場で尊敬される姿を見せることだ。

「早計」の対義語

「熟慮(じゅくりょ)」とは、さまざまな状況を考えにいれ、深く考えること念入りに判断したり検討したりすることを表す言葉です。
【文例】おまえが熟慮のすえに決めた就職先なのだから、父親としては何も言うことはないよ。

「熟案(じゅくあん)」とは、十分に考えること、深い思案、熟考を意味する言葉です。
【文例】今回のキャンペーンイベントは、何から何まで完璧な進行だった。熟案のうえで実施したことが成功につながったよい例だ。


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