「横着」とは?意味や使い方をご紹介

「横着」という言葉は、日常会話や新聞・雑誌などでよく耳にするかと思います。どちらかと言うとマイナスなイメージを持つ言葉ですが、意味を正確に理解したうえで使っている方は意外と少ないかもしれません。ここでは「横着」の意味や使い方や類義語・対義語などをご紹介します。

目次

  1. 「横着」の意味
  2. 「横着」の使い方
  3. 「横着」の語源
  4. 「横着」の類義語・同義語
  5. 「横着」の対義語・反対語

「横着」の意味

「横着(おうちゃく)」とはやるべきことを、故意になまけることなるべく楽をして済まそうとすることといった意味を持つ言葉です。また、自分だけ楽をしてその場をしのごうとする様子からわがままでずうずうしいといった意味でも使われています。

「横着」の使い方

「横着」は「横着する・横着な」といった使い方だけでなく、「横着者」という複合語もあります。また、使う対象は自分自身と他人に分けられます。使う対象別に見ていきましょう。

「横着」を自分自身に対して使うとき

自分自身に対して使う場合は、自分の行動を戒めたり、反省したりするニュアンスで使います。

【例文】
・あのとき横着したせいで、苦しい立場となってしまった。
・横着な態度を改めて、面倒な仕事でも頑張ってやり切ろう。

「横着」を他人に対して使うとき

「横着」を他人に対して使う場合は他人の行動を注意したり非難するニュアンスが含まれています。このため、上司や先生などといった目上の人に対して「横着」を使うと、失礼に当たることがありますので気をつけましょう。

【例文】
・先月入ってきた新人は横着者のようで、いくら注意しても書類を片付けないし、机も汚いままだ。
・横着を決め込んでいると、信頼を失うから気をつけなさい。

「横着」の語源

「横着」の「横」には「無理やりな・身勝手な・枠からはみ出る」という意味があります。また「着」には「おさまる・くっつく」という意味があります。つまり、この2つの漢字が組み合わさることで「身勝手な状態におさまる」ということを表しています。

もともと「横着」は仏教で使われていた言葉で、修行や勤行を真面目に取り組まない様子を述べるときに用いられていました。現在では仏教だけでなく、さまざまな分野で使われている言葉となっています。

「横着」の類義語・同義語

怠惰

怠惰(たいだ)」とは、なまけている様子や、だらしない性格・性質のことを言います。キリスト教における「7つの大罪」のひとつとしても有名ですね。

横着と似ていますが、怠惰にはわがまま・ずうずうしいなどの意味はありません。また、怠惰は「するべきことに手をつけていない」、横着は「やってはいるものの手を抜いている」というニュアンスで用いられる場合が多いようです。

用法においては、横着は横着する・横着者のように使うことができますが、怠惰は怠惰する・怠惰者という使い方はできません。

怠慢

怠慢(たいまん)」も、なまけている状態を表す言葉です。怠惰とほぼ同じ意味ですが、怠惰は「怠惰な生活」のように生活態度などに対して使い、怠慢は「職務怠慢」のように社会的な義務や責任などに対して使うことが多いようです。

こちらも、わがまま・ずうずうしいというニュアンスはない点、怠慢する・怠慢者という使い方ができない点では、横着と異なります。

無精

「無精(ぶしょう)」は、物事に対して、精を出さずになまけている様子や、面倒くさがることを言います。横着のようにわがまま・ずうずうしいというニュアンスはありませんが、無精する・無精者のように使うことができます。

「横着」の対義語・反対語

誠実

「誠実(せいじつ)」とは、真心をもって人や物事に対応することや、そのような様子を指します。「誠」とは「偽りのない心」を意味する漢字で、「実」は「本当の、中身」といった意味をもつ漢字です。

几帳面

「几帳面(きちょうめん)」とは、物事をきちんと行う様子や、正確に処理するさまのことを言います。「几帳」とは、室内の間仕切りや風除けに用いられていた家具のことで、几帳の柱の表面を削って角を丸くし、刻み目を入れたものは「几帳面」と呼ばれていました。

この「几帳面」がとても丁寧な仕上がりであることから、江戸時代以降、きちんとした様子や人に対しても「几帳面」という言葉が用いられるようになりました。

勤勉

「勤勉(きんべん)」とは、仕事や勉強などに対して、一生懸命に取り組むことや励むことを言います。

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