「夢が広がりんぐ」とは？意味や使い方をご紹介

「夢が広がりんぐ」とは、夢や希望がどんどん膨らんでいく様子を表すネットスラングです。インターネット掲示板「2ちゃんねる（現在の5ちゃんねる）」の「ニュース速報VIP板」にスレッドを立てた、とあるユーザーの発言が元ネタとなっています。

「夢が広がりんぐ」は、「夢がひろがる」と英語の現在進行系「～ing」を組み合わせた造語と考えられています。

その独特な語感と投稿者のテンションの高さなどから「2ちゃんねる」のさまざまなスレッドに拡散され、この表現が登場した当時は最も有名な2chスラングのひとつとして認知されていました。

「夢が広がりんぐ」は基本的にポジティブな会話や文脈で使います。なお、「笑い」を意味する「ｗ」と合わせて、テンションを高めることも多いです。

最近ではあまり使われなくなっていますが、かつて流行したスラングということもあり、ネットユーザー、とくに2chにおける知名度は現在でも高いです。

「夢が広がりんぐ」の元ネタは、2004年の9月に2ちゃんねる「ニュース速報VIP板」に立てられた「俺も遂に就職したｗｗｗｗ」というスレッドの投稿主の発言です。

当該スレッドを立てた人物は「トラックを購入してりんごジュースを販売するオーナーとなり、お金を稼ぐ」と意気込みます。ところが他の掲示板住人からは「これは詐欺・マルチ商法では？」という指摘が相次ぎます。

それでも投稿主は姿勢を変えず、「夢が広がりんぐ」と希望にあふれる未来を語り続けます。そんな投稿主の純粋で前向きな様子を見た掲示板住人たちは、心配しつつも、温かいエールを送りました。

「俺も遂に就職したｗｗｗｗ」スレが立てられてから半年後の2005年3月。同じ投稿主の手によって、その後の状況を報告するスレッドが「ニュース速報VIP板」に立てられました。

「遂に俺の始めたりんごジュース屋が倒産したｗｗｗｗ」というタイトルで立てられた当該スレッドでは、結論として事業は失敗したこと、借金が増えたこと、左手の指を骨折したこと、次は先輩の所で働くことなどが、本人によって語られました。

結果としては踏んだり蹴ったりな内容ですが、それでも投稿主は明るく前向きなコメントを続けます。そんな姿を見た掲示板住人たちからは、投稿主を応援するコメントが相次いで寄せられました。

「ニュース速報VIP板」のトップページには、2004年から2008年までの4年間、本件の投稿主を想起させる「りんごと軽トラックが描かれた看板」が表示されていました。

「夢が広がりんぐ」は名実ともに当時のニュース速報VIP板を代表するスラングとして、多くの掲示板住人に愛されていたわけです。

ところが現在の「夢が広がりんぐ」は、たまにネット上で見かけるくらいのスラングとなっており、いわゆる「死語」と言って良いレベルです。

10年以上も前の流行語なので仕方ないのかもしれません。それでも「夢が広がりんぐ」という言葉が持つ「前向きさ」や「勢い」は、幾多のネットスラングの中でもトップクラスですので、再び注目を浴びる日が来るかもしれませんね。