「責務」とは?意味や使い方をご紹介

「責務」とは、責任をもって果たすべき任務のことを意味します。「責務」の根拠となるものは、倫理的、法律的、社会的なルールなどに基づいていますが、状況や国、組織などで異なる場合もあります。今回は「責務」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「責務」とは?
  2. 「責務」の使い方
  3. 「責務」の類語

「責務」とは?

「責務」(せきむ)とはその字のとおり、責任と義務のことを表します。また、自己の責任として果たすべき事柄や任務のことを意味する言葉です。

「責務」の意味をより深く理解するために、「責」と「務」それぞれの字義を検証していきます。

「責」と「務」の字義

「責」は大きく分けて二つの意味をもつ漢字です。罪や失敗をとがめ、責めること果たすべきつとめ、責任のこと

「責務」における「責」は②の意味で用いられています。同様の意味において使われている例は、責任、重責、職責など、枚挙にいとまがありません。

「務」は、力をつくしてなすべき仕事、任務、つとめを意味します。同様の意味での使用例は、これも数多く挙げることができます。業務、職務、義務など、すぐに思い浮かぶことでしょう。

したがって、この「責」と「務」の二つで構成される「責務」は、果たすべきつとめ、力を尽くしてなすべき任務や仕事、という意味をもつのです。

「責務」の使い方

「責務」の意味として、「果たすべき」「なすべき」という言葉が用いられますが、これはなにを根拠として「べき」としているのでしょうか。

基本的には、倫理的、法律的、社会的、宗教的なルールというものが筆頭に挙げられます。ここで注意すべき点は、これらはすべて国や民族によって異なる点があるということです。

また、人々が所属する組織によって、課せられた「責務」も異なります。たとえば、親が子供を育てることは、言うまでもなく親の「責務」のひとつと言えるでしょう。しかし、日本のかつての皇室のように、皇太子は乳母に育てられるという「ルール」が存在する場合もあります。

すなわち、「責務」の根拠について、すべてに共通した定義はないと言えるでしょう。「責務」という言葉を用いるときには、状況ごとの背景に注意を向けることも必要です。

「責務」の文例

(A男)

父が創業した町工場を大きく成長させ、ついに息子にバトンタッチすることができた今、責務を果たせた安堵に浸っているよ。

(B子)

私たち夫婦は、養子を望んでいるの。ただ、二人とも40才を越えていて、養子が成人するまで親の責務が果たせるかどうかを真剣に話し合っているわ。

(C男)

政治家は、大いなる責務をもって国と国民を守るのが職務だろうに、最近の代議士たちは権力の甘い汁を吸うばかりに見えるぞ。

(D男)

彼はいつも飄々として、責務を伴う立場に立たされないようにうまいこと逃げ回っているが、今度ばかりは逃れられなかったようだね。

「責務」の類語

「義務」の意味と使い方

義務の意味は大きくわけて三つあります。

  1. 人が個々の立場や身分において、当然果たさなければならない務めのこと。
  2. 道徳上、人が必然的・普遍的に課せられている、なすべきこと。
  3. 規範・法律などによって人に課せられている拘束のこと。

責務と同様、義務もさまざまな状況においての「果たすべき・なすべき」ことを指します。そして、国や民族、所属している組織などによってその内容が異なることも多々あります。

(E子)

親になったのだから、子供が幼いときは、つねに見守り育んでいくことが義務よ。

(F男)

交通事故を起こしてしまったときは、負傷した人の救護と事故の報告をすることが、運転者としての義務だ。

(G男)

昔から脱税行為はあとをたたないが、日本で生きている限り、納税は国民の義務なのだよ。

「責任」の意味と使い方

責任の意味は大きくわけて三つあります。

  1. 人が立場や身分上負わねばならない任務・義務のこと。
  2. 自身のなしたことの結果の責めを負うこと。
  3. 違法行為をおかしたものが、その制裁を負わされること。

「責務」と「義務」は似ているようですが、異なるのは行為の結果の責めを負う、という点です。

(H子)

地方議員の山田さんは、自らの失言に対して責任をとり、退任したのよ。

(I男)

裁量権が大きいということは、なにか事が起こったときに負うべき責任も大きいということだ。


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