「双眸」とは?意味や使い方をご紹介

「双眸」(そうぼう)という言葉をご存知でしょうか?小説などをよく読まれる方であれば、左右二つの眼、すなわち「両眼」のことであるとすぐわかるかもしれません。では、「両眼」との違いは何かあるのでしょうか?今回はこの「双眸」について、意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「双眸」とは?
  2. 「双眸」の使い方
  3. 「双眸」の対義語

「双眸」とは?

「双眸」(そうぼう)とは、左右両方のひとみ、すなわち両眼のことです。

「双」はふたつ並んでいること、「眸」は瞳のことを意味しますので、ふたつ合わせて両眼のことを表すわけですね。

「眸」の字について

「眸」という字についてもう少し掘り下げておきましょう。「目」に「牟」というつくりから成り立っている字ですが、こちらの「牟」(ボウ、む)は、牛が「ムー」と鳴くさまを表しています。見たままですね。

そのため「牟」は牛の鳴き声、むさぼる、などが主な意味ですが、牛から連想して「大きい、増す」という意味もあります。「目」の中で「大きい」と言えば、「ひとみ」の部分ですよね。ここから「眸」=「ひとみ」という意味が生じたと考えられます。

「眸」の字は、現在では「双眸」以外に見かける機会はほとんどありませんが、他に「凝眸」「黒眸」「両眸」などの熟語も存在します。いずれも漢字から意味を想像できるのではないでしょうか。

「双眸」の使い方

「双眸」は両眼のことを指して使いますが、かなり堅い、文語的な表現ですので、日常生活で「君の双眸は赤いね」などと使うには適していません。

小説などの創作物の中で、「両眼」を特別な言葉で言い表したい、格調高く表現したいという場合には適していますが、そのような状況でない限りは単純に「両眼」と言ったほうが伝わりやすいでしょう。

字義の性質上、「(白目を含まない)ひとみ」に注目した言葉ですが、「両眼」や「目」と指すものの違いはありません。「目全体」「目の周り」、さらにそこから連想される「感情」も含めて言い表すことができます。

あくまでも「両眼」

念のための注意点ですが、「双眸」は「双」が付く通り「両眼、左右ふたつの眼」のことです。ひとつの目、もしくは片方の目にのみ言及する際には使用できません。

例えば、「双眸でウインクした」「右の目に眼帯をした彼の双眸が私を見つめていた」などは誤った用法です。

例文

  • 深夜、暗闇に溶け込んだ黒猫の双眸が、あやしげに光っていた。
  • 双眸に笑みをたたえた彼女は、私が差し出した指輪をゆっくりと受け取った。
  • どの国へ行っても、元気に遊ぶ子どもたちの双眸には希望が満ち溢れている。

「双眸」の対義語

「双眸」の対義語として、「ひとつ(だけ)の眼」を表す言葉も挙げておきましょう。

  • 隻眼(せきがん)
  • 独眼(どくがん)
  • 片目

なお、連想されやすい言葉に「単眼」(たんがん)がありますが、こちらは昆虫類などに見られる「簡単な構造の眼」のことです。「二つの眼のうちの片方だけ」「ひとつしかない眼」という意味ではありませんのでご注意ください。

「ひとつだけの眼」(mono eye)の意味で「単眼」と言われる例もないわけではありませんが、一般的には上記の通り、眼の構造を指す言葉ということを覚えておきましょう。


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