「大顰蹙」とは?意味や使い方をご紹介

「誕生日プレゼントあげたら彼女に大顰蹙だったよ。」なんてこと、ありますよね。「大顰蹙」とはものすごく嫌われるという意味です。ここでは普段あまり目にしない「大顰蹙」を取り扱います。意味や使い方、例文、そして類語を紹介します。

目次

  1. 「大顰蹙」とは
  2. 「大顰蹙」の使い方
  3. 「大顰蹙」の類語

「大顰蹙」とは

「大顰蹙」は「だいひんしゅく」と読みます。「おおひんしゅく」とは読みません。非常に嫌がられる、大いに嫌われるという意味で使われる言葉です。

「顰蹙」とは不満や不快な思いが原因で顔をしかめるたり眉をひそめたりすること。「大」はもちろん程度や規模がはなはだしく大きいという意味です。

単純につなげると顔のゆがめ方が非常に大きいのかな?と感じてしまいますが、「顰蹙」は嫌われることという意味も表す言葉です。よって、とてつもなく嫌われているとなりますね。

「大顰蹙」の使い方

顰蹙を買う

「顰蹙」は「顰蹙を買う」という慣用句で使われます。自分の行動が原因で相手に蔑まれたり嫌われたりすることです。「大顰蹙」は「顰蹙」の強調表現なので、同じように使うことができます。

【例文】

  • 大事な会議で寝過ごしたために、課長は大顰蹙を買ってしまった。
  • 自信満々のサービスだったが、彼のツイートが炎上してしまい、世間からも大顰蹙を買うことになった。
  • 新人から顰蹙を買うほど厳しい専務によって、プロジェクトは停止、課長も降格処分となった。

顰蹙する

嫌われるがわ目線の表現が「顰蹙を買う」なら、嫌うがわ目線の表現は「顰蹙する」です。相手の言動に不満があり、嫌うという意味。「大顰蹙」ならその嫌いようがさらに強いということですね。

【例文】

  • 前例にない処分のため顰蹙する役員もいたが、結局は社長が英断を見せた。
  • 人格を傷つけるような発言に至っては皆が顰蹙するのも当然だ。
  • とはいえ、そういった発言が問題視されてこなかった社内体制を考えると、彼だけを顰蹙できない。

顰蹙もの

よだれを垂らすほど欲しがるもののことを「垂涎もの」と言いますが、同じように人から嫌われてもしかたないような言動を「顰蹙もの」と言います。

また、人の反応があまりにも冷たいことを「顰蹙」ということもあります。最悪に嫌われたのなら「大顰蹙」ですね。

【例文】

  • 喜ばせたかったサプライズだったが、妻には大顰蹙だった。
  • 気合を込めた一張羅(いっちょうら)も大顰蹙ものだったが、一番はプレゼントしたネックレスのセンスが壊滅的だったことだ。
  • ネックレスは大顰蹙デートの戒めとして、スーツとともに今でも部屋に飾っている。

「大顰蹙」の類語

反感を買う

「顰蹙」以外にも買うものがあります。たとえば「反感」がそうです。「反感」とは相手に逆らう気持ち、反対や反抗の感情のことです。

どうやら、昔の人にとって不快にさせるような言葉や行動は売りものだったようですね。そしてその対価が「顰蹙」や「反感」なのでしょうか。「売り言葉に買い言葉」ということわざもありますが、あまり良い買い物ではなさそうですね。

しかめっ面

「顰蹙」のようにしかめた顔は別名「しかめっ面」と言います。しかめるとは眉のあたりにしわを寄せること。機嫌の悪い人がする顔ですね。表情というほど表面化していない場合、「渋面(じゅうめん)」という方が適切です。

ひそみ

さて、皆さんは「ひそみに倣(なら)う」という有名なことわざをご存じでしょうか。ここに出てくる「ひそみ」も顔をしかめることなんです。「ひそみ」は漢字で書くと「顰」です。「顰蹙」の一文字目と同じですね。

「ひそみに倣う」ということわざは、安易に人まねをするなと戒める言葉で、意味としてのは「顰蹙」とは無関係です。『荘子』に出てくる次のような話が元になったと言われています。

かつて中国に西施という美女がいました。彼女が眉をしかめる姿が美しいと評判だったので、他の娘も真似してみたそう。ところが、美しいとは思われず、「何か苦しいのかと尋ねられてしまった」といいます。


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