「頬張る」とは?意味や使い方をご紹介

皆さんは「頬張る」という食べ方をどう感じますか?世間では「リス食い」とあまり歓迎されていませんが、ついやってしまうという人もいるでしょう。今回は「頬張る」を紹介します。意味や使い方、やめた方が良いとされる理由などを紹介します。

目次

  1. 「頬張る」とは
  2. 「頬張る」と食事のマナー
  3. 小動物の「頬張る」

「頬張る」とは

口にたくさん入れる

「頬張る(ほおばる)」とは食べ物を口いっぱいに入れることを表します。頬が膨れ上がって皮膚が張ってしまうくらいにたくさん食べているという意味です。

ハムスターやリスのような小動物は口に「ほお袋」というふくらみがあり、そこに食べ物を蓄えます。人間が食べ物を一度にたくさん食べている様子はちょうどこの「ほお袋」が膨らんでいる様子に似ているので、「頬張る」様子は「リス食い」とも呼ばれます。

【例文】

  • そんなにたくさん頬張らないの。行儀悪い。
  • クッキーをほおばりながら、珍しそうにあちこち見まわしている。
  • 手当たり次第に頬張るところを見るとよほどお腹が空いていたと見える。

ものを詰め込む

「頬張る」とは口の中に食べ物をいっぱいに詰め込むことです。その様子から、押し入れや物置などに物を押し込むという意味でも使われています。

がむしゃらにぎゅうぎゅうと押し込む、無理やり詰め込むことです。入れる物を食べ物に、保管場所を口に見立てているわけですね。

現代ではほとんど使われることのない使い方です。見かけるとすれば、おそらく古典文学の中で、くらいでしょう。

わいろをむさぼる

「頬張る」はまた、わいろをむさぼるという意味でも使われることがあります。食べ物を口に詰め込むように、お金を自分のふところに詰め込んでいるのですね。それとも「山吹色のお菓子」を食べているのでしょうか。

この意味で「頬張る」を使うこともほぼありません。あくまでもこういう意味もあるんだな、と頭の片隅に残しておくくらいで十分でしょう。

「頬張る」と食事のマナー

一口ずつ口に運ぶのがマナー

「頬張る」ような食べ方は食事のマナーとしてはあまり歓迎されません。食べ物は少しずつ、十分余裕をもって口に入る程度に分けて食べるべきとされています。

口の中にたくさん食べ物を詰め込むと、向かい合った人からは口の中が見えてしまいます。親しい人であっても、咀嚼(そしゃく)中のものがのぞいて見えるのは不快ですよね。和食であれ洋食であれ、食べる時は一口ずつ食べるのがマナーです。

健康にも良くない

また、口に詰め込むような食べ方は健康にも良くないようです。口の中がいっぱいだと、よく噛むことができません。大きな塊のまま食道や胃に流れていくことになります。つまり、それだけ負担がかかるということです。

また、噛めば噛むほど口に中では唾液が出てきます。唾液には糖質を消化する物質が含まれているので、本来口でされるはずの消化が行われません。この点でも、負担がかかります。

ダイエットの観点から見ても、よろしくありません。人間はたくさん噛むことで満腹感を得られるので、噛む回数が足りないともっと食べたいと感じてしまうそう。過剰に食べることで、肥満につながるというわけです。

韓国では

上記のように日本ではマナーが悪いとされていますが、韓国では事情が異なるようです。韓国ではむしろ「頬張る」ことが歓迎され、口にたくさん含むのが良しとされています。

地域が変われば文化も変わるということですね。西洋ではスープは音を立てずに飲むのが良いとされている一方、日本ではみそ汁やそばは音を立てて飲んでも構わない、人によっては音を立てる方が良い、とされていることに似ていますね。

小動物の「頬張る」

人間とは違い、リスやハムスターの「頬張る」は事情が異なります。体の小さな動物は熱生産の効率が良くないので、短い時間で食べ物を食べる必要があります。

しかし、野生ではいつでも食べ物が手に入るわけではありません。そこで、食べ物をため込む方法として「ほお袋」を発達させたとされています。決して人間に「かわいい」と思ってもらうためではないのです。


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