「チーママ」とは?意味や使い方をご紹介

タレントのタモリさんの定着しなかったあだ名に「チーママ」があるそうです。みなさんはこの「チーママ」あるいは「ちいママ」という言葉をご存知でしょうか?若い方には馴染みのない言葉かもしれませんね。今回は「チーママ」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「チーママ」とは
  2. 「チーママ」の仕事
  3. 「マム」とは
  4. 「若女将」とは

「チーママ」とは

昭和感漂う言葉に、スナックやクラブがあります。スナック菓子やDJが流す音楽に合わせて踊ったりする場所ではありませんよ。どちらもホステス(女性の接待係)が居る、お酒を出す店のことです。

スナックやクラブの女主人(オーナーや店長)のことを「ママ」と呼びます。今回ご紹介する「チーママ」は、スナックやクラブなどにおいて、ママに次ぐ、No.2の女性の役職。「ちいママ」と表記されることもあります。

「チーママ」の使い方

「チーママ」は、「あの店のチーママはすごく美人だ」「彼女がチーママになってから店の雰囲気が良くなったね」というように用いられます。「チーママ」は役職名ですから、使い方は社長、リーダーなどと変わりません。

「チーママ」の由来

「チーママ」は、「チー」+「ママ」という二つの言葉から成り立っています。「チー」は小さいという意味。つまり、「チーママ」は「小さいママ」の略です。

他方、「ママ」は英語の「マム」から来ています。このマムは母親を表すマムだという人もいます。しかし、「ママ」=店長であることから、女主人を指すマムが語源だという説の方が有力なようです。この二つの「マム」については後で詳しく説明します。

「チーママ」の仕事

「チーママ」の職場

上で説明したとおり、チーママの職場はスナックやクラブです。共に女性が接待する酒場ですが、両者に明確な区別はありません。多くの場合、スナックは小規模なお店で一人でも入れるような店を指します。

また、クラブはスナックよりも規模が大きく、どちらかといえば複数人で訪れるような店。商談や接待などにも使われる、高級な場所を指すことが多いようです。

「チーママ」の仕事

チーママはママに継ぐNo.2ですから、ママとスタッフの間に立つ中間管理職です。チーママは、ママを補佐やスタッフを監督・指導をするだけでなく、現役ホステスとして接客もします。方々に気を使わなければならない大変なポジションといえるでしょう。

「チーママ」からのキャリアアップ

ホステス→チーママ→ママというキャリアアップは、いつか自分の店を持ちたいと考えている女性にとっての選択肢の一つ。チーママはママになるための修行期間でもあります。店を切り盛りを覚えたり、人脈を作るなど、実務以外にもやるべきことがたくさんあります。

「オーママ」もいる?

小さいママがいるなら大きいママもいるでしょうか?「オーママ」という言葉はあるようですが、「大きいママ」の略ではなく、「オーナーママ」の略。雇われママ(雇われ店長)ではないという意味で呼び分けてことがあるようです。

「マム」とは

ここでは、「チーママ」の「ママ」の語源と考えられる、二つの「マム」について紹介します。カタカナで書くと同じ「マム」ですが、英語ではそれぞれスペルと発音が異なります。

  • mom:アメリカ英語で母親の意。motherの略。発音は[mˈɑm]または[mˈɔm]。
  • mum:イギリス英語で母親の意。motherの略。発音は[mˈʌm]。
  • ma'am:女主人の意。madamの略。発音は[mˈæm] 。

それでは、mom/mumとma'amに分けて説明しましょう。

「mom/mum」

motherは英語で母親と言う意味ですが、カジュアルな場面では、momやmumがよく用いられます。

日本では小さいの頃は「私のママ」と言っていても、ある程度大きくなると「私の母」と言うようになりますね。これは、日本語として用いられる「ママ」が幼児語と捉えられる傾向があるからです。

しかし、英語のmom/mumは大人も使います。motherの幼児語に相当するのは、mommy/mummy。こちらは小さい子だけが使う言葉ですから、大人になってからは使いません。

「ma'am」

海外の映画やドラマで、男主人や男性の上官に"Yes, sir."と返事をしているシーンがありますね。このシーンの主人や上官が女性であれば、"Yes, ma'am."が使われます。

「ma'am」は、次のように、目下のものが目上の女性に呼びかける言葉です。子供が母親を呼ぶときに使うこともあるようですが、mom/mumよりも封建的なニュアンスなのかもしれません。

  • 召使→女主人:奥様・お嬢様
  • 店員→女性客:お客様
  • 生徒→女性教師:先生
  • 部下→上司:奥様・上官殿など

もっとも、最近では、社員同士がフランクに接するところも増えたので、上司に対してはsirやma'amをつけないところもあるようです。

また、現在の英語圏ではma'amを使われると「私はそんなに年寄りじゃないわよ」と嫌がる女性もいるようです。英語圏の方とコミュニケーションする際には注意しましょう。

大文字と小文字

ところで、Momのように先頭を大文字で書く場合と、momと小文字で書く場合に違いはあるでしょうか?

大文字で書くのは固有名詞として用いる場合です。たとえば、"Thank you, Mom."という文章。もし母親の名前がRolaであれば、Mom=Rolaですね。この場合は固有名詞ですから大文字で書きます。

他方、小文字で書くのは一般名詞としての母親を指す場合。つまり、"Many moms attended the meeting."のように複数形で使う。あるいは、"Say hello to your mom."のようにmomだけでは個人を特定できないときです。Mumでも用法は同じ。

なお、ma'amはこのような大文字と小文字の使い分けはされず、小文字で書かれることが多いようです。

「若女将」とは

スナックやクラブの「ママ」を女主人と解釈するならば、「ママ」に近い日本語は「女将」、「チーママ」に近い日本語は「若女将」でしょう。

「女将」とは

女将」と書いて、<じょしょう・おかみ>と読みます。文字通り、 一軍を率いる女性の大将という意味もあります。しかし、現代においては、多くの場合、旅館や料亭の女主人を指します。

「若女将」とは

若女将(わかおかみ)」は、同じ店において「女将」よりも年若い女将・女将見習い中の女性を指します。「若女将」はその店の後継者であることが多いようですです。「若女将」は「女将」に次ぐNo.2ですから、組織におけるポジションは「チーママ」に似ていると考えられます。

「大女将」とは

「女将」「若女将」のほかに「大女将(おおおかみ)」という言葉もあります。No.2の「若女将」に対して、その旅館や料亭のトップを「大女将」と呼び分けることもありますが、先代の女将という意味で使われることもある言葉です。


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