「領袖」とは?意味や使い方をご紹介

小説や新聞を読んでいると、見慣れない言葉に出会うことがありますよね。皆さんは「領袖」という言葉をご存じでしょうか?日常使う言葉ではありませんが、政治の世界では目にすることも。「領袖」の意味と使い方、類語などを紹介します。

目次

  1. 「領袖」とは?
  2. 「領袖」の使い方
  3. 「領袖」の由来
  4. 「領袖」の類語

「領袖」とは?

「領袖」は「りょうしゅう」と読みます。古い本では「りやうしう」や「りょうしゅ」と振り仮名が書かれていることもあります。「りょうゆう」や「りょうそで」とは読みませんので注意しましょう。

リーダー

「領袖」は現代ではリーダーや指導者という意味で使われています。組織や集団において、指導的な役割を果たしている人や中心的な人物、一番偉い人のことです。あるいは、そういった立場や役職、ポストを指します。

必ずしも一人だけとは限らず、同時に複数の人が「領袖」と呼ばれることもあります。この点では「幹部」や「役員」のようなものですね。また、正式なトップのこととも限りません。実質的に権力を握っている人を指すこともあります。

襟と袖

今では「リーダー・指導者」を表しますが、「領袖」とは本来、襟(えり)と袖(そで)の両方を意味する言葉です。

「領」という字は、「領土」や「占領」など支配するという意味の言葉に多く見られます。一方で、うなじや首筋という意味もあります。「令」の字はうなずいて命令を聞く様子を表し、「頁」は人の頭の象形です。

「袖」は現代でも「そで」と読むので意味は大丈夫でしょう。「由」は穴があいている様子を表します。衣へんはもちろん服のこと。腕を通すために服にあけた穴ということですね。

「領袖」の使い方

「領袖」には二つの意味がありますが、現在ではリーダーや指導者という意味の方でのみ使われます。襟と袖という意味で使われることはまずありません。

日常会話の中ではあまり使われることはなく、基本的には政治の世界においてのみ使われます。政治以外の分野では、日本や中国を舞台とした歴史小説で使われる言葉です。政治的な意味合いの強い、古風な言葉と言えます。

例文

  • 正式な役職を引退したとはいえ、未だに彼を派閥の領袖とみなす人は多い。
  • 女性ながら交渉に長けていて、彼女を次の領袖にと考えている者も多い。
  • 領袖株と呼べる一握りのメンバーにしか謁見は許されていない。

「領袖」の由来

襟と袖のことを指す言葉であった「領袖」という言葉が、どうしてリーダーという意味になったのでしょうか。

由来は中国の古い歴史書『晋書(しんじょ)』に書かれています。襟と袖は人が着ている衣服の中でも特に目立つ場所です。そのため、集団の中でも特に目立つ人物のことを「領袖」と呼ぶようになったとのこと。

現代でも、襟や袖は汚れやしわが目立ちやすいと言われています。ワイシャツを着るビジネスマンの中には気を遣っている方も多いでしょう。襟と袖が人目をひくのは、昔も今も変わらないようですね。

「領袖」の類語

ドン

組織を支配している、意のままに操っている人のことを「ドン」と呼びます。派閥やマフィアを束ねているような大物ですね。

元となったのはスペイン語の「don」という貴族の姓と名の間に入る単語です。フランス語の「de」やドイツ語の「von」に当たります。

貴族や王族を表す言葉で、男性の敬称としても使われます。「ドン・ファン」や「ドン・キホーテ」に使われているのがそうですね。

ボス

組織で一番偉い人のことは「ボス」とも呼びます。元となった英語の「boss」はいわゆる上司や上役のことで、社長や大統領のようなトップでなくとも使えます。

日本では悪役組織の支配者に対する呼びかけという認識が強く、あまり良い印象を与えません。同じように悪役によく使われる言葉には「親玉」「顔役」「頭目」「お頭」などがあります。


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