「自戒」とは?意味や使い方をご紹介

「自戒」とは、読んで字のごとく、自らの言動を自分で戒(いまし)めることです。固い表現ですが、おそらく誰もが、日々、自分のふるまいはどうだったか?と考えながら生きているのではないでしょうか。今回は、「自戒」の意味と使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「自戒」とは?
  2. 「自戒」の使い方
  3. 「自戒」の類語

「自戒」とは?

「自戒」(じかい)とは、自分で自分の言動を戒(いまし)め、つつしむ、という意味の言葉です。「戒」という漢字がものものしく固いイメージであるため、難しい言葉と感じやすいかもしれません。

しかし、人は生活のうえで、自分の言動をふりかえることが多々あり、「自戒」の意味は実はとても身近なものではないでしょうか。

「自戒」の漢字

「自戒」をより理解するために、漢字のもつ意味を検証しましょう。「自」は、ここでは「自ら(みずから)」という意味で用いられています。自分自身で、自分から、ということです。

「戒」は、「戒める(いましめる)」。その意味は、あやまちがないように注意する、ということです。

ゆえに、「自戒」は、自分にあやまちがないように、自分で自分のことを注意する、という意味をもつのです。

「自戒」の使い方

「自戒をこめて」

「自戒」には、「自戒(の念)をこめて」という、定型的な言い回しがあります。自らの経験などを通じて得た教訓などを表明するさいに、自分自身も、その教訓を今後も守れるように注意します、という表明として用います。

もしくは、他者の言葉や行い、もしくは広く世間のありようなどに警告や非難を発信するさいにも、「自戒をこめて」と用いられる場合があります。どちらのケースも、文章、もしくは会話の冒頭か終わりに用いることが一般的です。

謙遜する言葉

「自戒をこめて」は、「自分はこのように教訓を語ったり、他人や世間への非難を表明しているが、その自分も同じようなことをやるかもしれない、だから自分自身にも注意をいたします」と、謙遜する言葉であると言えます。

上から目線などの威圧感を和らげる働きがあるからこそ多用される「自戒をこめて」ですが、言いたい放題のあとに取ってつけたような用い方をすれば、反感を買うこともありそうです。真の心をこめて用いたいものです。

「自戒をこめて」の用例

(A男)

自戒の念をこめて君にも言うのだけれど、酒とタバコの量が過ぎるのは、あまりに健康を損なうよ。できればやめるか、少しでも減らすべきだよ。

(B子)

あなたの上司へのタメ口は、親しさの表明かもしれないけれど、後輩たちへの影響も考えてほしいの。自戒をこめてのアドバイスだけどね。

「自戒」の用例

  • 自分自身に甘くなってしまう私は、自戒として、いくつかの生活ルールを壁に貼っている。
  • 彼に教師としての自戒の気持ちがあれば、ギャンブルなどに浸らなかったはずだ。
  • 社長という立場は、よほど自戒の念をもつか、他者の言葉に耳をかす態度をもつかしないと、裸の王様のようになりかねない。

「自戒」の類語

「自制」

「自制」とは、自分の思い通りの言動・行動をするのではなく、自分の感情や欲望をコントロールすることです。その言行が自身にも他にもよいことはない、と判断して自分を抑えるわけですから、その意味で「自戒」と重なっています。

【文例】

  • 鈴木君は、水泳の大きな大会をひかえ、日々の生活ぶりや食事にいたるまで、細かく自制しながらトレーニングを続けている。
  • 後輩の生意気な態度があまりにひどく、思わず怒鳴りつけそうになる自分を自制した。

「自重」

「自重」(じちょう)には、大きくわけて三つの意味があります。

  1. 自分を慎み、気を配り、軽々しい行動をしないこと
  2. 自分の品位を保つこと。
  3. 自分の体を大切にすること。

「自戒」の類語としては、1の意味が相当します。「自戒」は、さまざまな事柄において、自分を戒め慎むことですが、「自重」には、軽はずみなことをしない、という点が重視されています。

【文例】
  • 山田君は、生徒会長になったのだから、これまでのように他校生と喧嘩するようなことは自重してくれよ。
  • 由美子さんは妊娠しているため、ヒールの高い靴でのお洒落や、パーティーなどのお酒は自重している。


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