「眇める」とは?意味や使い方をご紹介

「眇める」は「すがめる」と読みます。「ためつすがめつ」という慣用句に使われている「眇める」です。この慣用句はなんとなく使っていても、どういう成り立ちなのかは説明しづらいかもしれません。そんな「眇める」の意味や使い方をご説明いたします。

目次

  1. 「眇める」の意味
  2. 慣用句「矯めつ眇めつ」
  3. 「眇める」=目を細める?
  4. 「眇める」と「眇(すがめ)」の違い

「眇める」の意味

「眇める」は「すがめる」と読み、片目を細める、片目を細めて物を見る、という意味があります。
【例】

  • 日差しが強いので、目を眇めながら日傘を探した。
特に、弓を射たり鉄砲を撃ったりするときに、片目をつぶって対象物を注視する様を表すのによく使われる言葉です。
  • 鉄砲で確実に弾を当てるには、目を眇めて余計なものを見ないようにすることが大事です。
  • 矢をつがえ、目を眇めて的を見据える。

慣用句「矯めつ眇めつ」

「眇める」という言葉は単独で使う機会があまりない言葉です。耳にしたことがないという人も多いでしょう。そういった方も、「矯めつ眇めつ(ためつすがめつ)」という語には聞き覚えがあるのではないでしょうか。

「ためつすがめつ」は、「矯める」と「眇める」の文語形の動詞が、並列を表す「~つ~つ」の形で繋げられています。

「矯(た)む」とは、「眼を据えて見る、じっと見る」、という意味を持つ言葉です。「眇(すが)む」とは、前述のとおり、「片方の目で見る、片目を細めて見る」様子を表します。また、「~つ~つ」とは、「…たり、…たりする」という意味です。

これらを合わせて、「ためつすがめつ」とは、何かをあちこちから念入りにみる様子、を表す言葉になります。
【例】
 

  • 贋作だというモナ・リザの絵をためつすがめつ眺めてみたが、どこが違うのか分からない。
  • 探偵は、その唯一の遺留品をためつすがめつしては、何か呟いていた。

「眇める」=目を細める?

「眇める」は本来は「片目を細くする」ことを意味しますが、「目を細くする」の意と勘違いしている例が散見されます。

 
  • 目を眇める。
  • 片目を眇めて見る。
  • 両目を眇めてじっと見たら、見つかった。
上の3つの例文のうち、厳密に正しいと言えるのは、最初のものだけです。2つめについては、「片目」を「眇める」のは意味の重複になります。3つ目の、「両目を眇める」は「眇める」の語義と矛盾します。

しかし、インターネット上で「眇める」の画像を検索すると、両目を細めた画像に「眇める」とキャプションがついている例も見つかります。他の多くの言葉と同様、「眇める」の意味も変化しつつあるのでしょうね。

「眇める」と「眇(すがめ)」の違い

「眇める」の派生名詞である「眇(すがめ)」という言葉があります。「眇める」と同じ意味もありますが、「横目遣い」など全く違う意味で使われることが多く、知らずにいると誤解してしまうかもしれません。

【眇(すがめ)の意味】

  1. 片方の目が細いこと、片目が悪いこと
  2. 斜視
  3. 瞳を片方へ寄せて見ること、流し目、横目
【例】
  • 不動明王像の目は、右目は見開き、左目はになっており、これは天地眼と呼ばれる。
  • 道端で人が倒れているのに、に見るだけで通り過ぎる人の多いことに驚いた。


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