「あまつさえ」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

みなさんは「あまつさえ」という言葉をご存知でしょうか?あまり馴染みのない言葉ですが、表現の幅を広げるためには、このような難しい言い回しを覚えることは有効的です。こちらでは「あまつさえ」の意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「あまつさえ」:意味
  2. 「あまつさえ」:使い方
  3. 「あまつさえ」:語源
  4. 「あまつさえ」:類語

「あまつさえ」:意味

「あまつさえ」は主に二つの意味に分けられます。

  1. 好ましくない状態が重なるさま。そればかりか。そのうえに。おまけに。
  2. 事もあろうに。あろうことか。

これらの意味について、順に解説していきます。

1.好ましくない状態が重なるさま

「あまつさえ」には「そればかりか」「そのうえに」「おまけに」という意味があります。何らかの物事や状況が、それだけで終わらず、さらに重なるという意です。

「あまつさえ」を使う時に注意したいのが、良い事が重なって起きる場合には使えないという事です。

「あまつさえ」は、好ましくないことが立て続けて起きることを表す言葉であり、起きて欲しくないことや、続いて欲しくない事が、意に反して続いてしまうことを意味しています。

2.事もあろうに

「あまつさえ」のもう一つの意味は「事もあろうに」「あろうことか」です。こんなことがあってよいものか、いやとんでもないことだというような非難的なニュアンスで使われます。

「よりによって」と同じように、「他にもいろいろあっただろうになぜ」というような、起きてしまった最悪の事態について悔しがる場合に用いられます。

「あまつさえ」:使い方

1.好ましくない状態が重なるさま

  • 朝起きて本棚の角に小指をぶつけ、あまつさえ、会社に行く途中で階段から落ちて骨折した。
  • 自動車のバッテリーが上がってしまい、あまつさえ、天気まで悪くなってきた。

「あまつさえ」は、このように悪い事が連続して起きることを表すために用います。起きて欲しくないことが起き、さらに嫌なことが起きてしまうというような、度重なる不運を嘆く表現です。

2.事もあろうに

  • このような事態を引き起こしておいて、あまつさえ、無断欠勤するなんてありえない。
  • 彼女のことを傷つけておいて、あまつさえ、暴力まで振るうなんて許せない。

こちらの「あまつさえ」の用法は、第三者が好ましくない行為を行い、さらに悪いことを重ねて行うことを非難しています。

誤った表現

  • 商店街の福引きが当たり、あまつさえ、年末の宝くじも当たるなんて幸運だ。
  • 取引先との契約が決まり、あまつさえ、重要な社内コンペを勝ち取った。

この例のように、良いことが続くことに対して用いるのは、間違った用法です。この場合、「さらに」などの言葉を使いましょう。

「あまつさえ」:語源

 「あまつさえ」という言葉の由来は、昔使われていた「あまりさえ」という言葉で、現在では一般に使われなくなっています。

あまりさえ

「あまりさえ」とは、「あまり(余り)」と「さへ」から構成された語です。「あまっさへ」「あまさえ」と変化しましたが、「あまつさえ」という形で定着しました。

「あまつさえ」は、漢字では「剰え」と表記されます。「剰」という漢字は、「余る」と同じく「残りがある」「多すぎる」などの意味を持ちます。「過剰」「余剰」などにも使われる漢字ですね。

この「余分に付け加えられる」という意から、「余計なことがまた起きた」「必要のないことが生じた」という意味につながります。

「あまつさえ」:類語

追い打ちをかける

「追い打ちをかける」とは、弱っている者、負けている者を、さらに攻撃し、打ち負かすという意味に加え、困っているところに、さらなる困難を与える時に使います。好ましくないことが立て続けに起きることです。

のみならず

「のみならず」は、<AのみならずB>というように文章をつなげる働きをします。「…ばかりではなく」「…だけでなく」という意味で使われます。

<AのみならずB>のAとBが両方とも悪いことであれば、「あまつさえ」と同じように使用できます。

泣きっ面に蜂

不幸や災難が重なることを意味することわざに「泣きっ面に蜂」というものがあります。泣いて顔がむくんでしまっているところを、さらに蜂が刺すという様子を表し、困っているときに悪いことが重なるという状況を意味します。


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