「身をもって」とは?意味や使い方をご紹介

「身をもって」という言葉の意味をご存知でしょうか?漢字で表記すると「身を以って」となります。しばしば、「身を持って」と誤記されますが、これでは意味が通りません。こちらでは、「身をもって」という言葉の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「身をもって」:意味
  2. 「身をもって」:「もって」の意味
  3. 「身をもって」:他の意味
  4. 「身をもって」:例文

「身をもって」:意味

「身をもって」とは「自分の体で」「自分自身の経験として」という意味です。他人からの伝聞や、書物から得た知識については使われず、自身で体験した場合のみに使われることに注意しましょう。

知識だけはあったこと、頭ではわかっていたが未経験であったことなどを、実際に体験したときに使うこともあります。
 

  • 身をもって体験したことは、必ずあなたの糧になります。
  • 増水した川の恐ろしさを、身をもって知りました。

「身をもって」:「もって」の意味

「身をもって」の「身」は「我が身」のことです。「もって」は漢字で「以て・以って」と書きます。この「以て」は「持つ・持って」が元となってできた言葉です。

「持つ」は物質的に何かを所持している、所有しているという意味を持ちますが、その具体的な意味が薄れ、助詞のような働きをする語として使われることもあります。

その場合、<手段・方法・材料>などを表す言葉として、「〜で」「〜でもって」「〜によって」と同じ意味を持つ言葉として使われることが多いです。また、<原因・理由>などを表す言葉として、「〜の理由で」「〜により」という意味を持つこともあります。

「身を以て」という場合は、「自分の体で」「自らの体験によって」という意味なので、「〜で」「〜でもって」「〜によって」という意味での用法ですね。

「以て」の用例:「以ての外」

「以ての外(もってのほか)」とは「非常に不届きであること」「けしからぬこと」です。道理や礼儀に外れていてよくないことを表し、「言語道断」と同じような意味を持ちます。「予想を超えるレベルではなはだしい」という意味で使われることもあります。
 

  • 世話になった人を裏切り、さらにその悪口を言いふらすなどもってのほかだ。
  • その噂を聞いて、彼はもってのほかに怒りだした。

「身をもって」:他の意味

「身をもって」には「自分自身で」「自ら」の意味の他に、「体一つで」「かろうじて」という意味があります。

「やっとの事で」「どうにかこうにか」と同義の言葉です。「身をもって難を逃れる。」「身をもって、その窮地から逃れることができた。」のように使われます。

最初に紹介した「自分自身で」という意味で使われるケースが圧倒的に多いのですが、どちらの意味で使われているのかは、話の内容によって判断するようにしましょう。

「身をもって」:例文

  • 「育児の大変さを、身をもって知った。」

友達が子供を産んで育児に奮闘している様子を見ていて、可愛いけど大変そうだなと感じた人がいるとします。その後、実際に自分も子供を産み、育児の日々を送ることによって、改めてその大変さを思い知ることになりました。そういうストーリーが見えますね。
 
  • 「母親のありがたみを、身をもって知った。」
同じように、自分も子供を持ち、実際に母親と同じことを体験することで、そのありがたみを感じるということを表します。自分が親になり、両親への感謝の気持ちが深まったというのは、よく聞かれる話ですね。
 
  • 「相手校の強さは身をもって知っているので、入念な対策が必要だ。」
実際に試合を見ただけ、調べただけではなく、自分が実際に戦ったことのあることを表しています。相手の強さは、数値としてあらわれるデータではなく、肌感覚で分かっているのでしょう。
 
  • 「身をもって、大学受験の辛さを味わった。」
受験勉強は志望校の難易度が上がれば上がるほど、高い学力が求められます。毎日の勉強漬けの日々はもちろん、プレッシャーに苦しまされることもあります。そんな苦労を通じて、大学受験の辛さを実感した様子を表します。
 
  • 「地震の際の動きを常に考えていたので、身をもって地震津波から逃れることができました」
​​​​​​​​​​​​​​防災意識の強い人が、常に災害時の動きをシミュレーションしていたのでしょう。地震が起きた際に即座に津波についての対策まで考えた避難を行うことができた、ということが読み取れます。

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