あずかり知らぬの意味とは?誤表記「預かり」と使い方・例文を解説

「あずかり知らぬ」とは、「その事柄に関わっておらず、事情も知らない」という意味です。「預かり知らぬ」と書きたくなりますが、ここでの「あずかる」は保管することではなく関与することを表すため、ひらがな、または「与り知らぬ」と表記します。

あずかり知らぬとは?あずかり知らぬの意味

その事柄に関与していないため、事情や内容を知らないこと

あずかり知らぬの説明

「あずかり知らぬ」は「あずかりしらぬ」と読み、自分がある事柄に関与しておらず、その事情も知らないことを表します。単に知識がないというより、「自分はその件に関わっていない」という意味を伴うのが特徴です。「私のあずかり知らぬこと」「本人のあずかり知らぬところで」のように使います。やや硬い書き言葉であり、相手や文脈によっては責任を突き放す印象を与えるため、ビジネスでは「私はその件に関与しておらず、詳細を把握しておりません」などと言い換えると穏当です。

「知らない」だけでなく「関与していない」ことまで表す、やや硬い言い回しです。

あずかり知らぬの由来・語源

「あずかり知らぬ」は、「関係する・関与する」という意味の「与る(あずかる)」と「知る」を組み合わせた「与り知る」の否定形です。物や金銭を保管する「預かる」とは意味が異なるため、「預かり知らぬ」とは書きません。一般には読みやすい「あずかり知らぬ」、漢字を使う場合は「与り知らぬ」と表記します。

「預かる」と「与る」の意味の違いを押さえると、表記を迷いにくくなります。

あずかり知らぬの豆知識

「あずかる」には、物などを引き受けて保管する「預かる」と、物事に関係する「与る」があります。「あずかり知らぬ」のほか、「国政にあずかる」「恩恵にあずかる」も後者の用法です。「与」は常用漢字表に「あずかる」という読みがないため、新聞などではひらがな表記が用いられます。

あずかり知らぬのエピソード・逸話

この表現は、当人が関与しないところで物事が進む状況を簡潔に描けます。たとえば「本人のあずかり知らぬところで計画が変更された」と書けば、本人が変更に参加していないだけでなく、変更そのものを知らされていなかったことまで伝わります。

あずかり知らぬの言葉の成り立ち

語の成り立ちは、「与る」の連用形「あずかり」に「知る」の否定形「知らぬ」が続く形です。「ぬ」は文語の否定の助動詞で、現代語の「ない」に相当します。「あずかり知らない」とする形もありますが、「あずかり知らぬ」は文語的な形を保っているため、文章では簡潔で硬い響きになります。

あずかり知らぬの例文

  • 1 その契約変更は、私のあずかり知らぬところで決められていました。
  • 2 本人のあずかり知らぬ間に、うわさだけが広まってしまった。
  • 3 不正な処理について、担当者は「あずかり知らぬことです」と関与を否定した。
  • 4 計画の中止は現場のあずかり知らぬところで決まり、後から通知された。
  • 5 彼の私生活については、私のあずかり知らぬことなのでお答えできません。

「あずかり知らぬ」の使い方と注意点

多くは「私のあずかり知らぬこと」「本人のあずかり知らぬところで」「あずかり知らぬ間に」の形で使います。会話より文章になじむ硬い表現で、関与や責任を明確に否定する場面に向いています。

  • 事実として関与していない場合に使う
  • 「知らない」だけでなく「無関係だ」という含みがある
  • 相手を突き放す印象にならないよう、対人場面では理由や補足を添える
  • ビジネスメールでは「関与しておらず、詳細を把握しておりません」と言い換えると柔らかい

表記の違い|「預かり知らぬ」は誤り

表記適否理由
あずかり知らぬ 一般的 読みやすく、意味の取り違えも避けやすい
与り知らぬ 意味に合う 「与る」は関係する・関与するという意味
預かり知らぬ 不適切 「預かる」は物などを保管・管理するという別の語

パソコンやスマートフォンの変換で「預かり」が候補に出ても、この慣用表現では使いません。迷ったときは、ひらがなの「あずかり知らぬ」と書くのが無難です。

類語との違いと使い分け

表現中心となる意味使い分け
あずかり知らぬ 関与しておらず事情も知らない 硬い文章や、関与を明確に否定する場面
関知しない 自分には関係がない、関わらない 関与する意思がないことを示す場合もある
知る由もない 知る方法や手がかりがない 関与の有無より、知り得なさを強調する
存じません 知りません 相手に配慮した丁寧な受け答え
関与していません その件に関わっていない 現代的で意味が直接伝わる

「あずかり知らぬ」は、知識がないことと関与がないことを同時に表せる点が特徴です。ただし、関係者として説明が求められる場面で使うと責任逃れに聞こえることがあります。状況に応じて、把握している範囲や確認方法も添えると誤解を避けられます。

よくある質問(FAQ)

「あずかり知らぬ」の読み方と意味は?

「あずかりしらぬ」と読みます。「その事柄に関与していないため、事情や内容を知らない」という意味です。単に知らないだけでなく、関わりがないというニュアンスを含みます。

「預かり知らぬ」と「与り知らぬ」のどちらが正しいですか?

漢字では「与り知らぬ」が意味に合う表記です。「預かる」は物などを保管する意味なので、「預かり知らぬ」は適切ではありません。ただし、「与る」の「あずかる」は常用漢字表にない読み方のため、一般には「あずかり知らぬ」とひらがなで書くと読みやすいでしょう。

「あずかり知らぬ」と「知らない」の違いは?

「知らない」は知識や情報がないことを広く表します。一方、「あずかり知らぬ」は、その件に関与していないので事情を知らないという意味です。無関係であることまで示すため、文脈によっては強い否定に聞こえます。

「あずかり知らぬ」の類語や言い換えは?

「関知しない」「関与していない」「知る由もない」「無関係である」などが挙げられます。ただし、「関知しない」は関わる意思がないという意味でも使われ、「知る由もない」は知る手段がないことに重点があります。

「あずかり知らぬ」は英語でどう表現しますか?

文脈に応じて、関与していないなら “I have nothing to do with it.”、事情を知らないなら “I know nothing about it.” などと表せます。日本語の意味を一語で固定せず、関与と知識のどちらを強調するかで訳し分けます。