「幻想的」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「幻想的」とは、現実から遊離した、夢や幻のようなさまを意味する言葉です。アニメやPCゲーム、光のアートなどが人気の現代では、昔よりはるかにイメージがつかみやすいかもしれません。今回は「幻想的」の意味や使い方を、例文も含めてご紹介します。

目次

  1. 「幻想的」とは?
  2. 「幻想」の意味
  3. 「幻想」と「幻想的」
  4. 「幻想的」の類語

「幻想的」とは?

「幻想的」とは、現実世界から離れた、夢や幻のようなさまを意味します。転じて、空想の世界を思わせるさま、という意味ももつ言葉です。

「幻想」の意味

「幻想的」をもう少し深く理解するために、その元となっている「幻想」を解説します。

「幻想」とは、現実ではない事物を、存在するかのごとくに思い描くこと、また、そのさまを意味します。「幻」とあるように、実態がない、手でふれることのできない世界です。

「幻想」は名詞ですが、「~する」をともない、「~を幻想する」として動詞としても用いられます。

使い方

名詞としての使い方と、動詞としての使い方の双方を挙げてみます。

  • 幼いころは、童話を読んでもらうと、自分がやがてその主人公になる幻想を抱いたものだ。
  • 小説を書き始める人は、たいてい、自分は流行作家になれる、という幻想を秘めている。
  • この世界からいじめや暴力が完全になくなるというのは、幻想にすぎない。
  • 政治家にさえなれば権力をもてると幻想する人は、最も政治家にふさわしくない。

「幻想」と「幻想的」

「幻想」は、ファンタジックな夢想を意味しますが、上記で示したように、現実的な想念も含む場合があります。また、「~は幻想にすぎない」など、現実を無視した想念を指す場合では、ネガティブなニュアンスを含むこともあります。

一方の「幻想的」は、ネガティブなニュアンスはほぼなく、表す内容は「現実から遊離した、夢幻的な様子」がほとんどです。

ここでしっかりと把握すべきポイントは、「的」がついているということは、すなわち、「幻想的」という言葉の対象は実は「非現実」や「夢幻」ではなく、そのような性質を帯びた現実である、という事実です。

「幻想的」の使い方

下記にさまざまな用例を挙げますが、いずれも「夢や幻のような現実」のことを「幻想的」と言い表していることにご着目ください。

(A男)

アラスカに、念願だったオーロラを観に行けたんだ。夜空いっぱいに光の精妙なカーテンが揺れているようで、じつに幻想的な光景だったよ。

(B子)

ディズニーの新作映画はお薦めよ。色彩も動きもストーリーも、最先端のアニメーションだからこそ描ける幻想的な映画だったわ。

(C子)

クリスマスのイルミネーションが灯る表参道の並木道を歩くと、いくつになっても、幻想的な世界にいる気持ちになれるの。

(D男)

光や音で幻想的な空間を構築するデジタルアートは、観る芸術から体験する芸術へのターニングポイントになるだろうね。

「幻想的」の類語

空想的

空想的:考えが現実から遊離しているさま。頭のなかで、さまざまに想像するさま。

文例:地球環境が悪化するなら、他の惑星に移住すればいい、というのは、今の段階ではまだまだ空想的な考えにすぎない。

妄想的

妄想的:根拠のないことを、主観的な判断によって、現実であるかのように信じるようなさま。(「妄想」の場合は、「現実であると信じる」ため、「幻想」とは異なる部分が大きくなります)

文例:君が、立候補さえすれば都知事になれると考えるのは、おおいに妄想的な理想だね。

超現実的

超現実的:現実にはありえないさま。現実からかけ離れている様子。

文例:山本画伯の描く絵は、木が歩いていたり、動物に羽がはえていたり、どれも超現実的な風景だ。

超自然的

超自然的:自然の法則を越えている、不思議で神秘的なさま。

文例:故郷の山の中腹あたりには、昔から不思議な火が灯るように見える、超自然的な現象があるんだ。

ファンタジック

ファンタジック:超自然的、空想的、幻想的なさま。

文例:ディズニーランドの新しいアトラクションは、光や音や映像の最先端で、おとぎの世界に入り込んだようなファンタジックな体験をさせてくれる。


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