「門外漢」とは?意味や使い方を語源を含めてご紹介

「門外漢(もんがいかん)」とは、その道の専門家ではない人のことを指します。見た目も、響きも、いかにも興味深い由来がありそうな言葉です。意味からいっても、ビジネスシーンなどで頻繁に登場します。今回は、「門外漢」の語原も含め、意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「門外漢」とは?
  2. 「門外漢」の語源
  3. 「門外漢」の使い方
  4. 「門外漢」の類語と使い方
  5. 「門外漢」の対義語と使い方
  6. 「門外漢」まとめ

「門外漢」とは?

「門外漢(もんがいかん)」とは、その道の専門家ではない人、直接関係をもたない人、密接に詳しくかかわることのない人、などを意味します。

その道の専門家、すなわちプロフェッショナルの定義は、難しいといえましょう。その道で収入を得ずとも、専門的な技術や知識をもつ人々はたくさんいます。仕事として収入を得るプロではないその人々を、その分野の門外漢、ということはできません。

上記の理由から、「門外漢」とは「専門的な知識をもたない人」と理解すればわかりやすいのではないでしょうか。

「門外漢」の語源

門とは

「門外漢」とは、すなわち、つまり「門」の「外」の「漢」ということです。まず、「門」の意味から見ていきましょう。

「門外漢」の成り立ち

「門」は、建造物の入り口としての門以外に、家や一族一門を意味する言葉でもあります。後者の意味から、学びや修行の場を指すようにもなりました。「~の門下に入る」などと同様に、「門外漢」の「門」は、この意味で用いられています。

「外」は、「内側ではない」という意味。「漢」は、基本的に「男」を意味します。「漢」を(おとこ)と読ませる例が漫画などで相次いだため、若者を中心に「漢」を男の中の男、というイメージで用いることが広まりました。

たしかに「悪漢」「痴漢」など、男性を表現する用法が多いことは確かですが、実は「漢」は女性も含めた「人間」も意味する漢字です。

以上の意味から、「門外漢」とは、学び場の門をくぐることのない人間のことを指し、上記のような定義につながっています。

「門外漢」の使い方

(A男)

今回の人事異動で、営業部に配属になったんだ。ずっと総務部だったから営業はまったくの門外漢で、不安だなあ。

(B子)

装丁の仕事をしているのだけど、作者がとても細かく注文をつけてくる場合があるの。門外漢の人には分からないことも多いのだから、たいていはプロにまかせてほしいわ。

(C男)

ワイドショーのコメンテーターとやらが、門外漢のはずの話題にもしたり顔でコメントしているのは、いかがなものかなあ。

「門外漢」の類語と使い方

畑違い:専門の領域や分野が異なること。(文例:彼は声優としては一流だが、役者の仕事は、似ているようでもやはり畑違い。初舞台をふんだが、かなりひどい出来だった)

素人:その分野を職業としていない人。その分野の経験が薄い人。(文例:昨日、ノーベル物理学賞の発表があったが、どれほど偉業の解説があっても、実のところ、素人にはさっぱり意味がわからないね)

部外者:その物事の外部にいて、関係のない人。(文例:以前バイトしていたコンビニが倒産寸前だという噂だけれど、もう部外者の自分としてはどうでもいいことだ)

「門外漢」の対義語と使い方

専門家:その道を専門としてきわめ、精通している人のこと。(文例:建築の専門家として忠告させてもらえば、君の自宅の耐震度はかなり危ういよ)

達人:学問・技芸などある道の奥義を極めた人。物事の道理に深く通じた人。(文例:鈴木君は、仕事の能力はそこそこなのだが、ギターの達人としてアマチュアバンドの活動には熱心だ)

玄人(くろうと):技芸などに熟練した達人。ある道をきわめ、それを職業や専門分野としている人。(文例:高校の文化祭の演劇で、凄い演技をしている女の子がいると注目したら、長年子役として活躍している玄人だった)

「門外漢」まとめ

現代は、学びの場である「門」の外にいるから「門外漢」、という意味が通じにくい時代となりました。

たとえば、パソコンやスマホの改良が進んだことで、映像制作の学びを受けない者が、独学でユーチューバーとして生計をたてたり、素人がスマホで撮った写真が報道写真家のものをしのいで新聞に掲載されたりします。

「門外漢」も活躍できるボーダレスの時代も良きものですが、同時に、学びの門をくぐり、基礎やルールを師からしっかり学ぶことも、大切にしたいものです。


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