「報復」とは?意味や使い方をご紹介

軍事行動や経済措置などのニュース記事などで「報復」という言葉を見聞きすることがありますね。「報復」とは、何かしら危害を加えた相手にやり返すことを意味する言葉です。今回は「報復」の意味や使い方や、復讐と仕返しとの使い分けなどついて解説します。

目次

  1. 「報復」とは
  2. 「報復」の複合語
  3. 「報復」と「復讐」「仕返し」

「報復」とは

「報復」の意味

「報復(ほうふく)」には、次のような意味があります。

  1. 仕返しをすること。
  2. 国家関係において、ある国の不当な行為に対して、同様に不当な行為で報いること。
  3. 返事をすること。

現代において、3の意味で用いられることはほとんどなく、1と2の意味で使われます。ここでは、1と2の意味を合わせて解説します。

「報復」の使い方

「報復」は名詞なので、そのまま名詞として使用するか「報復する」のかたちで使われます。また、「報復○○」「△△報復」などの複合語として用いられます。

【使用例】

  • 今にして思えば、この頃の彼らの言動には報復の色が窺えた。
  • 報復することで恨みは晴れるかもしれないが、さらなる報復を受ける可能性もある。
  • 国内世論が高まり、直ちに報復措置をとることとなった。
  • 今回の攻撃は、一連のテロへの軍事的報復の結果だ。
  • 核ミサイル開発に対して各国の経済的報復を行った。

「報復」の複合語

報復関税

「報復関税」とは、指定された物品の課税価格以下で課す、割増関税のことです。報復関税には、原則として、WTO(世界貿易機関:World Trade Organization)の承認が必要とされます。

報復関税が適用されるのは次の場合です。

  • WTO協定に基づいてわが国の利益を守り、その目的を達成するため必要があると認められる場合
  • ある国が、わが国の船舶、航空機、輸出貨物又は通過貨物に対して差別的に不利益な取扱いをしている場合

報復攻撃

「報復攻撃」とは、攻撃されたことに対して、同程度の打撃を相手に与えることです。報復の動機は先の攻撃に対する憎悪。あるいは、国家による報復攻撃の場合は、国内世論への配慮であることもあります。なお、ジュネーブ条約においては、報復攻撃の正当性はないとされています。

報復人事

「適正人事」に対して「報復人事」という言葉があります。「報復人事」はパワーハラスメント(パワハラ)の一種。人事権を持つ人が、労働者が正当な権利を行使したことに対する報復を目的とした人事異動をすることです。

労働者の正当な権利とは、法廷休暇(育児休暇など)の取得や内部告発などです。また、ここで言う人事異動には転勤や出向などの配置転換だけでなく、昇格・降格なども含みます。

報復措置

「報復措置」とは、おもに国家間で、仕返しをすることを言います。他国から受けた不当な干渉に対して、単に抗議したりや非難するだけでなく、具体的な制裁や復讐を行うことです。

報復投球

「報復投球」とは、味方の選手が頭部にデッドボール(死球)を受けたり、侮辱的な行為をされた際に、報復行為として相手チームの選手に対して故意に死球を与えること

おもにメジャーリーグ(MLB)で行われる行為ですが、ルールとして認められているわけではなく、多くの場合は審判員によって退場処分とされます。

「報復」と「復讐」「仕返し」

自分に害を及ぼした相手に害を与え返すという意味において、「報復」と「復讐」「仕返し」が同じ意味です。例えば、辞書で「仕返し」を引いたときに「報復・復讐」と説明されていることからもお分かりでしょう。

これらは、使い分けが決まっているわけではありません。しかし、感覚的あるいは慣習的に、次のような傾向があるようです。

報復 個人間だけでなく、国家間、民族間など大きなユニットに対しても用いる。また、恨みを晴らす場合にも使うが、政策や戦術の上で必要な対応という場合にも使用。
復讐 害の程度より、憎悪の深さに重点を置いた表現。禍根を伴うニュアンス。
仕返し 害の程度が軽い、また、間髪入れずにやり返すニュアンス。


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