「浅慮」とは?意味や使い方をご紹介

「浅慮(せんりょ)」とは文字通り、考えが浅いことや浅はかな考えを指す言葉です。自分以外に使う場合は「浅はか」であることを非難したり呆れたりする気持ち、自分に使う場合は謙遜の気持ちを表しています。今回は「浅慮」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「浅慮」とは
  2. 「浅慮」の使い方
  3. 「浅慮」の類語
  4. 「浅慮」の対義語
  5. 「浅慮」に関することわざ・慣用句
  6. 「浅慮」と「千慮」

「浅慮」とは

「浅慮(せんりょ)」とは、「考えが浅いこと」または「浅はかな考え」を指す言葉です。名詞、または「浅慮だ」という形容動詞として働きます。「浅慮さ」は派生した名詞です。

「浅慮」は、知恵や思慮が乏しいという意味の「浅」と、あれこれ考えることや思い巡らせた考えという意味の「慮」から成り立っています。

「浅慮」の使い方

自分以外の人に対して

「浅慮」という言葉は、自分以外の人に対して使う場合は、考えが浅いことを非難したり呆れたりする気持ちを表します。

【例】

  • 今回の大失態では、さすがの彼も浅慮を後悔しているようだ。
  • 彼女の浅慮な行動にはうんざりしている。
  • あなたの浅慮さにはあきれるばかりだ。

「浅慮な○○」という場合、○○には「考え」「見識」などの言葉は入りません。「浅慮」は「思慮が浅いさま」という意味のほかに、「浅はかな考え」そのものを指すこともあるからです。

へりくだった表現として

一方、「浅慮」は、控えめに自己主張するときや、相手に配慮しながら意見を言うシーンでも使います。この場合は、自分の考えを「私の浅はかな考えで恐縮ですが」と謙遜する表現です。

【例】

  • 私の浅慮によるものですが、A案を支持いたします。
  • 私の浅慮な思いから、先方に事情をお伝えしておりませんでした。
  • 深いお考え、恐れ入りました。自分の浅慮さを恥じるばかりです。

「浅慮」は、このほかにも「私の浅慮ですが」「私の浅慮にも」「浅慮の致すところ」などの言い回しで用いられます。

「浅慮」の類語

「短慮」

「短慮(たんりょ)」の意味のひとつは、考えの浅いこと・浅はかな考え。もうひとつは、せっかち・短気です。ひとつ目の意味は「浅慮」と同じですね。「短慮な行動」のように用いられます。

「浅薄」

「浅薄(せんぱく)」とは、知識や考えなどが浅く薄っぺらなこと、または、その様子を指す言葉です。

「浅慮」が考えや考えることを対象としているのに比べて、「浅薄」は考える材料となる知識も対象としている点に違いがあります。

「浅慮な知識」とは言いませんが、「浅薄な知識」という言い回しがあるのは、その違いによるものです。

「軽率」

「軽率」は、物事を深く考えずに軽々しく行うさま・軽はずみな行動を指す言葉です。「浅慮」よりも、考えの先にある言動に重きを置いた表現ですが、「浅慮」に近い言葉と言えるでしょう。「軽率な判断」「軽率な行動」のように用いられます。

「○○な考え」という類語

「浅慮」を言い換える言葉として、「○○な考え」というかたちも考えられます。○○に当てはまる言葉は、例えば、次のようなものがあります。

  • 青臭い
  • 甘い
  • 薄っぺらい
  • 視野の狭い
  • 短絡的な
  • 深みがない

そのほかの類語

そのほかにも、「浅慮」の類語として次のような言葉が挙げられます。

  • 猿知恵(さるぢえ)
  • 単細胞(たんさいぼう)
  • 無分別(むふんべつ)
  • 若気の至り (わかげのいたり)

「浅慮」の対義語

「深慮」

「深慮(しんりょ)」は、文字から見てわかる通り「浅慮」の対義語で、深く考えをめぐらすこと・深い考えという意味です。

「遠謀深慮(えんぼうしんりょ)」という「先々のことまで考えた、深いはかりごと」を指す四字熟語としても用いられます。

「深謀」

「深謀(しんぼう)」とは、深く考えて立てたはかりごとという意味で、「深謀をめぐらす」のように用いられます。「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」は、上でご紹介した「遠謀深慮」と同義です。

「浅慮」に関することわざ・慣用句

  • 軽慮浅謀(けいりょせんぼう):思慮の欠けた考えや作戦。
  • 皮相浅薄(ひそうせんぱく):知識、思慮、学問などが非常に浅いこと。
  • 皮相の見(ひそうのけん):物事のうわべだけを見る、浅はかな見解。

「浅慮」と「千慮」

「浅慮」と同音の「千慮」には、あれこれと十分に考えをめぐらすことという意味があります。「浅慮」と意味は異なりますが、読み方が同じため、変換ミスなどの誤用が多い言葉です。

「千慮」を使った慣用句には次のような言葉があります。

  • 千慮一失(せんりょいっしつ):賢い人であっても、多くの考えの中には一つくらい間違いがあるということ。
  • 千慮一得(せんりょいっとく):愚者であっても、多くの考えの中には一つくらい良い考えもあるということ。


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