「凪いだ」とは?意味や使い方を正しい読み方を含めてご紹介

「凪いだ」の読み方と意味を皆さんはご存じですか?海沿いの地域に住んでいる方にはなじみのある言葉ですよね。その一方で、内陸部の方にはあまりなじみがないかもしれません。ここでは「凪いだ」の読み方や意味、使い方などを紹介していきます。

目次

  1. 「凪いだ」の意味
  2. 「凪いだ」の使い方
  3. 「凪いだ」の例文
  4. 「凪」の成り立ち
  5. 「凪いだ」と「和いだ」

「凪いだ」の意味

「凪いだ」は「ないだ」と読みます。「凪ぐ」という動詞の活用形に助詞の「だ」が付いた言葉です。大きく分けて2つの意味がありますので、それぞれ確認していきましょう。

海が穏やかな様子

「凪いだ」は海の様子を表す言葉です。「凪いだ海」とは風がなく、非常に静かで穏やかな海です。

「夕凪」という言葉があります。夕焼けで一面オレンジに染まった海、ただ静かに太陽が沈んでいく海に、波風一つない状況を表しています。

心が落ち着いた状態

「凪いだ」は心の状態も表します。「凪いだ海」のように、穏やかで落ち着いた心境です。

心を騒がせるもののことを「(さざなみ)」と呼びますが、まさに漣一つない心の凪ぎとも呼べる心持ちです。

専門用語では

専門的には「凪いだ」と呼べるのは、海陸風が入れ替わる時の風がない状況です。水の方が地面よりも温まりにくく冷めにくいので、陸と海では温度差ができます。

この温度差が原因で、昼には海から陸の方向に海風が、夜には陸から海へ向かう陸風が吹きます。朝と夕方はちょうどこの2つが入れ替わるので、風が止んでしまう。この現象を、それぞれ「朝凪」「夕凪」と呼びます。

「凪いだ」の使い方

「凪いだ」は風や海、水面などの様子を表すために使われます。海に関してよく使われますが、池や湖でも使用されます。感情や気持ちも同様に、心の状態を表す類語であれば使用して大丈夫です。

好意的な意味を持つことが多いのですが、ネガティブな用法も可能です。夏に風がなくて暑い、海上で帆船が動かないといった局面でも使われます。

文法的には動詞の活用形に助詞の「だ」が付いた形なので、名詞の前や文末に置きます。「荒れた」や「澄んだ」、「よどんだ」などと同じ用法です。

「凪いだ」の例文

  • 嵐のまえの静けさ、とでもいうのだろうか。夜には台風が来るというのに海はまだ凪いだままだ。
  • それは、窓を開けていても耐えられない程に暑く、凪いだ空を恨みたくなる日の出来事だった。
  • 彼女の手を握っただけで、あれほど荒れていた心がぴたりと凪いだ。
  • さざなみ一つない、凪いだ気持ちで迎える朝。

「凪」の成り立ち

「凪」という漢字は「風」と「止」からできています。風が止むことという意味なので、そのままですね。

それもそのはず、実はこの「凪」は国字です。国字とは日本で作られた漢字のこと。和製英語ならぬ和製漢字や和製中国語とでも言えそうですね。

国外では意味の通じない文字ですが、そもそも漢字文化圏は国ごとに違う文字を使っているので影響はないでしょう。

「凪いだ」と「和いだ」

「凪いだ」の元である動詞の「凪ぐ」は「和ぐ」とも書きます。それぞれに特徴があるので、状況に応じて使い分けましょう。

凪ぐ

「凪ぐ」の字は広く知られており、「和ぐ」よりも一般的です。ほとんどの場合でこちらが使われていると言えます。

しかし、「凪」は常用漢字には含まれていません。そのため、常用漢字だけという条件がある場合には使えません。

和ぐ

「和ぐ」は「凪ぐ」よりも知名度の低い表記です。「和らぐ(やわらぐ)」とも混同しやすく、読み間違える可能性も高いのであまり使わない方が良いでしょう。

常用漢字には含まれていますが、常用外漢字使用不可の場合にはあえてひらがなで「なぐ」と書くこともあります。


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