「泰然自若」とは?意味や使い方をご紹介

「いつも泰然自若とした態度でいる人」と聞いた場合、どんな人を想像しますか?のんびりとしたマイペースな人?それとも、落ち着いた人でしょうか?今回は日常ではあまり使われない「泰然自若」という言葉について、その意味や由来、使い方などを紹介していきます。

目次

  1. 「泰然自若」とは
  2. 「泰然自若」の意味
  3. 「泰然自若」の由来
  4. 「泰然自若」の使い方
  5. 「泰然自若」の例文
  6. 「泰然自若」の類語

「泰然自若」とは

「泰然自若」は「たいぜんじじゃく」と読みます。「若」以外は読み方に困ることはないでしょう。「若」を「じゃく」と読む言葉としては、他に「傍若無人(ぼうじゃくぶじん)」や「若輩者(じゃくはいもの)」などがあります。

「泰然自若」の意味

「泰然自若」とは落ち着きがあり、何事にも動じないという意味です。普通の人なら動揺したりパニックに陥ってしまったりするような出来事があっても、普段と変わらず落ち着いた様子でいられる人を表します。

動じない、といっても鈍感やふてぶてしいといった悪い意味ではありません。どっしりと構えてうろたえたそぶりを見せない人です。良い意味で解釈され、ほめ言葉として使われます。

「泰然自若」の由来

「泰然自若」は「泰然」と「自若」という2つの単語からできています。特に由来といわれるほどのエピソードはありませんが、それぞれの意味も見ていきましょう。

「泰然」とは

「泰然」は落ち着き払っていて、何があっても動揺しないことです。悠然や超然といった言葉と似た意味です。

類語とは次の点で使い分けます。悠然はゆったり悠々としている、余裕がありくつろいでいる様子です。気が長いというか、慣れている感じですね。超然は世俗的な事柄には興味がないと無関心でいる態度です。浮世離れした天才や隠者によく使われます。

それに対して「泰然」はどっしりと構えていることと言えます。武道の達人のような態度です。「風林火山」の「動かざること山のごとく」がわかりやすいでしょうか。

「自若」とは

「自若」は大事や由々しき事態に遭遇しても落ち着いた態度を崩さないという意味です。対処が難しい状況になっても慌てずに平常心でいられることとも言えます。

「人事を尽くして天命を待つ」という言葉がありますが、この心境もまた自若とした態度と言えるでしょう。やるべきことはやったのだからあとは静かに結果が出るのを待ち、そしてどんな結果であっても落ち着いて受け入れるだけ。このような落ち着きが「自若」です。

「泰然自若」の使い方

「泰然自若」は目上の人や年上の人に使われることの多い表現です。たとえ落ちついた態度であっても若い人にはあまり使われません。若年者には「冷静」や「肝がすわっている」などが多く使われるようです。

また、自分自身に関して使うのもいただけません。あくまでも他者の眼からみてどう映るか、という言葉です。目標であればよいのですが、長所や性格に挙げるのは避けましょう。

「泰然自若」の例文

  • 武道の有段者だけあって彼女はいつも泰然自若としている。慌てた様子を見せたのは家族が事故にあった時だけだ。
  • 若いころは経営者だったという祖父は世の中の全てを経験しつくしたような人だった。何があってもよくあることだと泰然自若とした態度を崩さなかった。
  • 恩師の座右の銘だと聞いて以来、私も泰然自若を座右の銘としている。

「泰然自若」の類語

冷静沈着

「冷静沈着」とはいつも理性的で取り乱したりしないという意味です。感情を制御できるクールな人とほめ言葉としても使われます。「沈着冷静」とも言います。

「冷静」には感情的にならない、「沈着」には動揺しないで落ち着いているという意味があります。似た意味を重ねた言葉という点でも「泰然自若」と似ていますね。

堂々とした様子なら「泰然自若」、クールな頭脳派なら「冷静沈着」がより当てはまります。

大胆不敵

「大胆不敵」とは敵を敵とも思わないような度胸を持つありさまです。敵に会っても平然としているように、どんなことがあっても動じない、落ち着いた様子を指します。

「大胆不敵」はどちらかと言えば何事も恐れない勇気があるという意味で使われます。「泰然自若」は平常心を崩さないという意味ですので、使い分けは容易ですね。

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