「感嘆」とは?意味や使い方をご紹介

「感嘆」は、感心して褒めたたえる、という意味の言葉ですが、「褒める」という意味が含まれるため、上下関係によって、使い分ける必要があります。多くの類語との差と使い方を知ることも、ビジネスなどで役立ちます。今回は、類語も含め、「感嘆」の使い方をご紹介します。

目次

  1. 「感嘆」とは?
  2. 「感嘆」の使い方
  3. 「感嘆」の関連語
  4. 「感嘆」の類語と使い方
  5. 英語の感嘆文

「感嘆」とは?

「感嘆」には、実は二つの真逆の意味があります。一つ目は、(何かに)感心し褒めたたえること、です。

そして二つ目は、嘆き悲しむこと。こちらのほうは、現代においては殆ど用いられることがなくなりました

「感嘆」の成り立ち

「感嘆」の漢字を検証してみましょう。「感」は、何かにふれて心が動くこと、を意味します。「嘆」は、感動すること・褒めること・なにかに感じ入り、ため息をつくこと・嘆くこと、を意味します。

このように「嘆」の意味を知れば、「感嘆」が「嘆き悲しむ」意味をもつことが理解できます。

「感嘆」の使い方

一般的な「感嘆」の使い方の文例を挙げてみましょう。「感嘆」には「褒める」という意味があることから、目下の者が目上に対して用いることは誤りです。「褒める」行為は、自分のほうが相手を評価する立場にあることが背景となるからです。

(A課長)

新入社員の山本君の今月の営業実績が、なんと課内で二番目という結果になったよ。これは、まったく感嘆すべき努力と才能だ。

(B子)

野球選手だった鈴木三郎が役者への転身をはかったドラマを観たわ。しょせん遊び心と思っていたら、役に入り込んでいて、感嘆の連続だったわ。

「感嘆」の関連語

感嘆詞

感嘆詞とは、感動詞・嘆詞とも称される、感嘆のあまりに発する言葉のことです。呼びかけや応答を表す場合もあり、それだけで完結する、独立した使い方をします。

口語では、さまざまなかたちで用いられますので、用途別に幾例かを以下に挙げてみましょう。

  • 感嘆:おお・ああ・ほう・まあ・うわあ・きゃあ・へえ・えっ・おやまあ・あら
  • 呼びかけ:ねえ・ちょっと・もしもし
  • 応答:はい・いいえ・うん
  • 掛け声:よいしょ(よっこらしょ)・それ・えい(さ)・さあ

感嘆符

感嘆符は英語のエクスクラメーション・マーク(!)由来の、感嘆を表す約物(やくもの:文字・数字を除く記号類の総称)の一つです。

「感嘆」の類語と使い方

驚嘆(きょうたん):驚き、感動・感心すること。(文例:シャガールの原画を観たけれど、あの構図の奇想天外さ、色彩の眩しいような鮮やかさなど、驚嘆するしかなかった)

賞賛(しょうさん):心を動かされ、褒め讃えること。(文例:スピーチコンテストでの木下君の堂々としたスピーチぶりとその内容は、賞賛の的となった)

感服(かんぷく):人の行いや技能に対して心底感心し、尊敬の念をいだくこと。(文例:中村先生の、ひたすら生徒を思う熱血指導には、感服する)

敬服(けいふく):深い尊敬の念をいだき、時に従うこと。(文例:私の陶芸の師、山田先生には、お人柄にもご才能にも、ただ敬服しているんです)

感銘(かんめい):忘れられないほどの大きな感動を受けること。(文例:初めて『となりのトトロ』を観たとき、その美しい映像に感銘を受け、結局自分もアニメーターを目指すことになったんだ)

哀惜(あいせき):(嘆き悲しむ「感嘆」の類語として)人の死などを悲しみ惜しむ感情。(文例:御母堂のご逝去を伺い、哀惜の念に堪えません)

悲哀(ひあい):(同上の類語)悲しく哀れな感情。(文例:かつてマラソンの王者と呼ばれた彼も、足を骨折して以来試合に復帰することができず、つねに悲哀ただよう表情をしている)

英語の感嘆文

「感嘆文」とは、喜怒哀楽などの感情を表す表現のことです。文末に「!」をつけることで、感嘆文になる場合もありますが、英語では「what」「How」を用いた感嘆文が一般的です。

その二つの形式はかつて英文法で誰もが習ったであろうものですが、ここで復習しておきましょう。

  • What + a (an)  形容詞+名詞+主語+動詞+!(文例:What a beautiful lady you are! 訳:君は、なんて美しい女性なんだ!)
  • How+形容詞(副詞)+主語+動詞+!(文例:How wonderful you are !訳:君は、なんて素晴らしいんだ!)

どちらも、口語では主語と動詞を省くことのほうが多いようです。→(What a beautiful lady!・How wonderful!)

欧米では、言葉に出して人を褒める対人文化が根付いています。心にもない言葉を乱発することは逆に不誠実ですが、もしなにかを称賛したい気持ちがあるのなら、日本においても、おおいに褒め、感嘆し、言葉に出してみたいものです。


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