「ひとりごちる」とは?意味や使い方をご紹介

あなたは「ひとりごちる」を正しい日本語とみなしますか、それとも間違いと捉えますか?「ひとりごちる」は独り言を言うという意味で使われていますが、ただしいのかどうか意見がせめぎあっています。今回は「ひとりごちる」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「ひとりごちる」とは?
  2. 「ひとりごちる」という言葉はあるのか
  3. なぜ「ひとりごちる」になったのか
  4. 「ひとりごちる」および「ひとりごつ」の使い方
  5. 「ひとりごつ」の由来
  6. 「ひとりごつ」の類義語

「ひとりごちる」とは?

「ひとりごちる」は独り言を言うという意味の動詞として使われています。正しい日本語であるかは意見の分かれる問題なので、ややスラングよりのカジュアルな表現と言えます。

文中ではもっぱら「ひとりごちて」や「ひとりごちた」という形で使われます。「ひとりごちる」の形のまま使われることはほぼありません。

「ひとりごちる」という言葉はあるのか

「ひとりごちる」という日本語は正式には存在しないと言われています。こう書くと、いきなり梯子を外されたようで腑に落ちない方もいるかもしれません。

しかし、辞典や辞書でも記載していないものが主流です。載せている辞典もあるようですが、一つの辞典に載っているだけでは一般に受け入れられているとまではいえないでしょう。

ここで注意したいのは、あくまでも正しい日本語としては存在しないということです。問題ないという人もいます。けれども間違っているとみなす人も多いので、まだまだ市民権を得ているとまでは言えないのが実情です。

なぜ「ひとりごちる」になったのか

文章中では「ひとりごちた」や「ひとりごちて」という形で使われます。いわゆる連用形です。

これは元々古語の「ひとりごつ」の連用形です。「ひとりごつ」はタ行の四段活用ですので、「ひとりごた(ず)」「ひとりごち(て)」「ひとりごつ」「ひとりごつ(とき)」「ひとりごて(ば)」「ひとりごて」と活用します。連用形が「ひとりごち(て)」となるのです。

では現代語ではどうなるでしょうか。上一段活用と解釈すると「ひとりごち(ない)」「ひとりごち(て)」「ひとりごちる」「ひとりごちる(とき)」「ひとりごちれ(ば)」「ひとりごちれ」となります。

現代語の上一段活用でも連用形は「ひとりごち(て)」です。よって、現代語の上一段活用する動詞とみなせば、「ひとりごちる」が正しいと言えます。このようにして「ひとりごちる」はつくりだされたようです。

「ひとりごちる」および「ひとりごつ」の使い方

  • しあわせだなぁ、とひとりごちた。
  • 休みが欲しいとひとりごちて、残りの作業を片付ける。
  • やってられないと後輩がひとりごちる。

「ひとりごつ」の由来

「ひとりごちる」のルーツである「ひとりごつ」は、「ひとりごと」が動詞化した言葉です。そのまま、独り言を口にするという意味です。

英語圏ほどではありませんが、日本語でも名詞が動詞化するのはよくあることです。ネットスラングや若者言葉の「~る」や「~する」が代表的ですね。

「ひとりごつ」の類義語

ぼやく

「ぼやく」は不満や泣き言を独り言のように口にするという意味です。ポジティブな内容には使われず、ネガティブな独り言にのみ使います。

独白

「独白(どくはく)」は演劇で相手なしに一人で話すセリフです。モノローグとも言います。

自分の考えや意見、心のなかを見せる表現技法で、観客からすれば登場人物の心理を理解する役に立ちます。なお、相手に聞こえないように話すセリフは「傍白(ぼうはく)」といいます。

呟く

今ではすっかりtwitterでツイートすることを指す「呟く」も、独り言を話すという意味です。特に、小さな声で独り言を口にすることです。

似た言葉に「囁く(ささやく)」があります。誰かが聞いているかどうか、ではなく誰かに聞かせる意図があるかどうかが使い分けのポイントです。伝えることを想定していないなら「呟く」、特定の相手以外に聞かせたくないなら「囁く」です。


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